相続放棄をする際に家庭裁判所へ提出する「相続放棄申述書」は、インターネット上でさまざまな記入例が紹介されています。そのため、見本と手元の申述書の様式が違うと「負債額を書く欄がないけれど大丈夫なのか」と不安になる方も少なくありません。
この記事では、相続放棄申述書の様式の違い、負債額の記載欄がない場合の考え方、提出時に注意したいポイントについて分かりやすく解説します。
相続放棄申述書には複数の様式が存在する
相続放棄申述書は、家庭裁判所が用意している公式の書式を使用します。ただし、インターネット上で公開されている記入例や解説サイトでは、古い様式や一部地域で使用された書式が紹介されていることがあります。
そのため、以前の書式には記載欄があった項目が、現在利用されている申述書には存在しないというケースがあります。
家庭裁判所の公式サイトからダウンロードした申述書であれば、基本的には現在使用できる正式な様式です。見本と完全に同じでなくても、すぐに間違いと判断する必要はありません。
負債額を書く欄がない相続放棄申述書でも問題ない理由
相続放棄の手続きで重要なのは、相続人が被相続人の財産や借金を相続しない意思を家庭裁判所へ示すことです。申述書に必ず負債額を記載しなければ相続放棄できないというものではありません。
相続放棄をする理由として「借金が多いため」などを記載することはありますが、具体的な負債総額を記入する欄がない書式もあります。
例えば、亡くなった方の借金の正確な金額がまだ分からない場合でも、相続放棄の申述自体は可能です。後から調査によって負債額が判明するケースもあるためです。
相続放棄申述書の理由欄には何を書く?
申述書には相続放棄をする理由を記載する欄があります。ここでは、複雑な事情を長文で書く必要はなく、相続を希望しない理由を簡潔に記載します。
例えば、以下のような内容が一般的です。
- 被相続人に多額の債務があるため
- 財産より負債が多いため
- 被相続人と疎遠で財産状況が分からないため
- 相続を希望しないため
負債額が分かっている場合でも、理由欄に必ず金額まで書かなければならないわけではありません。ただし、裁判所から追加説明を求められた場合には対応する必要があります。
ネット上の記入例と違う場合に確認するポイント
インターネットで相続放棄申述書の書き方を調べる場合、掲載されている情報の作成時期を確認することが大切です。
古い記事や個人ブログでは、現在とは異なる書式や手続き方法が掲載されていることがあります。
確認する場合は、まず家庭裁判所の公式サイトに掲載されている最新の申述書を利用し、不明点がある場合は提出先の家庭裁判所へ問い合わせるのが確実です。
相続放棄申述書を提出する際の注意点
相続放棄には期限があります。原則として、相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。
申述書だけでなく、戸籍関係の書類や収入印紙、郵便切手など、提出先によって必要な書類も準備する必要があります。
また、相続放棄を検討している期間中に、相続財産を処分したり借金を一部返済したりすると、相続を承認したと判断される可能性があるため注意が必要です。
まとめ:負債額欄がない相続放棄申述書でも慌てる必要はない
相続放棄申述書には複数の様式があり、ネット上の記入例と現在使用されている書式が異なる場合があります。
家庭裁判所の公式サイトから取得した申述書で、負債額を書く欄がない場合でも、それだけで不備になるわけではありません。相続放棄の理由や必要事項を正しく記載することが重要です。
書式や記載内容に不安がある場合は、提出先の家庭裁判所へ確認することで、安心して手続きを進めることができます。