交通事故によるケガで治療を続けている中、保険会社から治療の終了を打診されたり、傷跡が残ってしまった場合に「このまま後遺障害として認めてもらえるのか」と不安になる方は少なくありません。
特に、事故から数か月経過して色素沈着や傷跡が残っている場合、どのタイミングで皮膚科を受診するべきか、通院期間が短くても後遺障害申請が可能なのかなど、判断に迷うことがあります。この記事では、交通事故による外傷の傷跡と後遺障害認定の考え方について解説します。
交通事故による傷跡は後遺障害の対象になる可能性がある
交通事故によってできた傷跡は、状態によっては後遺障害として認定される可能性があります。特に顔や首など日常生活で人目につきやすい部分に残った傷については、外貌(がいぼう)の醜状として評価されることがあります。
ただし、単に「傷が残っている」というだけで必ず認定されるわけではありません。傷の大きさ、場所、目立ち方、治療による改善の可能性などを総合的に判断されます。
例えば、事故後に頬に大きな線状の傷が残った場合と、時間の経過によって薄くなる程度の色素沈着では、後遺障害としての評価が異なる可能性があります。
半年以上の通院が必要という話は必ずしも決まりではない
交通事故の後遺障害について「6か月以上治療しないと申請できない」と言われることがありますが、これはすべてのケースで法律上決められた絶対条件というわけではありません。
後遺障害は、治療を続けても症状が大きく改善しない状態である「症状固定」と判断された後に申請します。症状固定の時期は、ケガの種類や治療経過によって異なります。
例えば、骨折や神経症状などでは一定期間の治療経過を見ることがありますが、傷跡の場合は医師が状態を確認し、これ以上大きな改善が見込めないと判断する時期が重要になります。
保険会社から治療打ち切りと言われてもすぐに従う必要はない
交通事故の相手方保険会社から「そろそろ治療を終了してください」と言われることがあります。しかし、治療を続ける必要があるかどうかを判断するのは保険会社ではなく、基本的には担当医師です。
まだ痛みがある、傷跡の治療や経過観察が必要であるなどの場合は、医師に現在の症状を相談することが大切です。
例えば、形成外科で傷の治療を受けていて、まだ色素沈着や瘢痕(はんこん)が残っている場合は、皮膚科や形成外科で今後改善する可能性や治療方法について確認しておくことが重要です。
傷跡が残っている場合に確認しておきたいこと
交通事故による傷について後遺障害申請を検討する場合、以下のような点を記録しておくことが役立ちます。
- 事故直後の傷の状態が分かる写真
- 現在の傷跡の写真
- 通院した病院や治療内容
- 医師から説明された内容
- 傷の大きさや場所
時間が経つと傷の状態は変化するため、治療経過が分かる資料を残しておくことは重要です。
また、傷跡について医師の診断書や意見書が必要になる場合もあるため、後遺障害申請を考えている場合は早めに医療機関へ相談すると安心です。
後遺障害申請を考える場合の流れ
一般的には、治療を続けた後に症状固定となり、その時点で残っている症状について後遺障害申請を行います。
申請方法には、相手方保険会社を通して手続きを行う「事前認定」と、自分側で必要書類を準備する「被害者請求」があります。
傷跡について適切な評価を受けたい場合は、必要な資料が揃っているか確認しながら進めることが大切です。場合によっては交通事故に詳しい弁護士へ相談することで、手続きや必要書類について助言を受けられることもあります。
まとめ
交通事故によって残った傷跡や色素沈着は、状態によっては後遺障害として認定される可能性があります。
「半年以上通院していないから申請できない」と決めつける必要はありません。重要なのは、医師が症状固定と判断できる状態か、傷跡がどの程度残っているか、治療経過を適切に記録しているかです。
保険会社から治療終了を求められた場合でも、まずは担当医に現在の状態や今後の治療について相談し、後遺障害申請を検討する場合は必要な準備を早めに進めることが大切です。