スマートフォンの買取サービスは手軽で便利ですが、稀に「見積金額を提示されたのに、あとからキャンセルされた」というトラブルが起こります。特にオンライン買取では、表示価格や取引条件が変更されるケースも。本記事では、実際にあった「にこスマ買取による一方的なキャンセル」事例をもとに、ユーザー側が取るべき対応や法的観点をわかりやすく解説します。
公開されていた買取価格と「システム異常」の主張
にこスマ買取の件では、サイトに7月9日から8月頭まで表示されていた買取金額に基づき、ユーザーがGalaxy S24を送付しました。しかし、同社は「システム異常」を理由に取引をキャンセル。
ポイントは、サイト上にその価格が数週間表示されていたにも関わらず、「異常」として処理された点です。これは一時的な誤表記とは異なり、ユーザーが誤認して当然の環境があったと判断される可能性があります。
見積もり提示=契約成立ではないが…
買取サービスでは、見積金額を提示された時点では「申込みの誘引」にすぎず、まだ契約は成立していません。商品到着後に検品・正式査定を経て双方が合意して初めて契約成立となるのが一般的です。
しかし、表示価格が事実上の契約条件とみなされる可能性もあります。特に「価格に誤りがあっても当社は責任を負いません」といった記載がない場合、企業側の過失が問われるケースもあります。
買取規約の記載内容を確認する
にこスマの買取規約には、システム上の価格誤りや、会社都合でのキャンセルに関する具体的な条項が不明瞭であるとの指摘があります。契約上の根拠が示されていない場合、ユーザー側の期待権益が認められる余地も出てきます。
また、消費者庁のガイドラインでは、ユーザーに一方的に不利な契約条項は無効とされる場合があります。こうした観点からも、契約規約の曖昧さは企業側の説明責任を問う余地となり得ます。
消費者として取りうる対応策
まずはにこスマに対して、書面やメールで正式な説明とキャンセル根拠の提示を求めましょう。それでも納得できる回答が得られない場合は、以下のような対応が考えられます。
なお、配送時の送料や、他社と比較した価格差による「逸失利益」についても請求対象となる可能性があります。
実際にあった類似事例と判例
過去には、ネットショップが価格設定ミスでキャンセルした事例に対して、「継続して掲載されていた場合は表示価格を信じた顧客に一定の保護がある」とされた判決も存在します。
つまり、「表示価格が客観的に合理的に見え、ユーザーが信頼して行動した」場合は、企業側に一定の責任が課されることもあるのです。
まとめ:ユーザーも情報を武器に冷静に対応を
にこスマのような買取業者における一方的なキャンセルは、契約法や消費者保護法の観点から問題になる可能性があります。「価格表示を見て契約したつもりだったのに…」という疑問は、法的にも無視できるものではありません。
泣き寝入りせず、まずは規約確認・証拠保存・相談機関の活用を通じて、適切な主張と交渉を進めていくことが大切です。