ストリートスナップは、街中の人々の自然な姿を切り取る写真として人気があります。しかし、他人を撮影する際には肖像権やプライバシーの問題が関わってきます。特に、顔がはっきり映っていない場合でも、どこまでが許容される範囲で、どこからが侵害となるのかを知っておくことは重要です。
1. ストリートスナップと肖像権の関係
ストリートスナップは、街中で偶然見かけた人々を撮影する行為ですが、肖像権が関わるため、無断で他人の顔を撮影することは基本的には避けるべきです。肖像権とは、人が自分の顔や姿を無断で撮影され、公開されることを防ぐための権利です。
日本の肖像権は厳格であり、商業目的で使用する場合は特に許可が必要です。しかし、プライベートな範囲での使用や報道目的での使用などには一定の条件が設けられています。
2. 顔が映っていない場合でも注意が必要
質問にもあったように、「顔面ドーンじゃなければ大丈夫」と考える人もいますが、顔が映っていない場合でも、その人物が特定できるような形で撮影されていれば、肖像権を侵害する可能性があります。
たとえば、特徴的な服装や髪型、体型などでその人物が特定できる場合、撮影された人物は自分のプライバシーが侵害されたと感じるかもしれません。写真が公開されることによって不利益を被る場合もありますので、注意が必要です。
3. 盗撮との違いとその基準
盗撮は、相手の同意なしに、こっそりと撮影を行う行為です。盗撮が違法とされるのは、その人物の意図に反して、無断で撮影された場合です。しかし、ストリートスナップであっても、撮影される人物の同意がない場合は、盗撮と見なされることもあります。
特に、人物が撮影されていることを認識していない場合や、その撮影方法が過度に隠密である場合は、盗撮とみなされる可能性が高いです。そのため、できるだけ相手に気づかれずに撮影するのは避けるべきです。
4. 公開目的と商業目的での撮影の違い
ストリートスナップを行っている場合、その写真をどのように使用するかが大きなポイントになります。報道目的や個人的なブログに使用する場合は許可がいらない場合もありますが、商業的に利用する場合(広告や商品パッケージなど)は、許可が必要です。
商業目的で他人の肖像を使う場合、必ず事前にその人物の同意を得ることが求められます。無許可で商業利用することは肖像権侵害となり、訴訟の対象にもなり得ます。
5. ストリートスナップを楽しむためのルール
ストリートスナップを行う際は、相手のプライバシーを尊重することが最も重要です。無断で撮影して後でトラブルにならないように、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。
- 人物が特定できないようにする
- 可能であれば、撮影の前に許可を求める
- 撮影した写真を商業目的で使用しない
- 写真が他者のプライバシーを侵害しないように配慮する
また、公共の場であっても、その人物が明らかにプライベートな行動をしている場合(例えば食事をしている、会話をしているなど)は、撮影を避けるのがマナーです。
6. まとめ:ストリートスナップのマナーを守って楽しもう
ストリートスナップは非常に楽しい写真ジャンルですが、他人の肖像権やプライバシーを尊重し、適切なルールを守ることが大切です。顔が映っていない場合でも、その人物が特定できるような特徴があれば、肖像権侵害となる可能性があります。
盗撮とは異なり、相手の同意を得ることや、商業利用を避けることはストリートスナップを楽しむために必要なマナーです。これらを守りながら、写真を撮影することが、トラブルを避けるための最善策です。