駐車中の自車に他車が擦ってきた場合、たとえ相手が否定しても、証拠や警察の判断があれば保険対応による修理が可能です。この記事では、キズの塗装にかかる費用や期間、相手の保険でスムーズに修理してもらうための手順を解説します。
停車中に接触された場合の過失割合と基本的な考え方
基本的に、自車が「停車中(駐車中)」で動いていなかった場合、接触した相手側が100%加害者とされることが一般的です。ただし、交差点付近や法定駐車禁止場所だった場合でも、物理的に相手が当たっていれば過失がゼロになるとは限らず、損害の補償は求められるのが通常です。
今回のように警察が現場で「接触あり」と判断し、物的証拠(タイヤの痕跡、塗装の付着)が揃っている場合、相手側の任意保険を使って修理してもらうことは十分可能です。
12〜13cmのバンパー傷にかかる修理費用と日数の目安
軽微な擦り傷であっても、以下のような作業工程が発生するため費用が想像以上にかかることがあります。
- 塗装剥がし・研磨
- 下地処理・塗装・クリア
- 乾燥・磨き作業
そのため、12〜13cm程度の塗装剥がれであっても、ディーラーで修理する場合は3〜6万円程度が相場となります。外車や特殊カラー、アンダースカート部品交換を伴う場合はさらに高くなる可能性も。
修理期間は通常1〜2日。部品交換が発生する場合は3〜5日以上になることもあります。
保険を使って修理してもらうための手続きと流れ
相手が保険に加入している場合、次のような手順で進めるのが基本です。
- 事故証明を取得:警察から「物損事故証明書」をもらう
- 相手の保険会社から連絡を受ける:連絡が来なければこちらから事故受付番号を聞き問い合わせ
- 自車の修理工場を決める:ディーラー、整備工場など保険会社の提携先または希望先
- 修理前の現車確認または写真提出:保険会社が損害調査(アジャスター派遣)
- 保険会社が修理費用を支払い:自己負担なしで修理可能
示談が成立するまでは焦って修理せず、必ず保険会社の指示を仰ぎましょう。
相手が不誠実・態度が悪い場合の注意点
今回のように、相手が「当たっていない」と否認し、挑発的な態度を取ってくるケースでも、証拠が揃っていれば法的には対応可能です。
以下を必ず実行しておきましょう。
- 警察による事故処理(物損扱い)
- 現場写真(キズ、車両位置、相手ナンバー)を記録
- 相手の発言メモや録音(できる範囲で)
「警察に通報した」「証拠がある」と伝えれば、相手が否認し続けても保険会社が対応に乗り出します。
修理するか否か迷う場合の判断基準
最終的に修理するかどうかは次の基準で考えると良いでしょう。
- 下取りや査定を意識するなら修理推奨:未修理のキズは大きく減額されることがあります
- 見た目や走行に支障がなければ放置も可:ただし相手の非を証明した上で「修理しない選択」を明確に
- 修理代金を受け取り、現金精算(示談)も可能:保険会社と相談のうえ選択
感情的になって無理な要求や報復的な行動は避け、あくまで冷静な対応が得策です。
まとめ:証拠と警察の判断があれば保険で修理可能、対応は冷静に
停車中の自車に対して相手が擦ってきた場合は、たとえ相手が否認しても、証拠と警察の現場対応があれば相手の任意保険で修理費用を請求できます。12cm以上のキズであれば、十分に補修対象として認められる範囲です。
感情的になる気持ちは理解できますが、あくまで「損害を正当に補償してもらう」ことに集中し、丁寧に記録を取りながら手続きを進めることが重要です。