SNSや通話で知り合った相手から、家庭内での性的虐待など深刻な被害を打ち明けられることがあります。そのような時、相談を受けた側は「なぜ逃げないのか」「なぜ警察に行かないのか」と疑問に感じることがありますが、被害を受けている本人がすぐに行動できない背景には複雑な事情があります。この記事では、性的虐待を告白された場合にどのように対応すればよいのか、相手を傷つけずに支援につなげる方法について解説します。
性的虐待を受けた人がすぐに助けを求められない理由
性的虐待の被害者は、単純に「嫌なら逃げればいい」「警察に行けばいい」と考えられる状況ではないことがあります。加害者が家族や身近な人物の場合、生活環境や人間関係への不安から行動できなくなることがあります。
例えば、義理の親など家庭内の人物から被害を受けている場合、被害者は「信じてもらえないかもしれない」「家を出た後どう生活すればいいかわからない」「家族を壊してしまうかもしれない」といった恐怖を抱えることがあります。
また、長期間の虐待では、加害者に支配されることで自分の状況を客観的に判断しにくくなることもあります。抵抗しないことは、被害を望んでいるという意味ではありません。
相談を受けた時に避けたい言葉と適切な声かけ
被害を打ち明けられた時は、「なぜ逃げないの?」「早く警察に行きなよ」と責めるような言葉は避けることが大切です。本人はすでに強い恐怖や罪悪感を抱えている可能性があります。
代わりに、「話してくれてありがとう」「あなたが悪いわけではないよ」「心配だから安全な方法を一緒に考えたい」と伝えることで、安心して相談できる関係を作りやすくなります。
例えばSNS上の知り合いから相談された場合でも、すぐに解決策を押し付けるより、相手の話を聞きながら安全を確保する方法を考えることが重要です。
警察以外にも相談できる窓口がある
性的虐待の相談先は警察だけではありません。被害者が警察への相談を怖がっている場合は、まず専門機関につなげる方法もあります。
未成年の場合は、児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」など、虐待について相談できる窓口があります。また、緊急性が高い場合や現在も被害が続いている場合は、警察への相談も選択肢になります。
相談者自身が遠方に住んでいる場合でも、「一人で抱え込まないこと」「専門機関に相談すること」を勧めることが大切です。自分だけで加害者と対峙しようとすると、状況が悪化する可能性があります。
SNSで相談された場合に気をつけること
SNSで知り合った相手から深刻な相談を受けた場合、助けたい気持ちから個人的に保護しようとしたり、加害者へ連絡したりする行動は慎重に考える必要があります。
特に相手が未成年の場合、相談者が一人で問題を解決しようとすると、法的な問題や安全面のリスクが発生する可能性があります。大切なのは、本人を責めずに安全な大人や専門機関につなげることです。
また、相手の話を記録しておくことも役立つ場合があります。日時や相談内容などを整理しておくことで、専門機関へ相談する際の情報になります。
被害を打ち明けられた側ができる一番大切なこと
性的虐待の相談を受けた時、最も重要なのは「信じて話を聞くこと」です。被害者は長い間誰にも言えず、ようやく助けを求めている可能性があります。
すぐに解決できなくても、「あなたを心配している」「安全になる方法を探そう」と伝えることで、支援につながるきっかけになります。
相談を受けた側だけで問題を背負う必要はありません。専門機関や信頼できる大人の力を借りながら、被害を受けている本人が安全な環境へ移れるよう支えることが大切です。
まとめ
SNSや通話で性的虐待の告白を受けた場合、被害者がすぐに警察へ行けないことには多くの理由があります。逃げないことや相談できないことを責めるのではなく、安心して話せる環境を作ることが第一歩です。
「話してくれてありがとう」「あなたのせいではない」と伝えながら、児童相談所や警察など適切な相談先につなげることが、被害者を守るための重要な対応になります。