煽り運転を警察に通報されたら何日後に連絡が来る?ドラレコ通報後の捜査・事情聴取の流れを解説

煽り運転をしたとして相手が警察へ通報した場合、「警察から連絡が来るなら何日後なのか」「数日何もなければもう大丈夫なのか」と気になることがあります。

結論からいうと、通報から加害者とされる運転者へ連絡が来るまでの日数に、全国共通の決まりはありません。当日や数日以内に確認が入ることもあれば、ドライブレコーダー映像や車両情報の確認などを経て、数週間以上たってから事情聴取の連絡が来ることも考えられます。

警察は、通報があったから直ちに相手方へ電話するとは限りません。通報内容、ナンバー、ドラレコ映像、道路状況、違反行為の内容などを確認し、捜査の必要性を判断したうえで車両所有者や運転者を特定していくことがあります。

この記事では、煽り運転を警察へ通報された場合にいつ頃連絡が来る可能性があるのか、連絡が遅くなる理由、ドラレコ映像がある場合の流れ、数日連絡がない場合の考え方まで整理します。

煽り運転の通報後、警察から連絡が来るまで「何日」という決まりはない

まず押さえておきたいのは、煽り運転の通報について「通報から3日以内に連絡する」「1週間たったら捜査しない」といった法定の日数が設定されているわけではないことです。

警察がどのタイミングで相手方へ連絡するかは、事件の内容や証拠の状況、緊急性などによって変わります。

例えば、110番通報を受けた直後に警察官が現場付近で対象車両を発見すれば、その場で停止を求められたり、当日に事情を確認されたりする可能性があります。

一方、後日ドライブレコーダー映像を警察署へ持ち込み、「この車に煽られた」と申告されたようなケースでは、映像確認や車両照会などを行ってから連絡するため、一定の日数がかかる可能性があります。

当日や翌日に連絡が来るケースもある

危険性が高い煽り運転について、その場で110番通報されたケースでは比較的早く警察が動くことがあります。

例えば、車間距離を極端に詰めながら追跡する、幅寄せを繰り返す、前方へ割り込んで停止させるなど、現在進行形で危険な状況が続いていれば、警察が付近のパトカーへ対象車両のナンバーや特徴を伝え、発見を試みる可能性があります。

警察庁は、妨害運転を受けた場合には安全な場所へ避難したうえで110番通報するよう案内しています。悪質・危険な妨害運転については厳正な取締りを推進しています。[参照:警察庁]

このようなケースでは、対象車両がその場で特定されれば、通報当日中に運転者へ事情確認が行われることも十分考えられます。

後日ドラレコを提出された場合は数日~数週間後になることもある

煽り運転の通報は、その場の110番だけとは限りません。被害を受けた人が帰宅後にドライブレコーダー映像を確認し、翌日以降に警察署へ相談することもあります。

この場合、警察は提出された映像を確認し、対象車両のナンバー、車種、道路状況、日時などを確認したうえで捜査を進めることになります。

警察庁も、ドライブレコーダーについて、交通事故の事実関係を客観的に把握したり、「あおり運転」など悪質・危険な運転を記録したりするために有用であると案内しています。[参照:警察庁 ドライブレコーダーの活用]

そのため、事故の翌日や数日後に被害者が映像を提出し、それから捜査が始まることもあり得ます。結果として、運転者への連絡が1週間後やさらに後になる可能性もあります。

なぜすぐ加害者側へ電話しないことがあるのか

通報された車両のナンバーが分かっていても、ナンバーの名義人が実際の運転者とは限りません。

例えば、車の所有者は父親でも当日は子どもが運転していた、会社名義の車を従業員が運転していた、レンタカーだったということもあります。

そのため警察は、車両の登録情報を確認しただけで「所有者=犯人」と決めるわけではなく、誰が運転していたのかを確認する必要があります。

また、映像に写っている運転が本当に道路交通法上の妨害運転罪や別の交通違反に該当するかも確認する必要があります。このため、通報から連絡まで時間がかかることがあります。

ドラレコ映像があると後日捜査される可能性は高まる

事故が発生していない煽り運転では、客観的な証拠があるかどうかが重要になります。

被害者側のドライブレコーダーに、車間距離、急な割込み、幅寄せ、クラクション、進路妨害、ナンバープレートなどがはっきり記録されていれば、警察が事実関係を確認するうえで有力な資料になります。

警察庁は、ドライブレコーダーが時刻、位置、前方映像、加速度、ブレーキ操作などを記録でき、交通事故等の事実関係の客観的把握に役立つと説明しています。[参照:警察庁]

そのため、現場で警察に止められなかったとしても、ドラレコ映像をもとに後日運転者が特定され、事情聴取を受ける可能性はあります。

ナンバーが映っていても即日連絡とは限らない

ナンバープレートが鮮明に写っていると、「すぐ所有者へ電話できるのでは」と思われるかもしれません。

しかし、実際には映像の内容を確認したうえで、交通違反として捜査する必要があるか、妨害目的が認められそうか、他の映像や目撃情報が必要かなどを検討する場合があります。

また、警察署では複数の交通事故や事件を同時に扱っています。警察庁の警察白書でも、交通事件の捜査では後日関係者から事情聴取することが多く、日程調整などによって捜査に時間がかかることがあると説明されています。[参照:警察庁 警察白書]

したがって、ナンバーが分かっているから翌日に必ず連絡が来る、というものではありません。

1週間何もなければもう捜査されない?

1週間連絡が来なかったとしても、それだけで「警察は事件にしなかった」と判断することはできません。

被害者自身が通報をしたのが数日後かもしれませんし、警察が映像や車両情報を確認している途中かもしれません。

例えば事故当日にトラブルがあり、被害者が3日後に警察へドラレコ映像を持参したのであれば、加害者側から見れば事故から1週間以上後に初めて連絡が来ることも理屈上あり得ます。

「○日過ぎたら絶対に連絡は来ない」という明確なラインはありません。

1か月後に連絡が来ることもあり得る?

可能性としてはあります。通報された事案の内容によっては、数週間後やそれ以上経過してから事情確認が行われても不自然ではありません。

特に、被害者が後から映像を提出した場合、車両名義人と運転者が異なる場合、複数の映像を確認する必要がある場合などは捜査に時間がかかる可能性があります。

一方で、すべての通報について必ず相手方へ連絡するわけでもありません。映像等を確認した結果、交通違反を裏付ける証拠が不足している、対象車両を特定できないなどの理由で、相手方へ事情聴取を行わない場合も考えられます。

したがって、「連絡が遅い=捜査している」「連絡がない=捜査していない」と外部から推測することは困難です。

警察から連絡が来る場合、どんな連絡になる?

後日捜査の場合、車両所有者の住所へ警察官が訪問したり、電話で連絡して事情確認や出頭を求めたりすることがあります。

例えば「○月○日の○時ごろ、この車を運転していましたか」「この日時の運転について確認したいことがあります」などと尋ねられる可能性があります。

車両所有者と運転者が違う場合には、まず所有者へ当時誰が運転していたのか確認される場合もあります。

具体的な連絡方法は事件や警察署によって異なるため、「必ず電話」「必ず自宅訪問」という決まりではありません。

警察から電話が来たら本物か確認する

近年は警察官をかたる特殊詐欺も発生しているため、「煽り運転の件で警察です」と突然電話が来ても、個人情報や銀行口座などを安易に伝えないことも重要です。

相手の警察署名、部署、氏名を確認し、不安なら一度電話を切って、警察署の公式電話番号を自分で調べて代表番号へかけ直します。

本物の警察からの捜査連絡であれば、その警察署へ問い合わせることで担当部署につないでもらうことができます。

特に「捜査を止めるために金を振り込め」「保証金を送れ」といった要求があれば、通常の交通事件の事情聴取とはまったく異なるため、詐欺を疑う必要があります。

事故がなくても煽り運転は捜査される可能性がある

「ぶつかっていないから警察は動かない」と考えるのは正確ではありません。

道路交通法の妨害運転罪は、他の車両等の通行を妨害する目的で、一定の違反を交通の危険を生じさせるおそれのある方法によって行った場合に成立する可能性があります。

警察庁は、車間距離不保持、急ブレーキ、危険な進路変更、警音器の不適切な使用など一定の違反について、妨害目的で危険な方法により行った場合には厳正な取締りの対象になるとしています。[参照:警察庁]

そのため、事故やけが人が発生していなくても、証拠があれば後日捜査される可能性があります。

煽り運転として通報されても必ず妨害運転罪になるわけではない

一方、相手が「あおられた」と警察へ通報したことと、道路交通法上の妨害運転罪が成立することは同じではありません。

例えば一度車間距離が近くなっただけなのか、意図的に長く接近していたのか、急な割込みは危険回避だったのか妨害目的だったのかなど、具体的な状況によって評価は変わります。

警察は通報者の説明だけでなく、ドラレコ映像など客観的な資料も確認しながら事実関係を調べることになります。

結果として妨害運転罪には該当しなくても、車間距離不保持や警音器使用制限違反など、個別の交通違反として問題になる可能性もあります。

警察から連絡が来た場合にやってはいけないこと

実際に警察から事情確認の連絡が来た場合、「事故を起こしていないから問題ないだろう」と考えて適当な説明をするのは避けたほうがよいでしょう。

特にドライブレコーダー映像が残っているのであれば、削除したり編集したりせず、そのまま保存しておくことが重要です。

自分側のドラレコには、前方車両の挙動や道路状況など、自分の運転の理由を確認できる映像が残っている可能性があります。

すでに警察から出頭を求められている、妨害運転の疑いで捜査を受けているなど具体的な状況であれば、交通事件を扱う弁護士へ相談することも選択肢です。

ドラレコ映像は上書きされる前に保存する

一般的なドライブレコーダーは、SDカードの容量がいっぱいになると古い映像から上書きされる設定になっています。

そのため、煽り運転として通報された可能性があり、当日の運転状況を後から確認する必要がありそうなら、該当時間帯の映像を早めに保存しておくことが重要です。

警察庁も、ドライブレコーダーについて交通事故等の事実関係を客観的に把握するのに役立つと説明しています。[参照:警察庁]

映像が自分に不利に見えるとしても、意図的な削除や改変はせず、元データを保持するのが安全です。

「何日後か」を予想するより連絡に備えるほうが現実的

煽り運転の通報について、「3日過ぎた」「1週間過ぎた」「2週間過ぎた」と日数を数えても、警察が今後連絡するかどうかを正確に判断することはできません。

通報された時点、映像が提出された時点、警察が捜査を開始した時点は、加害者とされる側からは通常分からないからです。

もし実際に心当たりがあるのであれば、日数を基準に安心するより、当日の走行経路、時間、同乗者、ドラレコ映像などを確認しておくほうが実際的です。

また、今後同じようなトラブルを起こさないよう、車間距離を十分に取り、追い越しや割込みに感情的に反応しないことも大切です。

まとめ:煽り運転通報後の連絡は当日から数週間後まであり得て、決まった日数はない

煽り運転を相手が警察へ通報した場合、加害者とされる運転者へ何日後に連絡するという決まった期限はありません。

110番通報され、警察がその場で対象車両を発見した場合には当日中に事情を確認されることがあります。一方、被害者が後日ドラレコ映像を警察へ提出したケースでは、映像確認、車両照会、運転者特定などを経て、数日後、数週間後、場合によってはさらに後に連絡が来る可能性もあります。

警察庁も、ドライブレコーダーが交通事故や悪質・危険な運転の事実関係を客観的に確認するために有用であると案内しています。現場で警察に止められなかったからといって、後日の捜査がないとは限りません。[参照:警察庁]

また、1週間や2週間連絡がないことだけを理由に、「もう警察から連絡は来ない」と判断することもできません。そもそも被害者がいつ警察へ相談したのか、警察がどのような証拠を確認しているのかが分からないためです。

事故やけががなかったとしても、妨害目的で危険な運転をしたと認定されれば妨害運転罪が問題になる可能性があります。警察庁は妨害運転について厳正な取締りを行うとしています。[参照:警察庁]

実際に心当たりがある場合は、警察からの連絡が来る日を予想するより、当日のドライブレコーダー映像を上書きされないよう保存し、走行日時や経路を確認しておくほうが重要です。すでに警察から出頭や事情聴取を求められている場合には、必要に応じて交通事件に詳しい弁護士へ相談することも検討してください。

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