ブロードウェイ原作のミュージカルを日本で上演する場合、翻訳や内容の変更を行う際に必ず考慮しなければならないのが「著作権」です。特に、楽曲を使わず演劇として上演する場合でも、原作に対する著作権が関わってくるため、どのような対応が必要なのかを理解しておくことが重要です。
ブロードウェイ作品の著作権とは?
ブロードウェイのミュージカルは、作曲家、作詞家、脚本家など、複数の著作権者が関わっているため、上演を行う際にはこれらの権利者から許可を得る必要があります。作品の内容を変更する場合でも、著作権者からの許可なしには上演を行うことはできません。
例えば、原作の脚本や楽曲を翻訳して使う場合、その翻訳権も著作権に含まれます。従って、ただ「翻訳する」だけではなく、翻訳に関しての権利処理をしっかりと行うことが求められます。
楽曲を使わずに上演する場合
質問にあるように、ミュージカルの楽曲を使わずに、単なる演劇として上演する場合でも、原作の脚本や登場人物、舞台設定などは依然として著作権の対象です。したがって、楽曲を省略したり変更したりしても、脚本自体の使用に関しては著作権者からの許可を得る必要があります。
また、仮に脚本を完全に「演劇用に改編する」としても、原作の著作権が存在するため、その変更内容が大幅であった場合でも著作権者の許可を取る必要があります。
翻訳して上演する際の著作権処理
翻訳自体にも著作権が存在します。例えば、英語から日本語に翻訳する場合、その翻訳を独自に行うことができますが、その翻訳が「派生著作物」と見なされるため、元の作品の著作権者からの許可が必要です。
特に、商業目的で上演する場合、翻訳権に関しても著作権者からの明確な承認を得ることが義務付けられています。これを怠ると、著作権侵害となり、法的な問題が発生する可能性があります。
著作権者から許可を得る方法
著作権者から許可を得る方法は、通常はミュージカルの製作元や権利を管理している団体を通じて行います。アメリカの作品であれば、通常は著作権を管理しているエージェントや団体と連絡を取ることになります。
具体的には、著作権者やエージェントからの許可書を受け取ることが重要です。この許可があれば、正式に翻訳や改編を行い、日本で上演することができます。
無償での上演に関する注意点
質問にあるように、収益やギャラが発生しない場合でも、著作権が関わる点は変わりません。商業目的でなくても、上演するには著作権者の許可を得る必要があります。これには、ボランティア公演や学校の演劇なども含まれます。
無料で上演する場合でも、上演の内容や規模によっては許可が必要になるため、その点に注意することが大切です。
まとめ
ブロードウェイ原作のミュージカルを日本語に翻訳して上演する場合、たとえ収益が発生しなくても、著作権者からの許可は必須です。翻訳や改編を行う場合でも、著作権者の許可なしでは上演できません。楽曲を使わずに演劇として上演する場合でも、脚本や登場人物の著作権が関わるため、注意が必要です。
上演を計画している場合は、必ず著作権者からの許可を得るようにし、著作権処理を適切に行うことが重要です。適切な手続きを踏むことで、法的トラブルを避け、安心して公演を行うことができます。