交通事故で相手が診断書を提出すると、物損事故ではなく人身事故として処理されることがあります。その際、多くの人が気になるのが「罰金はいくらになるのか」「自分に違反がなくても処分されるのか」という点です。
人身事故になったからといって、必ず罰金や刑事処分が発生するわけではありません。事故状況や過失の程度、けがの内容などによって判断されます。この記事では、人身事故で問題となる過失運転致傷の罰金や処分の流れについて詳しく解説します。
人身事故になると必ず罰金が発生するのか
人身事故として処理された場合でも、必ず罰金刑になるわけではありません。警察による捜査の結果、事故原因や過失の有無が確認され、その後検察官が起訴するかどうかを判断します。
例えば、相手がけがをして診断書を提出した場合でも、事故状況から相手側の過失が大きい、運転者に重大な違反がないなどの事情によっては、刑事処分が行われないケースもあります。
人身事故になったことと、罰金が確定することは別の手続きであることを理解しておくことが大切です。
過失運転致傷に該当した場合の罰則
自動車の運転によって相手にけがを負わせた場合、状況によっては自動車運転処罰法の「過失運転致傷」に該当する可能性があります。
過失運転致傷の法定刑は、7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金とされています。ただし、実際の処分内容は事故の状況によって大きく異なります。
軽微なけがであり、運転者に大きな落ち度がない場合は、不起訴となることもあります。一方で、安全確認不足や速度超過などの事情がある場合は処分対象となる可能性が高まります。
過失割合が2対8の場合でも処分されるのか
交通事故の過失割合は、主に民事上の損害賠償を決めるための基準です。一方、刑事処分では過失割合だけで判断されるわけではありません。
例えば、相手が一時停止を無視して衝突した事故では、相手側の過失が大きく認定される可能性があります。しかし、自分側にも前方不注意などの過失があると判断される場合には、刑事上の責任が検討されることがあります。
そのため、「過失割合が低いから絶対に罰金はない」「相手の過失が大きいから処分されることはない」と単純に判断することはできません。
人身事故後に罰金が決まるまでの流れ
人身事故が発生すると、一般的には以下のような流れで手続きが進みます。
- 警察による事故状況の確認や実況見分
- 当事者からの事情聴取
- 診断書などをもとに捜査
- 検察官による起訴・不起訴の判断
- 起訴された場合は裁判で処分決定
事故直後に警察から呼び出しがあったとしても、その時点で罰金が決まっているわけではありません。捜査内容をもとに判断されます。
また、けがの治療期間や診断内容も処分判断に影響する場合があります。
罰金以外に注意したい行政処分
人身事故では、刑事処分とは別に免許の点数加算や行政処分が行われる可能性があります。
例えば、事故原因となった違反が認められたり、相手のけがの程度が重かったりすると、違反点数が加算され、免許停止などにつながる場合があります。
ただし、点数や処分内容は事故状況によって異なるため、警察からの通知内容を確認することが重要です。
人身事故になった後に運転者がしておくべきこと
事故後は、保険会社との対応だけでなく、自分の運転状況を振り返ることも大切です。特に警察の調査では、事故当時の状況を正確に説明する必要があります。
例えば、相手の一時停止違反が原因だった場合でも、自分が周囲を十分確認していたか、速度は適切だったかなどが確認されます。
不安な場合は、交通事故を扱う弁護士などに相談し、自分の状況で刑事処分の可能性があるのか確認する方法もあります。
まとめ
人身事故として処理された場合でも、必ず罰金が発生するわけではありません。過失運転致傷に該当するか、不起訴になるか、どのような処分になるかは事故状況やけがの程度によって判断されます。
過失割合が相手側の方が大きい事故でも、刑事処分は別の基準で判断されます。事故後は必要な対応を行い、不安な点があれば専門家へ相談しながら手続きを進めることが大切です。