突然「日本郵便です」と名乗る相手から、「あなたの名前や住所を差出人として、知らない人へ荷物が送られている」「受取人から相談があった」などと電話がかかってくると、自分の個人情報が悪用されているのではないかと不安になります。
特に、身に覚えのない荷物について説明され、本人確認として名前や固定電話番号が合っていることを答えてしまった場合、「詐欺だったのではないか」「これから何か被害が起きるのではないか」と心配になるでしょう。
2026年8月現在、日本郵便は公式に、日本郵便や郵便局を装い、不審な荷物などを口実として氏名・住所等の個人情報を聞き出そうとする電話が発生していると注意喚起しています。したがって、身に覚えのない発送について電話が来た場合は、実際の日本郵便からの連絡だと決めつけず、いったん電話を切って公式窓口へ確認することが重要です。[参照:日本郵便]
一方、前日にスマートフォンで「不明なトラッカー」が検出されたとしても、それだけで今回の電話と同じ人物による嫌がらせや追跡だと断定することはできません。電話への対応とトラッカーへの安全確認は、いったん別々の問題として確認するのが適切です。
日本郵便を名乗る「知らない荷物」の電話は実際に注意喚起されている
日本郵便は、日本郵便や郵便局を装った不審電話が発生しているとして、公式サイトで具体的な手口を公開しています。
確認されている事例には、「あなた名義で不審な荷物が送られている」「あなたの名前が悪用されている」「差し出した郵便物から問題のあるものが見つかった」などと説明し、不安をあおったうえで住所や氏名等の個人情報を聞き出そうとするものがあります。[参照:日本郵便 不審な電話への注意喚起]
その後、「警察につなぐ」「事件になっている」「逮捕される可能性がある」などと言ってさらに不安をあおり、キャッシュカード、通帳、口座情報、現金などを要求するケースも注意喚起されています。
したがって、「知らない相手にあなた名義の荷物が届いた」という説明は、少なくとも日本郵便が公表している詐欺電話のパターンと共通する部分があります。ただし、電話内容だけから実際に詐欺だったと断定することもできないため、公式窓口へ事実確認するのが最も確実です。
本当に日本郵便からの電話か確認する方法
不審な電話を受けたときに避けたいのは、相手から教えられた電話番号へそのまま折り返したり、相手の指示に従って別の番号へ電話したりすることです。
いったん通話を終了し、日本郵便の公式サイトに掲載されている問い合わせ先を自分で調べて連絡します。日本郵便は、不審な電話について判断に迷う場合、電話には応答せず公式のお客様サービス相談センターへ問い合わせるよう案内しています。[参照:日本郵便]
2026年8月時点で日本郵便が案内しているお客様サービス相談センターは、固定電話から「0120-23-28-86」、携帯電話から「0570-046-666」で、案内時間は全日8時から21時です。最新情報は日本郵便公式サイトで確認してください。
問い合わせる際は、「今日○時ごろ、自宅の固定電話に日本郵便を名乗る人物から、知らない相手へ自分名義の荷物が送られているという電話があった。このような問い合わせ記録が本当に日本郵便側に存在するか」と確認すると状況を整理しやすくなります。
名前と電話番号が合っていると答えてしまったら危険?
電話で「○○さんですか」と聞かれて肯定し、「この電話番号で間違いありません」と答えただけで、直ちに銀行口座からお金を抜かれるような状態になるわけではありません。
氏名と固定電話番号だけでは、通常、銀行口座へのログイン、カード決済、各種契約変更などを自由に行うことはできません。そのため、この段階で必要以上に「もう取り返しがつかない」と考える必要はありません。
ただし、詐欺電話だった場合には、「この名前と電話番号の組み合わせが現在も正しく、本人が電話に出る」という情報を相手に確認された可能性は考えておいたほうがよいでしょう。
今後、同じ家へ「警察」「銀行」「市役所」「日本郵便」など別の組織を名乗る電話が続き、今回の内容を知っているような話をされる可能性もあります。話の内容が具体的だから本物だとは判断せず、いったん切って公式番号へかけ直す習慣が重要です。
今後は住所・生年月日・口座情報などを追加で伝えない
今回の通話で名前と電話番号を肯定しただけなら、今後それ以上の情報を渡さないことが大切です。
特に、住所、生年月日、家族構成、銀行名、口座番号、暗証番号、クレジットカード番号、マイナンバー、インターネットバンキングのID・パスワード、SMSで届く認証コードなどは電話相手へ伝えないようにします。
例えば後日、「先日の日本郵便の件ですが、本人確認のため生年月日をお願いします」「警察へ届けるため銀行口座を確認します」と言われても、その場では答えず電話を切ります。
日本郵便公式サイトでも、不審電話から個人情報の不正取得やキャッシュカード・通帳・現金をだまし取る被害につながる可能性があるとして注意を呼びかけています。[参照:日本郵便]
「受取人が何度も電話した」という話が事実かも確認できていない
電話相手から「荷物を受け取った人が送り状の番号へ何度も電話したが出なかった」と言われても、それをそのまま事実として受け入れる必要はありません。
自宅の固定電話に着信履歴が一度もないのであれば、別の番号が書かれていた可能性もありますが、そもそも「受取人が存在する」「荷物が存在する」「何度も電話をした」という説明自体が架空である可能性も残ります。
詐欺電話では、もっともらしい背景を作ることで相手に「何か大変な問題が起きている」と思わせ、本人確認という名目で情報を聞き出すことがあります。
したがって、電話相手の説明を一つずつ推理するより、日本郵便へ「そのような荷物・問い合わせが本当に存在するのか」を公式ルートで確認するほうが確実です。
電話番号の表示だけで本物と判断しない
着信履歴に表示された番号が日本国内の番号だったり、実在する組織に見える番号だったりしても、それだけで信用するのは危険です。
警察庁は、特殊詐欺で実在する警察署等の電話番号を偽装して表示させる手口が確認されているとして注意喚起しています。つまり、着信画面に表示された番号だけを本人確認の根拠にすることはできません。[参照:警察庁]
今回の電話についても、着信番号が残っているならスクリーンショットやメモで保存しておく価値はありますが、「この番号だから本物」「この番号だから詐欺」と番号だけで断定するのは避けましょう。
確認するときは着信履歴から折り返すのではなく、日本郵便公式サイトに掲載されている連絡先を自分で確認して発信します。
固定電話は「知らない番号にはすぐ出ない」対策も有効
高齢の家族などが固定電話を利用している場合、不審電話を完全に会話だけで見抜くのは簡単ではありません。そのため、電話機側で対策する方法もあります。
警察庁は特殊詐欺対策として、電話が鳴る前に相手へ警告メッセージを流す機能や、自動通話録音機能などを備えた「防犯機能付き電話」の導入を紹介しています。自治体によっては購入補助制度などが設けられている場合もあります。[参照:警察庁]
番号表示や非通知拒否サービスなども選択肢になります。家族間で「知らない相手から荷物・警察・お金の話が出たら、その場で答えず一度切る」というルールを決めておくのも効果的です。
特に「今日中に対応しないと逮捕される」「秘密にしてください」「電話を切らないでください」「口座のお金を移してください」などと言われた場合は、その時点で強く警戒しましょう。
不明なトラッカーの検出は別件として確認する
電話の前日にスマートフォンから見知らぬトラッカーについて警告が出た場合、不安になるのは自然ですが、電話とトラッカーを同じ人物・同じ事件によるものだと結び付ける証拠は現時点ではありません。
Bluetoothトラッカーの警告は、知らないトラッカーが自分と一定時間一緒に移動していると端末が判断したときなどに表示されます。ただし、近隣住民の持ち物、公共交通機関で近くにいた人の機器、家族や知人から借りた物などが原因になる場合もあります。
Appleは、AirTagなどについて「持ち主の手元を離れたトラッカーをしばらく持ち歩いている」と検出された場合に通知が表示される仕組みを案内しています。地図に表示される地点は、知らない持ち物が端末の近くで検出された地点であり、その持ち物の所有者がその地点を実際に確認したことを示すものではありません。[参照:Apple]
AndroidでもGoogleが同様の「不明なトラッキング アラート」を提供しており、自分の同意なく位置追跡に使われている可能性のあるBluetoothトラッカーを検出できるようになっています。[参照:Google]
地図の最終検出地点が自宅付近でも「自宅に仕掛けられている」とは断定できない
不明なトラッカーの地図で、最後の検出位置が自宅から数メートルの場所だったとしても、「自宅を監視するために誰かがトラッカーを設置した」と直ちに判断することはできません。
地図に表示されるのは、基本的にはスマートフォンがそのトラッカーを検出した位置や、一緒に移動していたと判断した経路です。トラッカー所有者本人がどこにいたかを表示しているわけではありません。
例えば、隣家や道路を通った人が所有する機器を一時的に検出した場合など、必ずしも自宅や所持品へ取り付けられているとは限りません。
ただし、同じトラッカーが繰り返し自分と一緒に移動している、外出先から自宅まで同じ経路で検出されるなどの場合には、スマートフォンの公式案内に従ってトラッカーを探す価値があります。
不明なトラッカーが表示されたら何をすればいい?
iPhoneやAndroidでは、警告画面からトラッカーの情報を確認したり、対応機種であれば音を鳴らして探したりできます。
Appleは、不明なAirTagなどの通知が出た場合、通知からサウンドを再生してトラッカーを探し、見つかったAirTagについてはシリアル番号などを確認してスクリーンショットで保存できると案内しています。[参照:Apple]
Googleも、不明なトラッカーが検出された場合に「音を鳴らす」機能で探し、見つかった場合にはトラッカー情報を保存したうえで、安全が脅かされていると感じるときは安全な場所へ移動し警察等へ連絡するよう案内しています。[参照:Google]
バッグ、上着、車、自転車など自分と一緒に移動する物も確認します。ただし、不審なトラッカーを探すために危険な場所へ一人で行ったり、怪しい人物を直接問い詰めたりする必要はありません。
トラッカーが実際に見つかった場合は情報を保存する
身に覚えのないAirTagなどがバッグ、車、自転車などから実際に発見された場合には、単なる端末上の警告より重要度が高くなります。
安全を確保したうえで、トラッカー本体が見つかった場所、発見日時、スマートフォンに表示された地図や警告画面、シリアル番号など、確認できる情報を記録しておきます。
AppleはAirTagが見つかった場合、NFC対応スマートフォンを使ってシリアル番号などの情報を確認でき、スクリーンショットとして保存できると案内しています。[参照:Apple]
意図的に取り付けられた可能性がある、何度も同じことが起きる、誰かにつきまとわれているなど安全上の懸念がある場合は、記録を持って警察へ相談してください。
今回の電話とトラッカーを関連付けるには証拠が足りない
「不審な電話の前日に不明なトラッカーが検出された」という時間的な近さは気になりますが、それだけでは両者に因果関係があるとは判断できません。
電話詐欺で無作為または名簿を利用して電話した人物と、近所にたまたま存在したBluetoothトラッカーという、まったく別の出来事である可能性もあります。
逆に、同じ不審なトラッカーが数日間にわたって自宅から外出先まで追随する、実際に持ち物から発見される、その後にも自宅周辺で不審人物が現れるなど、複数の具体的事実が重なれば警察へ伝える材料になります。
現段階では「詐欺電話の可能性を確認する」「トラッカーの実体を確認する」という2本立てで対応し、根拠なく同一人物の嫌がらせと決めつけないことが重要です。
不審電話について警察へ相談するなら#9110
金銭を要求されていない段階でも、「家族の名前や電話番号を確認された」「日本郵便を名乗る不自然な電話だった」「今後の詐欺被害が心配」といった場合には警察へ相談できます。
日本郵便自身も、不審な電話について不安がある場合は最寄りの警察署または警察相談専用電話#9110へ相談するよう案内しています。[参照:日本郵便]
#9110は、緊急の事件・事故ではないものの、犯罪や安全について警察に相談したい場合の窓口です。警察庁も特殊詐欺への不安がある場合の相談先として案内しています。[参照:警察庁]
一方、家の周辺に不審者がいる、実際にトラッカーが取り付けられていた、侵入の形跡があるなど、現在進行形で身の危険を感じる状況であれば110番を検討してください。
消費者ホットライン188も相談先になる
詐欺的な勧誘や不審な電話について、消費生活上の対応を相談したい場合は消費者ホットライン188も利用できます。
188へ電話すると、原則として最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口につながります。[参照:消費者庁]
まだお金を払っていなくても、「相手へどこまで個人情報を伝えたか」「今後どのような連絡に注意すべきか」について相談できます。
ただし、トラッカーによる追跡など身体の安全に関わる可能性がある事案については、消費生活センターだけではなく警察への相談が優先される場合があります。
今すぐやっておきたいことを整理
不安な状況では一つずつ事実を記録しておくと、後から警察や日本郵便へ説明しやすくなります。
- 固定電話の着信日時と表示された電話番号を保存する
- 電話相手が名乗った郵便局名・部署・担当者名があれば記録する
- 「誰宛てに何を送った」と説明されたかを記録する
- 親が相手へ伝えた情報を整理する
- 日本郵便公式サイトの窓口へ自分から電話して事実確認する
- 今後同じ相手から電話が来ても追加の個人情報を伝えない
- 不明なトラッカーの警告画面・地図をスクリーンショットで保存する
- スマートフォンの公式機能からトラッカーの種類や情報を確認する
- バッグ・車・自転車など一緒に移動する物を安全な範囲で確認する
- 不安が続く場合は#9110へ相談する
電話相手から再び連絡が来ても、「先日の件ですね」と会話を続ける必要はありません。「こちらから日本郵便の公式窓口へ確認します」と伝えて切るか、何も答えず終了して構いません。
家族全員で今回の出来事を共有し、「別の人物から電話が来ても今回の件について追加情報を答えない」と決めておくと、二段階目の詐欺への対策になります。
「警察へつなぐ」と言われてもそのまま転送を受けない
今後の電話で特に警戒したいのが、「あなたの名前が犯罪に使われているので警察につなぎます」「警察官と話してください」と言われるパターンです。
日本郵便が公表している不審電話の事例にも、「あなた名義で不審な荷物が送られている」などと告げ、そのまま警察官役へつなぐ手口が掲載されています。[参照:日本郵便]
また警察庁は、警察官を名乗って「あなたが捜査対象になっている」と電話し、資金調査などを口実に送金させる特殊詐欺について注意喚起しています。[参照:警察庁]
このような展開になった場合は通話を終了し、自分で#9110や最寄りの警察署の公式番号を調べて相談してください。
まとめ:日本郵便を名乗る不審な荷物の電話は公式窓口で確認し、トラッカーは別件として安全確認する
「あなたの名前・住所から知らない人へ荷物が送られている」などと日本郵便を名乗る電話が来た場合、詐欺電話の可能性を考え、相手との会話だけで事実確認を続けないことが重要です。日本郵便は実際に、不審な荷物や名義の悪用などを口実に個人情報を聞き出す電話について注意喚起しています。[参照:日本郵便]
名前と固定電話番号が正しいことを答えただけで、直ちに預金等を奪われる状態になるわけではありません。ただし、詐欺だった場合には氏名と電話番号の組み合わせや「本人がこの番号を使っている」という情報を確認された可能性があります。今後は住所、生年月日、口座、カード、暗証番号、認証コードなど追加情報を絶対に伝えないことが大切です。
まず着信番号と会話内容を記録し、電話相手から教えられた番号ではなく、日本郵便公式サイトのお客様サービス相談センターへ自分から連絡して、「本当にそのような荷物・問い合わせが存在するのか」を確認しましょう。不安が残る場合は警察相談専用電話#9110へ相談できます。[参照:警察庁]
一方、前日に表示された不明なトラッカーの警告については、今回の電話と関連していると断定できません。AppleやGoogleの公式機能を使ってトラッカーの詳細や検出経路を確認し、可能であれば音を鳴らして実物を探します。地図の最終地点が自宅付近だからといって、それだけで誰かが自宅を監視している証拠にはなりません。[参照:Apple][参照:Google]
ただし、実際に身に覚えのないトラッカーが所持品や車などから見つかった、同じトラッカーが外出先から自宅まで繰り返し追随している、不審人物が自宅周辺にいるなどの事情が重なった場合には、警告画面やシリアル番号などを保存して警察へ相談してください。
現時点では、電話については「日本郵便を名乗る詐欺電話の可能性を公式窓口で確認する」、トラッカーについては「端末の公式機能で実体と移動状況を確認する」と分けて対応するのが安全です。両者の関連性を推測するより、記録を残し、追加の個人情報を渡さず、公式窓口と警察を使って一つずつ事実確認することが最も確実な対処法です。