任意保険未加入の車にぶつけられた場合の対応方法と内容証明の書き方

駐車中の車にぶつけられたにもかかわらず、相手が任意保険に加入しておらず、賠償対応をしてくれないというケースは少なくありません。特に、見積書や振込先を通知しても無視されるような状況では、法的措置を視野に入れた対応が必要になります。この記事では、そうした状況において実行できる具体的な対応方法と、内容証明の書き方についてわかりやすく解説します。

まずは警察への相談と記録の確保を

事故発生直後に警察へ連絡し、物損事故として届け出た場合は、事故証明が発行されます。これは損害賠償請求の重要な証拠となるため、必ず控えを保管しておきましょう。

また、相手とのやり取りの記録(郵便投函のコピーや、相手からの返信の有無など)もできる限り残しておくことが、後の交渉や法的措置の際に有利になります。

弁護士特約が使えない場合の基本対応

任意保険に弁護士特約が付いていない場合、自力で相手方に請求を進める必要があります。まずは内容証明郵便で正式に請求書を送付し、支払いを促すのが一般的な手順です。

内容証明は「相手に請求の意思を明確に伝えた証拠」として法的効力が強いため、無視されがちなケースでも一定の抑止力になります。

内容証明郵便の基本構成と記載事項

内容証明郵便には、以下のような情報を正確かつ簡潔に記載する必要があります。

  • 事故発生の日時と場所
  • 事故の概要(駐車中の車に衝突されたこと)
  • 損害の内容と金額(見積書の内容など)
  • 振込先と支払期日
  • 支払われない場合の法的措置の可能性

これらを網羅した内容証明の例文を次に紹介します。

内容証明の具体的な例文

以下は実際に使用できる例文です。必要に応じて、氏名や日付、金額などを編集してください。

通知書

令和◯年◯月◯日、貴殿が運転する車両が、私の所有する車両(◯◯ナンバー)に対し、◯◯駐車場にて接触事故を起こしました。

本件事故については、警察にも通報し、物損事故として処理されております。

本件による私の車両の損傷について、修理見積額は◯◯円(税込)となっております。つきましては、下記口座に対し、令和◯年◯月◯日までにお支払いくださいますよう通知申し上げます。

なお、上記期限までにお支払いが確認できない場合には、やむを得ず法的措置を講じることになりますことを申し添えます。


振込先:◯◯銀行 ◯◯支店 普通 1234567 ヤマダ タロウ
金額:◯◯円(税込)
支払期限:令和◯年◯月◯日

令和◯年◯月◯日
差出人:山田 太郎
住所:東京都◯◯区◯◯町1-2-3
電話番号:090-1234-5678
宛先:◯◯ ◯◯ 様

このような文書を、日本郵便の内容証明郵便サービスを通じて送付することで、証拠性が確保されます。

それでも支払いがされない場合は?

内容証明を送っても支払いがない場合は、簡易裁判所に少額訴訟を起こすという手段があります。訴訟費用も比較的安く、個人でも十分に対応可能です。

また、地域の法テラス(日本司法支援センター)では無料で法律相談を受けることもできます。弁護士費用を抑えたい方にはおすすめの選択肢です。

まとめ

任意保険未加入の加害者による車両損傷事故では、自力での対応が必要になるケースも多く、内容証明郵便はその第一歩として非常に有効です。事故の記録をしっかり残し、冷静に請求と交渉を進めることが大切です。

最終的に支払いがなされない場合には、法的措置を視野に入れ、簡易裁判や弁護士への相談など、適切な手段を取りましょう。

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