交通事故後に肩の痛みが続き、後から腱板断裂などの重大なけがが見つかった場合、「最初に診断されなかった」「カルテの記載日が実際の発症日と違う」といった問題が起こることがあります。
特に交通事故によるけがでは、事故との因果関係や治療経過の記録が重要になります。この記事では、カルテに記載された日付の意味、症状を訴えた時期との関係、交通事故後の診断や証拠整理について解説します。
カルテに書かれた日付は症状が発生した日と同じなのか
カルテには診察時の情報が記録されますが、カルテに記載された日付が必ずしも「その症状が初めて発生した日」を意味するわけではありません。
例えば、事故直後から肩の痛みがあったものの、医師が詳しく記録していなかった場合や、後日の診察で症状について改めて記載された場合、カルテ上では後の日付が症状開始日のように見えることがあります。
そのため、カルテの記載日だけで痛みが発生した時期が確定するとは限りません。事故直後から痛みがあったことを示す他の資料や証言も重要になります。
交通事故後の肩の痛みと腱板断裂の因果関係
腱板断裂は、加齢による変化で起こる場合もありますが、外傷によって発生することもあります。交通事故で肩に強い衝撃が加わった場合、事故との関連性が問題になることがあります。
ただし、医療上も法律上も「事故が原因である」と判断するには、事故の状況、症状の出現時期、診察結果、画像検査など複数の要素を総合的に判断します。
例えば、事故直後から肩の痛みや可動域制限があり、その後MRIで腱板断裂が確認された場合、事故との関連性を検討する材料になります。一方で、事故以前から肩に症状があった場合などは別の判断になることがあります。
初期診察で検査されなかったことは問題になるのか
交通事故後の診察では、症状の内容や医師の判断によって行われる検査が異なります。すべての患者に必ずMRIやエコー検査を行うわけではありません。
しかし、強い痛みが続いている、肩が動かしにくい、外傷の可能性があるなどの場合には、必要に応じて追加検査を検討することがあります。
後から重大な損傷が発見された場合、初期診療時の症状説明や医師の判断過程が重要になることがあります。そのため、当時どのような症状を伝えたのか、どのような診察を受けたのかを整理しておくことが大切です。
カルテ以外に症状の存在を示す資料
交通事故によるけがでは、カルテだけが証拠になるわけではありません。事故後の経過を示す資料を複数残しておくことが重要です。
具体的には、事故直後の診断書、通院記録、保険会社とのやり取り、家族や周囲への相談記録、仕事や日常生活への影響などが参考資料になる場合があります。
例えば、事故当日に肩の痛みを家族へ話していた、事故後から腕が上がらず生活に支障が出ていたなどの事情は、症状の継続性を説明する材料になることがあります。
医療記録に誤りや不足があると感じた場合の対応
診療内容やカルテの記載について疑問がある場合は、まず医療機関へ確認する方法があります。自身が伝えた内容と記録内容が違う場合、その経緯を説明して確認を求めることができます。
また、交通事故案件では、後遺障害認定や損害賠償の判断に医療記録が影響することがあります。そのため、必要に応じて交通事故に詳しい弁護士へ相談することも選択肢になります。
専門家へ相談する際は、事故状況、初診日、症状の経過、検査結果、医師とのやり取りなどを時系列で整理しておくと、より正確な判断を受けやすくなります。
まとめ
カルテに記載された症状発生日は、必ずしも実際に痛みが出始めた日と一致するとは限りません。診察時の記録であり、事故後の経過や他の資料と合わせて判断されます。
交通事故後に肩の痛みが続き、後から腱板断裂などが判明した場合は、事故直後からの症状経過を示す資料を残すことが重要です。
医師の診断やカルテ内容に疑問がある場合は、医療機関への確認や交通事故に詳しい専門家への相談を通じて、自分の状況を正しく整理することが大切です。