交際相手との口論が激しくなり、相手や自分に対して危険な行為をしてしまった場合、その後の刑事手続きがどう進むのか不安になる方は少なくありません。警察で事情聴取や証拠確認が行われた後、すぐに逮捕されなかったとしても、その後に検察官が判断を行う場合があります。
この記事では、刃物を向けたとされるトラブルなどで警察対応を受けた場合に、一般的にどのような流れで処理されるのか、不起訴や略式起訴、示談がどのように影響するのかを解説します。なお、実際の処分は具体的な状況や証拠によって大きく異なります。
警察から帰宅を許された場合でも事件処理が終わったとは限らない
警察で事情聴取を受け、その日に帰宅できた場合でも、それだけで事件が終了したとは限りません。警察は集めた証拠や関係者の供述を整理し、その後検察官へ送致するかどうかを判断します。
例えば、現場での状況、相手のけがの有無、使用された物の危険性、発言内容、双方の行動などが総合的に確認されます。
また、警察から「今後呼ばない可能性もあるが、まだ分からない」と説明された場合は、捜査や確認が継続している状態である可能性があります。
刃物を向けた行為で問題になる可能性がある犯罪
刃物を相手に向けた場合、状況によっては脅迫罪や暴力行為等処罰に関する法律違反、場合によっては殺人未遂などの重大な犯罪として検討される可能性があります。
ただし、実際にどの犯罪に該当するかは、刃物を向けた距離、時間、相手が感じた危険性、実際の被害の有無などによって判断されます。
例えば、口論中に一瞬感情的になってしまったケースと、相手を傷つける目的で追いかけたり振り回したりしたケースでは、刑事上の評価は大きく異なります。
不起訴になるケースとは
刑事事件では、検察官が起訴するかどうかを判断します。証拠や事情を検討した結果、起訴する必要がないと判断されれば不起訴になる可能性があります。
不起訴になる理由には、犯罪の成立が十分に証明できない場合、情状を考慮して起訴を見送る場合、被害者との示談が成立している場合などがあります。
ただし、「前科がない」「正直に話した」という事情は有利な事情になる可能性がありますが、それだけで必ず不起訴になるわけではありません。
略式起訴と罰金刑になる場合の意味
略式起訴とは、一定の条件を満たす比較的軽い事件について、公開の裁判を開かず、書面による手続きで罰金刑を求める制度です。
略式手続きで罰金刑が確定すると、法律上は有罪判決となるため前科が付きます。
しかし、略式起訴になるかどうかは、事件の内容、被害状況、反省状況、示談の有無などを踏まえて検察官が判断します。弁護士の見解も参考になりますが、最終的な判断をするのは検察官です。
示談は刑事処分にどのような影響があるか
被害者との示談は、刑事事件で重要な要素になることがあります。示談によって被害感情が和らいだり、被害回復が行われたりすると、検察官が処分を判断する際の事情として考慮される場合があります。
ただし、相手に接近禁止などの措置が取られている場合、本人が直接連絡することは新たなトラブルにつながる可能性があります。
示談を検討する場合は、弁護士を通じて相手方の意思を確認するなど、適切な方法で進めることが大切です。
今後の一般的な刑事手続きの流れ
警察による捜査が進むと、必要に応じて追加の呼び出しが行われることがあります。その後、事件が検察へ送られた場合、検察官が起訴・不起訴などの判断をします。
一般的な流れとしては、警察での事情確認、証拠収集、検察官による判断、不起訴または起訴という形になります。
呼び出しがあった場合は、これまで話した内容と矛盾しないよう、落ち着いて事実関係を説明することが重要です。
今後の対応で注意すべきこと
事件後は、相手への連絡やSNSでの発言などにも注意が必要です。感情的なやり取りが続くと、状況が悪化する可能性があります。
また、自分自身の記憶を整理するため、いつ、どこで、何が起きたのかを時系列でメモしておくことも有効です。
刑事事件では初期対応が重要になるため、不安がある場合は早めに刑事事件を扱う弁護士へ相談することも選択肢になります。
まとめ
交際相手との口論が原因で刃物を向けるなどの行為があった場合、その後の処分は事件の状況や証拠によって決まります。
警察から帰宅を許された場合でも、捜査が続いている可能性があり、不起訴になる場合もあれば、略式起訴による罰金刑となる場合もあります。
前科がないことや反省していることは考慮される事情になりますが、今後の対応を誤らないためにも、必要に応じて専門家へ相談し、冷静に手続きを進めることが大切です。