暴力を受けて怪我をしたり、物を壊された場合には慰謝料や損害賠償を請求することができます。しかし、その過程で発生する弁護士費用や裁判費用を誰が負担するのかは、多くの被害者にとって気になるポイントです。この記事では、損害賠償請求に関わる費用負担の仕組みについて解説します。
損害賠償請求における基本的な費用負担
損害賠償を求める場合、まずは被害者自身が弁護士への相談料や着手金などを負担する必要があります。加えて、裁判を起こす際には裁判所に収める印紙代や郵券代といった費用も発生します。これらは原則として「請求を行う側」が一時的に負担するものです。
ただし、裁判で勝訴した場合には一部の費用を加害者側に請求できる場合があります。特に損害の範囲に弁護士費用が含まれることがあり、判例では損害額の1割程度が認められることが多いとされています。
弁護士費用の扱い
弁護士費用には大きく分けて「着手金」と「報酬金」があります。着手金は案件を依頼した時点で支払う費用で、結果に関係なく発生します。一方、報酬金は勝訴や和解などによって得られた成果に応じて支払うものです。
裁判で勝訴すれば、報酬金の一部を加害者から回収できる可能性がありますが、全額を請求できるわけではありません。そのため、被害者が自己負担する部分が残ることも多いです。
裁判費用について
裁判費用とは、裁判所に納める印紙代、郵券代、証人日当などを指します。これらは裁判で勝敗が決した際、原則として敗訴した側が負担することになります。つまり、被害者が勝訴すれば加害者側に費用負担を求めることが可能です。
ただし、勝訴してもすべての費用が相手に回収できるわけではなく、実際には被害者側に一定の持ち出しが生じるケースもあります。
実際の金銭的リスク
理論上は損害賠償によって費用を回収できる可能性がありますが、実際には相手に資力がなかったり、支払いを拒否したりするケースも少なくありません。この場合、勝訴しても十分な賠償が得られないリスクがあります。
そのため、弁護士に相談する際には「費用対効果」を考慮することが重要です。費用倒れにならないように、和解や交渉で解決を目指すことも一つの方法です。
まとめ
暴力被害による損害賠償請求では、弁護士費用や裁判費用を一時的に被害者が負担する必要があります。ただし、裁判に勝訴すれば一部を加害者に請求することが可能です。しかし、全額が回収できるわけではなく、費用倒れのリスクもあります。実際に行動する前に、弁護士と十分に相談し、自分のケースに合った解決方法を選ぶことが大切です。