ヤミ金融や無登録の貸金業者と思われるサイトに、氏名・電話番号・住所などの個人情報を入力してしまい、後になって不審な電話がかかってくるケースがあります。実際に借入れや契約をしていなくても、入力した情報が勧誘などに利用される可能性があるため注意が必要です。
特に、電話の相手から本名や自宅住所を言われると、実際に自宅まで来るのではないかと不安になるでしょう。ただし、住所を知られていることと、実際に訪問されることは別問題です。将来の行動を正確に予測することはできないため、必要以上に相手と接触せず、記録を残して公的な相談窓口につなげることが重要です。
ヤミ金サイトに個人情報を入力すると何が起こる可能性がある?
金融庁は、違法な金融業者などとの取引で提供した個人情報について、悪用されたりインターネット上でさらされたりするなど、トラブルや犯罪被害に巻き込まれる危険性があると注意喚起しています。
たとえば、申込みの際に氏名、携帯電話番号、住所、勤務先などを入力していれば、実際には借りなかったとしても、入力した時点でその情報が相手側に渡っている可能性があります。したがって、後日になって本名や住所を知っている人物から電話が来ても、情報を新たに調べられたとは限らず、過去に入力したデータが使われている可能性も考えられます。
金融庁もヤミ金融業者とは関わらないよう注意を呼び掛けており、トラブルに巻き込まれた場合の相談先として金融庁、警察、日本貸金業協会、消費生活相談窓口などを案内しています。[参照:金融庁]
本名と住所を言われた電話が来た場合に確認したいこと
非通知などから電話があり、相手が自分の本名や住所を知っていた場合でも、慌てて本人であることを認めたり、追加の個人情報を伝えたりする必要はありません。相手が知っている情報を確認するために、会話を長引かせることも避けたほうが安全です。
たとえば相手から「○○さんですよね」「○○マンションに住んでいますよね」などと言われても、「生年月日は?」「勤務先は変わっていない?」といった質問に答えると、相手が持っていなかった情報まで追加で渡す結果になりかねません。
借入れをしていないのであれば、不審な相手からの融資勧誘に応じず、送金・契約・本人確認書類の送付などをしないことが基本です。「キャンセル料が必要」「申込みを取り消すには支払いが必要」などと言われても、その場で送金せず、公的な相談窓口へ確認しましょう。
住所を知られていると自宅まで来る可能性はある?
相手が住所を知っている以上、訪問の可能性を理論上ゼロと断定することはできません。一方で、電話で住所を言われたという事実だけから、実際に自宅へ来ると判断することもできません。重要なのは、起こるかどうかを推測し続けることではなく、万一に備えた対策をしておくことです。
一人暮らしの場合は、知らない訪問者が来ても不用意にドアを開けず、インターホンやドアスコープなどで確認してください。オートロックのマンションであれば、管理会社や管理人に「不審な訪問者を通さないでほしい」と相談しておく方法もあります。
また、不審者が自宅付近をうろつく、ドアを何度も叩く、帰宅を待ち伏せする、脅迫的な連絡が続くなど、身の危険を感じる状況になった場合には自分だけで対応しないことが大切です。緊急性がある場合は110番、緊急ではないものの不安やトラブルについて警察へ相談したい場合には警察相談専用電話「#9110」があります。金融庁もヤミ金融などの相談先として#9110を案内しています。[参照:金融庁]
今のうちにやっておきたい具体的な対策
まず、不審な電話には今後できるだけ応答せず、非通知着信を拒否できる端末や通信会社の機能が利用できる場合は設定を検討します。ただし、着信履歴などはトラブルの記録になるため、削除する前に日時をメモしたりスクリーンショットを保存したりしておくとよいでしょう。
次に、過去に入力したサイトのURL、サイト名、入力したおおよその日時、入力した個人情報の種類、届いたSMSやメール、電話が来た日時、相手が名乗った名前、会話内容などを可能な範囲で整理しておきます。相談するときに状況を説明しやすくなります。
- 不審な電話には追加の個人情報を伝えない
- 相手の指示で送金しない
- 運転免許証やマイナンバーカードなどの画像を新たに送らない
- SMSやメールに届いた不審なURLを安易に開かない
- 電話番号・着信日時・メッセージなどの記録を保存する
- 必要に応じて家族、管理会社など信頼できる人にも状況を共有する
- 不審な訪問や脅迫があれば警察へ相談する
電話番号の変更は影響が大きいため、最初から必ず変更しなければならないわけではありません。ただし、番号を変えてもよいほど執拗な電話やSMSが続く場合には、通信会社へ相談して変更を検討する選択肢もあります。
「借りていない」場合でも警察や相談窓口に相談してよい
実際にお金を借りていないから相談できない、ということではありません。不審な業者に個人情報を渡してしまった、住所を知っている人物から不安を感じる電話が来た、といった段階でも相談することはできます。
金融庁はヤミ金融などに関する相談先として、金融サービス利用者相談室のほか、警察相談専用電話「#9110」、日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センター、消費者ホットライン「188」などを案内しています。[参照:金融庁]
また、消費者ホットライン「188」は、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口につなぐ全国共通の電話番号です。どこへ相談すればよいか分からない場合の入口として利用できます。[参照:消費者庁]
相手が「貸した」「契約した」と主張してきた場合はどうする?
今後、相手から「申込みをしたのだから料金を払え」「キャンセル料が発生している」「すでに融資契約が成立している」などと言われる可能性も考えておく必要があります。その場合でも、相手の言い分だけを信じてその場で支払う必要はありません。
実際に借入れをしていないにもかかわらず金銭を要求された場合には、相手とのやり取りを保存したうえで警察や消費生活センターなどへ相談してください。脅されている場合は、一人で交渉を続けることを避けるのが重要です。
また、相手が貸金業者を名乗っていても、名称や登録番号が表示されているだけで正規業者と判断するのは危険です。金融庁は、無登録であるにもかかわらず架空の登録番号や他社の登録番号を詐称する業者についても注意を呼び掛けています。[参照:金融庁]
まとめ:個人情報を知られていても、追加情報を渡さず記録と相談を優先する
ヤミ金融と思われるサイトへ個人情報を入力した場合、実際に借入れをしていなくても、その情報が後日の勧誘などに利用される可能性があります。本名や住所を知っている人物から電話が来れば不安になりますが、電話だけで「必ず自宅に来る」と判断することはできません。
大切なのは、相手との接触を増やさない、追加の個人情報を渡さない、お金を払わない、記録を保存する、そして早めに公的機関へ相談することです。特に住所まで知られていて不安が強い場合は、被害が発生するまで待つのではなく、警察相談専用電話「#9110」などへ状況を伝えて相談しておくことも選択肢になります。
自宅への不審な訪問や待ち伏せ、脅迫など、差し迫った危険を感じる状況が発生した場合には、相手と直接対峙せず、安全な場所を確保したうえで110番へ通報してください。