道路の端を歩いていると、後ろからタクシーが接近し、通りがけにミラーとあなたの腕が接触した場合、これは一種の交通事故です。このような状況で警察に行くべきか、また「当て逃げ」や「ひき逃げ」に該当するか悩む方も多いでしょう。この記事では、タクシーとの接触事故で取るべき対応や、当て逃げ・ひき逃げの違いについて詳しく解説します。
1. 当て逃げとひき逃げの違い
まず、接触事故において「当て逃げ」と「ひき逃げ」は異なるものです。
- 当て逃げ：車両が他の車両や歩行者に軽い接触を起こし、そのまま逃げてしまう行為を指します。今回のようなミラーと腕の接触がこれに該当します。接触した後に運転手が適切な対応を取らずに去ってしまった場合、当て逃げとみなされる可能性があります。
- ひき逃げ：車両が人に接触し、重大な怪我を負わせたにも関わらず、その場を去る行為です。歩行者を車両で轢いてしまった場合が典型的なケースです。今回の接触が腕の軽い打撲などで済んでいる場合は、ひき逃げとは異なります。
今回のケースでは、タクシーのミラーとあなたの腕が接触しただけで、深刻な怪我がない場合は「当て逃げ」に該当する可能性があります。
2. 警察に通報するべきか？
事故の大小に関わらず、交通事故が発生した際には警察に通報することが基本です。今回のケースでは以下の理由から、警察に通報することが推奨されます。
- 事故記録の作成：警察に通報することで、事故の記録を作成してもらえます。後日、万が一のトラブルや怪我の悪化があった場合に備えて、正式な記録が残ることは重要です。
- 運転手の責任追及：警察に通報することで、運転手が適切な対応を取らなかった場合に対して責任を追及することができます。ナンバーが控えられていなくても、付近の監視カメラやタクシー会社の記録から特定できる可能性があります。
- 保険対応：もし治療が必要になった場合、事故の記録が保険請求にも役立つため、早めに対応しておくことが重要です。
3. タクシー会社への連絡
もしナンバーやタクシー会社がわかっている場合は、直接タクシー会社に連絡することも有効です。運転手の対応について報告し、今後の再発防止や責任追及を求めることができます。タクシー会社は顧客対応のトラブルを避けたいと考えるため、適切に対応してくれることが期待されます。
4. 当て逃げに該当するかの判断基準
今回のケースでは、運転手が接触後に「すみません」と言って去ってしまったということですが、この行動が不適切であれば当て逃げとして扱われる可能性があります。当て逃げは、軽微な事故であっても適切な対応を取らない場合に発生します。法律上は、接触事故を起こした際には運転手が警察に報告し、必要な場合には医療機関への同行などを行う義務があります。
5. 警察への報告手順
警察への報告は以下の手順で行いましょう。
- 事故現場の確認：まず、接触があった場所を確認し、できれば周囲の監視カメラや目撃者がいないかを確認しましょう。
- 警察へ通報：最寄りの警察署に電話し、事故の詳細を説明します。タクシーのナンバーや会社がわからなくても、警察は事故の記録を受け付けてくれます。
- 診察の依頼：腕に痛みがある場合は、念のために医師の診察を受けて、診断書を取得しておくこともおすすめです。
まとめ：事故後は迅速な対応が重要
タクシーとの接触事故が発生した場合、軽い接触であっても警察に通報し、事故記録を残すことが重要です。ナンバーが控えられていなくても、警察は事故を調査することができるため、迷わず報告しましょう。また、怪我の有無に関わらず、身体に異変を感じた場合は早めに医師に相談することも大切です。今回の事故が「当て逃げ」に該当するかどうかは、警察の判断によるところもあるため、正しい手続きを踏んで対処しましょう。