エステやクリニックの分割払い契約をしている最中に、契約先が倒産してしまった場合、支払い義務はどうなるのか不安になる方も多いでしょう。本記事では、トイトイトイクリニックのような医療ローン契約が残っている場合に取るべき対応について解説します。
クリニックが倒産してもカード会社への支払い義務は残るのか?
結論から言うと、通常はカード会社への支払い義務は継続します。なぜなら、クレジットカード会社はクリニックの代わりに治療費を立て替えた形になっており、利用者はその分を分割払いで返済しているためです。
しかし、まだ受けていない施術分については、支払いを停止できる可能性があります。 これを主張するために、「抗弁書(支払停止抗弁書)」を提出する方法があります。
抗弁書(支払停止抗弁書)とは?
抗弁書とは、クレジット契約で購入したサービスが提供されなかった場合に、支払いの停止を求めるための書類です。消費者契約法や割賦販売法に基づき、条件を満たせばカード会社への支払い義務を免除または停止できる可能性があります。
抗弁書を提出するための条件
- 契約しているサービス(施術など)が未提供であること
- 契約がクレジットカードまたはローンによる分割払いであること
- 販売者(クリニックなど)が倒産し、サービスを受けられない状況であること
これらの条件を満たせば、カード会社に対して抗弁書を提出し、未施術分の支払い停止を求めることができます。
滞納履歴があると不利になるのか?
今回のケースでは、過去に半月ほどの滞納を繰り返していたとのことですが、現在は正常に支払いを行っているため、抗弁書の提出に影響を及ぼす可能性は低いと考えられます。
ただし、滞納履歴が長期間続いていた場合や、延滞を解消せずに抗弁書を提出した場合は、信用情報に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。
抗弁書の提出方法
① 必要な書類を準備する
抗弁書の提出には、以下の書類を準備する必要があります。
- 支払停止抗弁書(カード会社の公式サイトでフォーマットを確認可能)
- 契約書または領収書(クリニックとの契約内容を証明するもの)
- 未施術分の明細書(どの施術が未提供なのかを明確にする)
- クリニック倒産の証拠(公式発表やニュース記事など)
② クレジットカード会社に送付
準備した書類をカード会社の「顧客相談窓口」または「支払停止受付窓口」に郵送します。提出後、カード会社の審査が行われ、支払いの一部または全額が免除されるかどうかが決定されます。
③ 結果を待つ
カード会社の審査には時間がかかるため、通常は1~2ヶ月程度の回答待ちとなります。その間も、支払いが発生する場合は慎重に対応し、カード会社からの連絡を待ちましょう。
その他の対処法
① 消費者センターに相談する
カード会社との交渉が難航する場合は、「国民生活センター」や「消費者相談センター」に相談することで、より具体的なアドバイスを得ることができます。
② 弁護士に相談する
支払いの免除が認められない場合は、弁護士に相談し、法的措置を検討するのも一つの手です。無料相談を行っている法律事務所もあるため、一度確認するとよいでしょう。
まとめ
トイトイトイクリニックの倒産によって、カード会社への支払いが継続するかどうかは、未施術分があるかどうかがポイントになります。未施術分がある場合は、支払停止抗弁書を提出することで、支払いを免除または停止できる可能性があります。
過去の滞納履歴があっても、現在正常に支払いを行っている場合は大きな影響を受けない可能性が高いため、早めに対応を進めることが重要です。
カード会社との交渉が難しい場合は、消費者センターや弁護士に相談することで、より確実な解決策を見つけることができます。