離婚をする際、公正証書を作成して養育費や慰謝料などの金銭的な取り決めを法的に記録しておくことは非常に重要です。特に、支払いの滞りを防ぐための手段や保証人を設定することも検討される場合があります。この記事では、公正証書を作成する際に養育費と慰謝料の内訳についてや、保証人を立てる際の手続きについて詳しく解説します。
公正証書とは何か?
公正証書とは、公証人が作成する法的に有効な文書のことです。公正証書に基づいて支払いの約束がなされている場合、相手が支払いを怠った際には、裁判所を通さずに強制執行(給料や財産の差し押さえ)ができるという大きなメリットがあります。離婚においては、養育費や慰謝料、財産分与に関する取り決めが公正証書に記載されることが一般的です。
養育費と慰謝料の内訳は記載すべきか?
質問にもある通り、養育費と慰謝料の内訳を記載するべきかという点が気になるところです。結論としては、内訳は明確に記載する方が望ましいです。
養育費と慰謝料は、法律的に異なる性質を持つものです。養育費は子どもの生活や教育に必要な費用であり、慰謝料は相手方に対する精神的な損害賠償としての金銭です。これらを一括で記載してしまうと、将来的に支払いが滞った場合に法的にどの部分が未払いなのかが不明確になり、強制執行の際に問題が生じる可能性があります。
例えば、「毎月5万円を支払う」という内容を記載する際、3万円が養育費、2万円が慰謝料という風に内訳を明確に記載することが推奨されます。
支払いが滞った場合の保証人について
支払いの滞りが心配な場合、保証人を立てるという方法も有効です。保証人がいることで、支払いが滞った際に保証人に請求できるため、支払いの確保に役立ちます。
保証人を立てる場合、以下の書類が必要になることがあります。
- 保証人の同意書: 保証人としての役割を果たすことに同意する書類が必要です。保証人には、しっかりと内容を理解した上で同意を得る必要があります。
- 保証人の身分証明書: 運転免許証やマイナンバーカードなど、本人確認ができる書類を提出することが求められます。
- 保証人の収入証明書: 保証人が支払い能力を持っていることを証明するために、収入証明書(源泉徴収票や所得証明書など)が必要になる場合があります。
公正証書作成時に必要な手続きと流れ
公正証書を作成する際には、以下の手続きと書類が必要です。
- 公証役場への予約: まずは公証役場に電話をして相談の予約を取りましょう。公証人との事前打ち合わせが必要です。
- 書類の準備: 離婚協議で合意した内容を書面にしておき、公証役場に提出します。養育費、慰謝料、財産分与など、すべての取り決めを明記しましょう。
- 本人確認書類の提出: 公正証書を作成する際には、本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)が必要です。また、保証人がいる場合は保証人の本人確認書類も提出します。
- 公証人との面談: 公証人と面談し、内容を確認します。内容に問題がなければ、公正証書を作成します。
- 公正証書の完成と署名: 公正証書が完成したら、署名を行い正式に公正証書が成立します。
まとめ:離婚に伴う公正証書のポイント
離婚に伴う養育費や慰謝料などの金銭的取り決めを法的に確実にするために、公正証書の作成は非常に有効です。養育費と慰謝料は性質が異なるため、内訳を明確に記載することが推奨されます。また、支払いが滞るリスクに備えて保証人を立てる場合には、必要な書類をしっかり準備し、公証役場での手続きをスムーズに進めましょう。これらのポイントを押さえて、公正証書の作成を成功させましょう。