同じような事故でも「修理して乗り続ける車」と「廃車になる車」に分かれるのはなぜでしょうか?本記事では、軽微な事故でも廃車と判断されやすい車両の特徴や背景について、実例を交えてわかりやすく解説します。
◆ 廃車とはどういう状態か?
廃車とは、車を法的に使用不能な状態とし、登録を抹消する手続きです。事故の有無にかかわらず、経年劣化や部品の欠品などによっても行われます。
事故による廃車は、車両の損傷が大きすぎて安全性が確保できない、もしくは修理費が車両価値を上回る場合に行われることが多いです。
◆ 軽微な事故でも廃車になるケースとは
見た目は軽傷でも、廃車にされることがある車には以下のような特徴があります。
- 年式が古く、車両の時価が極端に低い
- 輸入車や特殊車両で部品が高価・入手困難
- 事故の損傷箇所が骨格(フレーム)に及んでいる
- 電気自動車やハイブリッド車でバッテリー系統に損傷あり
- リース車やレンタカーで再販価値が下がると判断された
特に、「修理費 > 時価額」となると、保険会社が「全損(経済的全損)」と判断し、修理ではなく廃車の方が合理的とみなされます。
◆ 実例:バンパー破損でも廃車になったケース
あるユーザーは10年落ちの軽自動車で、交差点でバンパーとラジエーター部分に軽い損傷を受けました。見た目は走行に支障ない程度でしたが、修理見積りは約30万円。しかし、保険会社の査定による車両時価額は約15万円だったため「廃車」扱いになりました。
このように、損傷の程度ではなく、車の価値が低いために廃車になるという事例は少なくありません。
◆ 廃車にするか修理するかは誰が決める?
通常は、保険会社が事故車の損傷状況と時価額を見て、修理か全損(廃車)かを判断します。ただし、保険未加入の場合や自費修理の場合は、ユーザー自身が判断することになります。
また、ローン中の車や法人所有車では、所有者の判断が必要になります。
◆ 廃車にすべきか迷ったときのチェックポイント
- 修理費の見積りが車両価値を超えていないか
- 今後のメンテナンス費用や走行距離
- 中古車としての再販価格
- 安全性に問題が残る修理でないか
- 愛着・思い入れや生活上の必要性
必ずしも経済的な損得だけで決める必要はありませんが、現実的な維持コストは考慮すべきです。
◆ まとめ:軽微な事故でも廃車はあり得る
事故の軽重だけでなく、車両の価値や修理費用のバランスが「廃車か否か」を決定づけます。特に年式の古い車や希少車は、少しの損傷でも廃車扱いになる可能性があるため、事故後の見積や保険対応は慎重に進めましょう。
判断に迷ったら、保険会社や修理業者、または信頼できる第三者のアドバイスを受けることをおすすめします。