任意整理中でも奨学金は借りられる?信用情報と奨学金審査のリアルを解説

任意整理を検討または途中でキャンセルした場合、信用情報に記載されることで今後の金融取引に影響する可能性があります。とくに奨学金の申し込みにおいては、「信用情報」がどのように審査に関わるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。本記事では、任意整理と奨学金審査の関係について詳しく解説します。

任意整理とは?信用情報にどう記録される?

任意整理は債務整理の一種で、裁判所を介さずに債権者と交渉し、利息の減免や返済期間の見直しを行う手続きです。この手続きに入ると、信用情報機関に「異動情報(いわゆるブラック情報)」として登録されます。例え途中でキャンセルした場合でも、弁護士などが介入した事実が残ってしまう可能性が高いです。

信用情報機関(CICやJICCなど)には「任意整理中(本人申告)」などの記載があるケースがあり、これは数年間にわたり閲覧可能な状態で保持されます。

奨学金の審査における信用情報の扱い

奨学金の種類によって信用情報が審査に影響するかどうかは異なります。日本学生支援機構(JASSO)の奨学金では、一般的に申込者本人が未成年の場合、信用情報の参照は行われないとされています。ただし、大学生以上で本人が直接申し込むタイプや、機関保証を選んだ場合などは、信用情報が審査の一部になる可能性があります。

特に民間の教育ローン(銀行系や信販会社)では、信用情報が審査の重要な要素になります。「任意整理中」や「異動情報」があると、審査落ちのリスクが大きくなります。

キャンセル後でも信用情報に残る?

任意整理の手続きを途中でキャンセルしても、すでに弁護士が介入し、債権者に通知が行われた場合は「債務整理の事実」として信用情報に記載されることがあります。正式な「異動情報」ではなくても、本人申告欄や取引履歴の中で債権者側にその履歴が残っていることもあり得ます。

これが奨学金の審査担当者の目に触れると、審査に影響を及ぼすことがあります。信用情報の開示請求を行い、記録の状態を確認することが大切です。

奨学金を借りるためにできる対策

  • 信用情報の確認: CICやJICCで自身の信用情報を取り寄せて、任意整理の記録が残っているか確認しましょう。
  • 親名義や連帯保証人の利用: 自身の信用情報に懸念がある場合は、親などの名義で申し込む選択肢を検討するのも有効です。
  • 機関保証の代替方法: 奨学金の機関保証型は信用情報が重視される傾向があるため、連帯保証人型の利用も視野に入れましょう。

信用情報の回復には時間がかかる

任意整理に関する情報は、手続き完了後も5年間は信用情報に残ります。この間は、金融商品の審査に通りにくくなるリスクがあります。早期に解決しても、記録が自動で消えるわけではないことに注意が必要です。

また、記録削除を求めるには「訂正申請」が必要ですが、誤記でない限り削除されることは基本的にありません。

まとめ:奨学金と任意整理は無関係ではない

任意整理をキャンセルしても、信用情報に記録が残っていれば、奨学金の種類によっては審査に影響を及ぼす可能性があります。特に自身名義での申し込みや機関保証型の場合は注意が必要です。

奨学金の申請前には、信用情報の開示や、保証人制度の確認を行い、状況に応じた対策を講じることが大切です。

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