遺産相続トラブルで相手方の弁護士から手紙が届いたときの正しい対応と注意点

遺産相続に関わるトラブルは、家族間の感情も絡み合い、非常に複雑で精神的にも負担の大きい問題です。特に、相手側が弁護士を立ててきた場合、どう対応すべきか悩む方は多いでしょう。この記事では、相手方の弁護士から通知が届いたときに注意すべきポイントや適切な対応方法について、実務的な観点から解説します。

弁護士からの通知は無視せずに専門家へ相談を

まず大前提として、相手側の弁護士からの手紙や通知は絶対に放置してはいけません。これに対応しないことで、法的に不利な立場に置かれてしまうことがあります。

通知が届いたら、速やかに自分側でも弁護士に相談し、対応方針を立てることが重要です。家族間の問題だからといって感情的に動くと、法律上の手続きで損をする可能性があります。

相手側弁護士は「依頼人の利益のため」に動く

相手側の弁護士は当然、相手の代理人です。つまり、中立的な立場ではなく、相手の利益のために行動していることを理解する必要があります。

そのため、こちらの事情や感情を伝えたとしても、それが相手方に有利に使われる可能性があります。特に、不用意に口頭や文書で事実関係を説明するのは避けるべきです。

「トラブルの原因」を主張すべきか?

過去のトラブルの詳細を相手側弁護士に伝えることは、慎重になるべきポイントです。理由としては。

  • 客観的な証拠がないと主張の正当性が証明できない
  • 相手に有利な論点へ誘導されるリスクがある
  • 感情的主張と見なされる恐れがある

そのため、相手弁護士に直接説明するのではなく、自分の弁護士を通じて必要な主張・証拠を伝えるのが安全で効果的です。

返答は書面で、自分側の弁護士経由で行う

トラブルの本質や過去の経緯を主張するにしても、感情的な文章や長文の手紙を送ることは避けましょう。法的な主張は事実関係と証拠に基づく冷静な文書で行う必要があります。

そのため、返答文は必ず自分の弁護士に相談のうえで作成し、法的根拠に基づいた形で提示するようにしましょう。

証拠の収集と整理が今後の鍵を握る

過去のトラブルが相続に悪影響を与えていると感じている場合、その経緯を裏付ける証拠の収集が重要です。具体的には以下のような資料が役立ちます。

  • 施設入所に関する書類や会話記録
  • 名義変更の経緯が分かる司法書士とのやり取り記録
  • 兄家族との書簡・メール・LINEの内容
  • 母親の意思表示が分かるメモなど

これらを弁護士に渡して、法的に有効な主張の裏付けとして整理してもらうことが大切です。

まとめ:感情ではなく法に基づく対応を

遺産相続のトラブルでは、感情的な対応ではなく、法的手続きを踏まえた冷静な対応が何よりも重要です。相手側が弁護士を立てたとしても、自分も弁護士を通じて正当な主張と対応を行うことで、権利を守ることができます。

不利にならないよう、早めに弁護士へ相談し、返答内容の方針や証拠の収集を始めましょう。困難な状況でも、正しい手続きを踏めば道は開けていきます。

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