交通事故に遭った際、周囲から「病院に通院すべきだ」と言われることがあります。しかし、症状が軽い場合でも通院することが本当に必要なのか、慰謝料をもらうことが正当なのかと悩む方もいるでしょう。本記事では、交通事故後の適切な対応や慰謝料の仕組みについて解説します。
交通事故後の通院は必要か？
結論から言うと、事故後に違和感や痛みがある場合は、できるだけ早く病院を受診することが重要です。
なぜなら、交通事故によるケガは時間が経ってから症状が悪化するケースがあるためです。例えば、むち打ち症などは事故直後に痛みを感じなくても、数日後に強い症状が出ることがあります。
通院するべき理由
- 後から症状が悪化する可能性がある：事故直後に痛みが少なくても、数日後に症状が出ることがある。
- 事故との因果関係を証明するため：事故から時間が経って受診すると、「本当に事故が原因のケガなのか？」と疑われ、補償を受けにくくなる。
- 治療費や慰謝料を受け取るため：適切な治療を受けることで、医療費の補償や慰謝料の支払い対象になる。
慰謝料を受け取るのは「姑息」なのか？
事故によるケガの治療に対して慰謝料が支払われるのは、被害者が正当な補償を受けるための制度です。加害者側の自動車保険（自賠責保険や任意保険）が負担するものであり、「お金目的で通院するのは良くない」と感じるかもしれませんが、適切な補償を受けることは決して不当ではありません。
慰謝料の仕組み
慰謝料とは、事故による精神的・身体的な負担に対する補償で、以下の計算方法で決まります。
- 自賠責基準：通院日数 × 4,300円（2024年時点）
- 任意保険基準：保険会社ごとに異なるが、自賠責基準よりやや高額
- 弁護士基準：最も高額な基準で、裁判で適用されることが多い
不正請求にならないために
慰謝料をもらうために「不要な通院をする」のは不適切ですが、実際に痛みや違和感がある場合は適正な治療を受けることが大切です。
交通事故後にやるべき対応
事故後は、適切な対応を行うことで後々のトラブルを防ぐことができます。
① 病院を受診する
事故当日または数日以内に病院で診察を受け、診断書を発行してもらいましょう。
② 警察に事故を報告
事故の届け出を行い、「交通事故証明書」を取得することで、補償の申請がスムーズになります。
③ 保険会社に連絡
加害者側の保険会社と連絡を取り、治療費や慰謝料の請求手続きを確認しましょう。
④ 定期的に通院する
症状が続く場合は、医師の指示に従い適切に通院することが重要です。
まとめ
交通事故に遭った場合、実際に痛みがあるなら病院に行き、適切な治療を受けることが大切です。慰謝料は被害者の正当な権利であり、制度として確立されているものなので、「お金目的で通院するのはよくない」と感じる必要はありません。
大切なのは、「本当に必要な治療を受ける」こと。事故後は適切な対応を取り、身体を第一に考えた行動をしましょう。