盗撮事件において被害者との示談が成立しないケースは少なくありません。示談が難航した場合、今後の処分や経済的な影響がどうなるのか、不安に感じる方も多いでしょう。本記事では、盗撮事件における示談不成立のリスク、罰金の相場、そして慰謝料の可能性について、法的観点から詳しく解説します。
盗撮行為の処分とその基準
盗撮は「迷惑防止条例違反」や「軽犯罪法違反」として処罰の対象となります。条例違反として立件されると、多くのケースで罰金刑(30万円以下など)や拘留といった行政処分となります。
一方で、悪質性が高いと判断された場合や前科がある場合には、起訴されて刑事罰(懲役刑や執行猶予)が科される可能性も否定できません。
示談が成立しないとどうなるか
示談が成立していない場合、被害者の告訴が維持されるため、検察官は不起訴にせず略式起訴または正式起訴に進む可能性があります。特に、被害者が強く処罰を望んでいる場合、示談の有無が不起訴かどうかを左右する大きな要素になります。
また、示談が成立していれば不起訴や執行猶予になることが多いですが、示談がない場合は有罪判決や前科が付く可能性が高まります。
罰金・慰謝料の相場と注意点
盗撮における罰金の相場は、10万円~50万円が一般的とされます。ただし、これは行政上の刑罰であり、被害者に対して支払う「慰謝料」とは別です。
慰謝料は民事上の損害賠償請求にあたり、30万〜100万円と幅があります。示談交渉で提示された金額はこの慰謝料に相当するものであり、示談が成立しない場合でも民事訴訟で請求されるリスクは残ります。
示談以外の解決手段と交渉の余地
金銭的に100万円が難しい場合は、弁護士を通じて分割支払いの提案や金額の再交渉を行うことができます。示談金は法律で定められたものではないため、柔軟な調整が可能です。
また、謝罪文の提出や今後の再発防止策(性犯罪加害者向け講座の受講など)を示すことで、誠意を伝える材料として交渉材料になります。
被害者が訴訟を起こす可能性
示談が不成立でも、被害者が民事訴訟で慰謝料を請求することは可能です。裁判になれば、弁護士費用や訴訟手続きの負担が生じるため、最終的なコストは示談より高くなる可能性もあります。
また、裁判で慰謝料が認められた場合、支払いが命じられるだけでなく、判決が記録に残るため、今後の社会的信用にも影響します。
まとめ:示談が重要な理由と今後の対応
・示談不成立でも罰金刑で済む可能性はあるが、刑事処分リスクが高まる
・示談金100万円は高額だが、分割や再交渉も視野に入れる
・示談しない場合、民事訴訟で慰謝料請求を受ける可能性もある
・弁護士を通じて誠意ある対応を示すことで、状況の改善が期待できる
金銭的な事情や心情的な不安がある場合でも、専門の弁護士に相談し、今後の対応方針をしっかりと考えていくことが大切です。