TikTokで詐欺被害に遭ったら警察に相談できる?少額被害・相手の住所がある場合の対処法

TikTokなどのSNSを通じた個人間取引では、代金を送ったのに商品が届かない、約束したサービスが提供されない、送金後に相手と連絡が取れなくなるといったトラブルが起こることがあります。被害額が少額だと「警察に相談しても意味がないのでは」と考えてしまいがちですが、金額が少ないという理由だけで警察への相談ができなくなるわけではありません。

また、取引相手から住所を教えられている場合でも、その住所が本当に本人のものとは限りません。この記事では、TikTokなどSNS上の取引で詐欺と思われる被害に遭った場合について、警察への相談、証拠として残しておきたい情報、相手の住所の扱い、送金後に取れる対応を整理します。

TikTokで少額の詐欺被害に遭った場合でも警察へ相談できる

SNS上の取引で金銭をだまし取られた疑いがある場合、被害額が数千円などの少額であっても警察へ相談することは可能です。犯罪に該当するか自分では判断できない場合にも、警察相談専用電話「#9110」などを利用できます。

警察庁は、#9110について、犯罪に当たるか分からない場合を含む警察への相談全般を受け付ける窓口として案内しています。相談内容に応じて関係部署が対応する仕組みです。[参照:警察庁 犯罪被害者等施策ホームページ]

ただし、「お金を払ったのに約束が守られなかった」という事情だけで、必ず詐欺事件として捜査されるとは限りません。単なる契約上のトラブルなのか、最初から相手にだます意思があったのかなど、具体的な事情によって判断が異なるためです。

警察へ相談する前に取引の証拠を保存しておく

SNS上のトラブルでは、相手がアカウントや投稿、ダイレクトメッセージを削除してしまう可能性があります。そのため、相談する前にできるだけ取引の記録を保存しておくことが重要です。

たとえば、次のような情報は削除せずに残しておきましょう。

  • TikTokの相手のアカウント名・ユーザーID
  • 相手のプロフィール画面
  • 商品や取引を持ちかけた投稿
  • DMやその他のメッセージのやり取り
  • 取引日時と金額
  • 銀行振込・送金アプリなどの決済記録
  • 相手から伝えられた氏名・住所・電話番号・口座情報
  • 「送金すれば商品を送る」など取引条件が分かるメッセージ
  • 送金後に返信がなくなったことが分かる記録

スクリーンショットだけでなく、可能であれば画面録画や取引履歴そのものも保存しておくと、やり取りの前後関係を説明しやすくなります。警察へ相談するときは「いつ、誰と、何を約束し、いくら払い、その後どうなったか」を時系列で整理しておくと事情を伝えやすくなります。

相手から教えられた住所は重要な情報だが本物とは限らない

取引相手から「担保」として住所を教えてもらっている場合、その情報も警察へ相談するときに提示できます。ただし、住所を知っているから相手本人を確実に特定できるとは限りません。

SNS上では、第三者の住所、存在しない住所、以前住んでいた住所、店舗や集合住宅など、本人と直接関係のない所在地を伝えることも可能です。氏名についても同様で、表示名だけでは本人確認にはなりません。

そのため、教えられた住所へ自分で訪問したり、SNSで住所を公開したりすることは避けた方が安全です。無関係な第三者の住所だった場合には別のトラブルにつながります。住所は「相手から提供された情報の一つ」として保存し、警察など適切な窓口へ提示するのが基本です。

「少額だから警察は動かない」と決めつける必要はない

被害額が少ないと「数千円程度では警察に相手にされない」と考える人もいます。しかし、被害額だけで相談する意味がなくなるわけではありません。

たとえば、一人あたりの被害額が3,000円でも、同じ人物が100人から同じ方法で金銭を受け取っていれば合計30万円になります。一件だけを見ると少額でも、同じアカウントや送金先を使った被害が複数発生している可能性があります。

警察庁は、警察相談専用電話#9110のほか、各都道府県警察の相談窓口も案内しています。緊急性のない相談であれば、最寄りの警察署や#9110への相談が選択肢になります。[参照:警察庁 各都道府県警察の案内]

警察への相談と「お金を取り戻すこと」は分けて考える

ここで注意したいのは、警察へ被害を相談することと、支払ったお金を返してもらうことは同じ手続きではないという点です。警察は犯罪の捜査を担当しますが、相談しただけで自動的に代金が返金されるわけではありません。

銀行振込を利用した場合は、気付いた時点で振込元の金融機関にも相談しておくことが考えられます。キャッシュレス決済や送金サービスを利用した場合も、サービス事業者の問い合わせ窓口で、不正取引・詐欺被害について利用できる手続きがないか確認します。

また、取引の性質によっては消費生活センターへの相談が適している場合もあります。消費者庁では、困ったときの相談先として全国共通の消費者ホットライン「188」を案内しています。[参照:消費者庁 消費者ホットライン]

SNS詐欺で被害を広げないために注意したいこと

一度送金した後、「返金するために手数料が必要」「本人確認のため追加送金してほしい」などと言われた場合は、さらに慎重になる必要があります。被害回復を口実に追加の金銭を要求され、被害が拡大するケースも考えられるからです。

また、相手から送られてきたURLを安易に開いたり、運転免許証・マイナンバーカード・銀行口座の暗証番号・クレジットカード番号などを追加で送ったりしないことも重要です。

警察庁はSNSをきっかけとする詐欺被害について継続的に注意喚起しています。SNSではプロフィールやメッセージだけから相手の身元を確認することが難しいため、相手から住所や氏名を教えられていたとしても、それだけを信用材料にしないことが大切です。[参照:警察庁 特殊詐欺等の発生状況]

まとめ:証拠を消さず、住所を自分で追わずに相談する

TikTokなどSNSを利用した取引で詐欺の疑いがある被害に遭った場合、少額だからといって警察への相談を諦める必要はありません。犯罪に当たるか判断できない段階でも、警察署や警察相談専用電話#9110などへ相談できます。

相談前には、相手のTikTokアカウント、メッセージ、送金記録、取引条件、氏名や住所などをできるだけ保存しておきましょう。相手から住所を教えられていても、それが本人の住所である保証はないため、自分で訪問したりインターネット上に公開したりするのは避けるのが安全です。

そして、警察への相談とは別に、利用した金融機関や決済サービスへの連絡、必要に応じて消費者ホットライン188への相談も検討できます。被害に気付いた段階で証拠を保存し、追加送金をせず、できるだけ早く適切な窓口へ相談することが重要です。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール