未成年の性的な流出動画をスマホに保存すると逮捕される?児童ポルノの所持・購入・共有と警察捜査を解説

SNSで未成年者の性的な画像や動画が「流出」「販売」などの言葉とともに出回ることがあります。友人から見せられたり、購入を勧められたりするケースもありますが、被写体が18歳未満で法律上の「児童ポルノ」に該当する内容であれば、単なるネット上の動画として扱うことはできません。

日本では、自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持したり、スマートフォンなどに電磁的記録として保管したりする行為が処罰対象になります。警察庁も「児童ポルノは持たない」と明確に注意喚起しています。[参照] 警察庁「子供の性被害は許されない!」

一方で、「友達のスマホで偶然見えた」「勝手に送られてきた」「リンクを見かけただけ」と、「自分の意思で購入して保存している」ケースは同じではありません。児童ポルノ所持罪には目的や所持に至った経緯などの要件があるため、状況を分けて考える必要があります。

児童ポルノをスマホに保存しているだけでも犯罪になる可能性がある

児童買春・児童ポルノ禁止法では、自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持したり、その電磁的記録を保管したりした場合、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象となり得ます。いわゆる「単純所持」に関する規制です。

警察庁の解説では、この規定について、自己の意思に基づいて所持または保管するに至り、かつ、そのことが明らかに認められる場合が対象になると説明されています。[参照] 警察庁「児童ポルノ禁止法の改正について」

例えば、18歳未満の人物の児童ポルノに該当する動画だと認識しながら、性的好奇心を満たすためにSNS上の販売者から購入し、自分のスマートフォンの写真・動画フォルダへ保存しているケースは、単に「ネットで見かけた」というケースとは大きく事情が異なります。

「Xで買った」という事情は軽く考えないほうがよい

SNS上で動画を購入した場合、少なくとも本人が自ら入手したことを示す事情になり得ます。さらに、販売者とのメッセージ、送金記録、ダウンロード履歴などが存在する可能性もあります。

したがって、「保存しているだけなら誰にも分からない」と考えるのは危険です。児童ポルノの販売・提供側について別件の捜査が始まり、その過程で購入者に関する情報が捜査対象になる可能性も否定できません。

警察庁は、インターネット上の児童ポルノについて、違法情報の通報を受け、警察への通報やサイト管理者等への削除依頼などを行うインターネット・ホットラインセンターの仕組みも案内しています。[参照] 警察庁「インターネット上の違法情報・有害情報対策」

持っていれば必ず警察が家に来るわけではない

児童ポルノに該当するデータをスマートフォンに保存しているからといって、その瞬間に警察へ自動通知され、必ず自宅に警察官が来るという仕組みではありません。

ただし、だから安全という意味でもありません。どのような端緒から捜査が始まるかは個別事件によって異なります。販売者・提供者に対する捜査などから購入者や受領者が判明することも考えられるため、「警察から連絡が来ていない=問題がない」と判断することはできません。

また、実際に捜査対象になった場合に、逮捕されるのか、在宅で捜査されるのか、どのような処分になるのかも一律ではありません。証拠や行為の内容、年齢など個別の事情によって異なるため、「動画を1本持っていたら必ず逮捕」のような断定も正確ではありません。

中学生など本人が未成年の場合はどうなる?

ここで重要なのが、動画を持っている本人自身も中学生などの未成年者だった場合です。成人による事件と、少年による行為をまったく同じ枠組みで考えることはできません。

特に14歳未満か14歳以上かは刑事責任を考えるうえで重要な違いがあります。また、20歳未満については少年法上の「少年」として扱われるため、成人と同じように単純に「有罪になって刑務所」という流れを想定するのは適切ではありません。

一方で、未成年なら児童ポルノを購入・保存・共有しても問題にならないという意味ではありません。年齢や行為によっては警察による事情聴取、保護者への連絡、少年事件としての手続などにつながる可能性があります。未成年同士であっても性的画像を安易に売買・共有してよいわけではありません。

友達から「見る?」と言われたときは受け取らないことが重要

友人が違法な可能性のある性的動画を持っていたとしても、自分のスマートフォンへ送ってもらったり、保存したりする必要はありません。興味本位で「一度だけ」と受け取ることが新しい問題につながります。

最も安全なのは、送ってもらわない、買わない、保存しない、他人へ転送しないことです。「持っている証拠を見せて」と頼んで自分宛てに送信させることも避けるべきです。

例えば友達から「これ流出動画だけど見る?」と聞かれた場合、「いらない」「送らないで」と断れば十分です。友人関係を守るために一緒に動画を確認する必要はありません。

「見ただけ」と「保存・購入した」は区別して考える

児童ポルノ所持罪については、「児童ポルノらしきものを一瞬目にした」という事実だけで直ちに単純所持罪になるわけではありません。法律では自己の性的好奇心を満たす目的や、自己の意思に基づいて所持・保管するに至ったことなどが問題になります。

そのため、SNSのタイムラインに突然表示されたケースと、児童ポルノだと分かったうえで代金を払い、ファイルを受け取り、スマートフォンへ保存しているケースは分けて考えなければなりません。

また、メッセージアプリなどで一方的に送信されたケースもあります。このような場合も、受信したという事実だけから直ちに犯罪成立を断定するのではなく、その後に本人がどのように扱ったかなど具体的事情が重要になります。

友達に転送するとさらに問題が大きくなる可能性がある

特に避けるべきなのが、保存している児童ポルノを別の人へ送る行為です。「自分だけで持っている」という問題から、第三者への提供という別の問題へ発展する可能性があります。

例えば「この動画が本物か確認して」と友人へ送ったり、グループチャットへ投稿したり、交換したりすることは避ける必要があります。警察庁の過去の事例でも、インターネットを通じて児童ポルノ画像を交換・提供していたグループが検挙されています。[参照] 警察庁「子供の安全を守るための取組」

「友達同士だから」「お金を取っていないから」という事情だけで安全になるわけではありません。児童ポルノについては、入手する側だけでなく流通させる行為にも厳しい規制があります。

そもそも「流出動画」は被害者にとって消えない被害になる

児童ポルノの問題では、所持している人が処罰されるかどうかだけでなく、画像や動画に写っている本人が被害者であることも重要です。

警察庁は、児童ポルノについて、児童が性的虐待や性的犯罪の被害を受けている姿の記録であり、一度インターネットへ流出すると世界中へ広がり、完全に消すことが困難になると説明しています。[参照] 警察庁「子供の性被害は許されない!」

「有名な流出だから」「みんな持っているから」という理由で被害が小さくなることはありません。むしろコピーや転送が繰り返されるたびに、被害者にとっては性的な姿が半永久的に拡散され続けることになります。

大切な友達が持っていると分かったらどうすればよい?

友人を心配している場合でも、自分で動画を確認したり、コピーを受け取って証拠を保存したりする必要はありません。特に中学生だけで法的な問題を解決しようとするより、信頼できる保護者や学校の先生など大人へ相談するほうが安全です。

友人本人にも、「それが未成年者の性的動画なら、買ったり持ったり他人へ送ったりするのは大きな問題になる可能性がある」と伝え、これ以上購入・共有しないよう促すことが考えられます。ただし、証拠隠滅の方法や捜査から逃れる方法を教えるのではなく、保護者や弁護士など適切な大人・専門家へ相談することが重要です。

インターネット上で児童ポルノそのものが公開・販売されているのを発見した場合は、自分でダウンロードして保存するのではなく、警察庁が案内するインターネット・ホットラインセンターなどの通報窓口を利用する方法があります。[参照] 警察庁「インターネット上の違法情報・有害情報対策」

まとめ|未成年の性的な流出動画は「持っているだけだから大丈夫」と考えない

18歳未満の人物が写った性的画像・動画が法律上の児童ポルノに該当する場合、自己の性的好奇心を満たす目的で、自分の意思に基づいて所持・保管する行為は処罰対象になり得ます。警察庁によると、この所持・保管罪の法定刑は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。

ただし、スマートフォンにファイルが存在すれば必ず警察が自動的に把握して自宅へ来るわけではなく、逮捕されるかどうかも一律ではありません。また、本人が中学生などの少年であれば、年齢によって刑事責任や少年法上の手続も異なります。

重要なのは、「バレるかどうか」を基準に考えるのではなく、買わない・受け取らない・保存しない・他人へ送らないことです。友達から見せると言われても断ることに問題はありません。

大切な友人がすでに購入・保存していることが心配なら、動画を自分にも送らせて確認するのではなく、信頼できる保護者などの大人や法律の専門家へ相談するのが適切です。ネット上の児童ポルノを見つけた場合も、自分で収集するのではなく公的な通報窓口を利用することが、被害を広げずに対応する方法です。

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