ネット上での口コミや企業評価の発信はどこまで許される?法的リスクを解説

インターネット上では、企業の評判や体験談を共有することが一般的になっています。しかし、悪評を書き込んだり拡散したりする際には、法的なリスクが伴う場合があります。本記事では、ネット上で企業について発信する際の注意点や、名誉毀損・営業妨害に関する法律について解説します。

企業の悪評を書き込むことは違法なのか?

企業のサービスについての口コミや批判をネット上に書き込むこと自体は違法ではありません。しかし、事実に基づかない誹謗中傷や、企業の信用を不当に傷つける内容を広めることは、法的な問題を引き起こす可能性があります。

例えば、「詐欺会社だ」と断定的に書くと、名誉毀損罪(刑法230条)に該当する可能性があります。一方で、「この会社の勧誘方法は強引で、不快な思いをした」といった個人的な体験を述べることは、事実に基づくため問題になりにくいです。

名誉毀損と表現の自由の境界線

日本の法律では、「公共の利害に関わる事実であり、公益目的で発信されたもの」であれば、名誉毀損にはならないとされています(刑法230条の2)。

しかし、個人の感想や企業に対する意見でも、「業務に悪影響を与える目的」があると判断されると、信用毀損罪(刑法233条)や業務妨害罪に問われる可能性があります。

名誉毀損に該当するケース

  • 「○○社は違法な勧誘をしている」と断定的に書く(事実と異なる場合)
  • 「○○社の代表は詐欺師だ」と書く
  • デマ情報を流布して、企業の信用を低下させる

名誉毀損に該当しないケース

  • 「○○社の対応が悪かった」などの個人的な感想
  • 「私はこの会社の営業が強引に感じた」と具体的な体験を述べる
  • ニュース記事などを引用し、事実を伝える

SNSでの拡散はどこまで許されるのか?

SNSで企業の評判を拡散することも、場合によっては違法行為になる可能性があります。特に、事実無根の情報を意図的に広めた場合、企業から損害賠償を請求されることがあります。

例えば、企業に対する誤った情報を投稿し、それが拡散された場合、投稿者や拡散者も法的責任を負う可能性があります。

違法となる拡散の例

  • 虚偽の情報を意図的に拡散
  • 企業の評判を意図的に傷つける目的の投稿
  • プライバシー情報(従業員の個人情報など)の暴露

企業から訴えられないためのポイント

企業の評判について発信する際は、以下の点に注意すると、リスクを軽減できます。

  • 事実に基づいた情報を発信する
  • 感情的な表現を避ける
  • 断定的な言い方をしない(「詐欺会社」ではなく「怪しいと感じた」など)
  • 信頼できる情報源を引用する

まとめ

企業の評判についてネット上で意見を述べることは自由ですが、表現方法によっては法的責任を問われる可能性があります。特に、名誉毀損や業務妨害に該当する発言には注意が必要です。

事実に基づいた発言をし、誇張表現や誤情報の拡散を避けることで、安全に意見を発信することができます。

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