仕事中に転落事故を起こし、足首を複雑骨折した場合、その後の症状固定後に後遺障害認定が行われます。後遺障害の認定基準や、どのような症状が認定対象となるのかを理解しておくことは、労災を受ける際に非常に重要です。本記事では、後遺障害認定の基準と実際の症例に基づく等級について解説します。
1. 労災後遺障害の認定基準
労災の後遺障害認定は、事故後の症状固定時にその障害がどれほど生活に影響を与えるかを基に行われます。後遺障害認定は、症状の程度や回復の度合い、生活上の不便さなどを総合的に評価するものです。特に、可動域の制限や痛み、日常生活における制限が認定の基準として重視されます。
例えば、足首の骨折後に背屈の角度が制限され、階段を登ることができない場合、これらは日常生活に大きな支障をきたすため、後遺障害認定の対象となる可能性が高いです。
2. 具体的な症例：足首の複雑骨折後の症状
足首の複雑骨折は、単なる骨折に比べて回復が難しく、後遺症が残りやすいことがあります。特に、背屈（足を上に向ける動き）の制限がある場合、歩行や階段の上り下りに支障が出るため、生活の質が大きく低下します。
また、ハンマートゥ状態（指が下向きに固まってしまう状態）が見られる場合、これも足の機能に大きな影響を与え、運動能力の低下を引き起こします。このような症状は、後遺障害として認定されるための重要な要素となります。
3. 後遺障害等級の認定と妥当な等級の例
後遺障害等級は、症状の程度によって1級から14級まで分かれており、それぞれに対応する障害の状態が定められています。例えば、足首の複雑骨折によって背屈が10度程度まで制限され、歩行が困難な場合、一般的に12級や14級といった等級が考えられます。
具体的には、歩行が困難で階段の上り下りができない、常に痛みがあるなどの症状が認められる場合、12級や13級に該当することが多いです。また、指が固まってしまっている場合や、足の動きに制限がある場合は、等級が高くなることもあります。
4. 後遺障害等級の決定に影響を与える要素
後遺障害等級の決定には、症状の程度に加えて、日常生活や仕事にどの程度の支障をきたしているかも大きな要素です。例えば、走ることができない、階段を手すりなしでは登れないといった生活上の制限が強い場合、後遺障害等級は上位に認定される可能性が高くなります。
また、骨折の治療後に回復が見込まれない場合や、継続的な治療が必要な場合、これらの要素も後遺障害認定に影響を与えます。したがって、適切な診断書と症状報告が求められます。
5. まとめ：後遺障害認定と妥当な等級の把握
後遺障害の認定は、症状の程度や生活への影響を総合的に評価するものです。足首の複雑骨折後に歩行や階段の上り下りに支障をきたす場合、後遺障害等級は12級や14級が妥当とされることが多いですが、個々の症例により異なる場合もあります。
後遺障害等級の認定を受けるためには、症状を正確に伝えるための診断書や医師の意見書が重要となります。自身の症状や日常生活への影響をしっかりと把握し、適切な手続きを踏むことが、最も妥当な認定を受けるための鍵となります。