知人や友人から金銭的な援助を受けた場合、それが「借りたお金」なのか「もらったお金」なのかによって税金上の扱いが大きく変わります。口頭では返済不要と言われていても、借用書が存在するケースでは判断に迷うこともあります。
この記事では、知人から受け取ったお金について、贈与と貸付の違い、形式的な借用書がある場合の考え方、贈与税申告をする際の注意点について解説します。
お金を受け取った場合は贈与か借入かで扱いが変わる
個人から無償で財産を受け取った場合、基本的には贈与として扱われ、贈与税の対象になる可能性があります。一方で、後から返済する約束がある場合は、通常は借入金として扱われます。
重要なのは、書類の名前だけではなく、実際のお金のやり取りや当事者間の認識です。借用書が存在していても、実際には返済を求めない前提で渡されたお金であれば、税務上は贈与と判断される可能性があります。
例えば、「生活が苦しいから助ける。返さなくていい」とLINEなどで明確に伝えられている場合、その内容は贈与であることを判断する材料になります。
返済期限が極端な借用書でも貸付として認められるのか
借用書は、お金を貸し借りした事実を示す重要な証拠になります。しかし、内容が通常の金銭消費貸借契約として不自然な場合、実態が確認されることがあります。
例えば、返済期限が何百年も先に設定されている、貸主が催促しないと記載されている、利息や返済方法が存在しないなどの場合、形式だけの借用書と判断される可能性があります。
ただし、借用書があるから必ず贈与、または必ず貸付になるという単純なものではありません。LINEのやり取り、振込記録、返済実績などを含めて総合的に判断されます。
110万円を超える場合は贈与税申告が必要になる可能性がある
贈与税には年間110万円の基礎控除があります。その年に受け取った贈与の合計額が110万円を超える場合、原則として贈与税の申告が必要になります。
例えば、知人から100万円、さらに家族から20万円を受け取った場合、合計120万円となるため、基礎控除額を超える部分について申告が必要になる可能性があります。
一方で、受け取ったお金の一部が本当に借入金である場合、その金額は通常、贈与額には含まれません。そのため、どのお金が贈与なのか貸付なのかを整理することが重要です。
贈与税を申告すると相手に連絡がいくのか
贈与税の申告をしたからといって、通常は税務署から自動的に贈与者へ通知が届くという仕組みではありません。
ただし、税務署が申告内容について確認を行う必要がある場合、贈与の事実確認のために相手へ問い合わせる可能性はあります。
例えば、大きな金額の贈与で申告内容に疑問点がある場合や、贈与者側の申告内容との確認が必要な場合などでは、税務調査の一環として確認されることがあります。
連絡が取れない相手からの援助金をどう整理するか
贈与か借入かの判断をする際は、現在相手と連絡が取れるかどうかではなく、受け取った時点でどのような約束だったかが重要になります。
LINEで「返さなくていい」と言われた記録が残っている場合、その内容は贈与であることを示す資料になります。また、銀行振込の履歴や借用書なども一緒に保管しておくと、後から説明が必要になった場合に役立ちます。
例えば、50万円について借用書があり、その後追加で50万円を受け取り返済約束がない場合、それぞれのお金について別々に整理する必要があります。
判断に迷う場合は税理士へ相談するのがおすすめ
贈与と借入の判断は、金額だけでなく契約内容や証拠関係によって変わります。特に借用書と実際の約束内容が異なる場合、自己判断で申告すると後で問題になる可能性があります。
税理士に相談する際は、借用書、LINEの履歴、振込明細、相手との関係性などを準備すると、より正確な判断をしてもらいやすくなります。
受け取ったお金を正しく申告することは、自分自身を守ることにもつながります。記録を整理したうえで、必要に応じて専門家へ確認することが安心です。
まとめ|借用書があっても実態が贈与なら税務上の確認が必要
知人から受け取ったお金は、借用書の有無だけではなく、返済する意思や実際の取り決めによって贈与か貸付かが判断されます。
返済不要というやり取りが残っている場合や、不自然な借用書の場合は、贈与として扱われる可能性もあります。年間の受取額が110万円を超える場合は、贈与税申告の必要性を確認しましょう。
証拠資料を整理し、判断が難しい場合は税理士などの専門家へ相談することで、適切な対応を取ることができます。