交通事故によるむち打ちや神経症状が残っているにもかかわらず、後遺障害申請が非該当となるケースは少なくありません。特に過去に同じ部位で後遺障害認定を受けている場合、「以前の事故があるから今回の症状は認められないのでは」と不安になる方もいます。この記事では、過去の交通事故歴がある場合の後遺障害認定の考え方や、異議申し立てを行う際のポイントについて解説します。
過去に後遺障害14級がある場合でも新たな認定の可能性はある
交通事故の後遺障害認定では、過去に同じ部位で後遺障害が認められている場合、その影響が判断材料になることがあります。しかし、過去に認定歴があるからといって、必ず今回の事故による後遺障害が否定されるわけではありません。
重要なのは、今回の事故によって新たに発生した症状なのか、以前から残っていた症状の継続なのかという点です。例えば、18年前の事故で首の痛みに関して14級が認定されていたとしても、その後長期間症状が落ち着いており、今回の事故によって手のしびれや可動域制限など新しい症状が発生した場合は、別途評価される可能性があります。
後遺障害認定では、事故との因果関係や医学的な裏付けが重視されるため、過去の事故歴だけで判断されるものではありません。
後遺障害が非該当になる主な理由とは
むち打ちなどの症状で後遺障害申請をした場合、非該当となる理由として多いのが「医学的な証明が不足している」「事故との因果関係が認めにくい」といったものです。
特に画像検査で明確な異常が確認できない場合、自覚症状だけでは後遺障害として認定されにくい傾向があります。ただし、MRIなどの検査結果だけではなく、診察時の症状経過、通院状況、神経学的所見なども判断材料になります。
例えば、事故直後から一貫して首の痛みや手のしびれを訴えており、定期的な通院を続けている場合は、症状の継続性を示す重要な資料になります。
異議申し立てでは何を見直すべきか
後遺障害認定の結果に納得できない場合は、異議申し立てを行うことができます。ただ単に「症状があるので認めてほしい」と主張するだけでは、判断を覆すことは難しい場合があります。
異議申し立てでは、最初の申請で不足していた医学的資料や説明を補充することが重要です。例えば、新たな診断書、医師の意見書、検査結果、症状経過を詳しく説明する資料などが有効になることがあります。
また、非該当理由に書かれている内容を確認し、その理由に対して具体的に反論できる資料を提出することが大切です。審査側が問題としている点を解消できるかどうかがポイントになります。
過去の事故との比較で確認されるポイント
過去に同一部位で後遺障害認定を受けている場合、今回の事故による症状が以前の症状と同じなのか、悪化したものなのか、新たに発生したものなのかが確認されます。
例えば、以前は首の痛みだけだったものが、今回の事故後に手のしびれや握力低下などの神経症状が出た場合、症状の内容が異なることを説明する必要があります。
また、前回の事故から18年など長期間経過している場合、その間の生活状況や症状が消失していたことを示すことも、今回の事故との関連性を説明する材料になる場合があります。
後遺障害申請をする際に大切な通院記録
後遺障害認定では、事故後の治療経過が非常に重要です。通院期間だけでなく、どの程度の頻度で治療を受けていたか、症状を継続して訴えていたかなどが確認されます。
例えば、7か月間整形外科に通院し、その間に医師の診察や検査を受けている場合、その治療記録は症状の存在を示す資料になります。
一方で、整骨院への通院が中心になっている場合は、医師による診察や医学的な記録が不足しないよう注意が必要です。後遺障害判断では医師の診断内容が重要視されます。
まとめ|過去の後遺障害歴があっても今回の事故の症状は別に判断される
過去に同じ部位で後遺障害14級が認定されている場合でも、それだけで今回の事故による後遺障害が認められないとは限りません。
大切なのは、今回の事故によって発生した症状の内容、事故との因果関係、治療経過、医学的な裏付けをどれだけ示せるかという点です。
異議申し立てを行う場合は、非該当理由を確認したうえで、不足している資料や説明を補うことが重要です。必要に応じて交通事故に詳しい専門家へ相談し、自分の症状を適切に伝えられる準備を進めることが大切です。