突然、路上で身体を露出した人に追いかけられるような状況に遭遇すると、大きな恐怖を感じるのは自然なことです。一方で、警察が相談を受けた際に「事件性がない」と判断する場合があります。この記事では、露出行為や追跡行為が法律上どのように判断されるのか、なぜ警察がそのような説明をすることがあるのかを解説します。
露出行為はどのような場合に犯罪になるのか
公然と性器などを露出する行為は、状況によっては公然わいせつ罪などに該当する可能性があります。公然わいせつ罪は、不特定または多数の人が認識できる場所で、わいせつな行為をすることを処罰するものです。
ただし、法律上は単に身体の一部が露出したという事実だけではなく、本人の意思や行為の態様、周囲の状況なども含めて判断されます。
例えば、本人が意図的に人前で性器を見せる目的で露出した場合と、第三者によって突然衣服を下げられ本人が困惑している場合では、同じ「露出」という状態でも法的評価が異なる可能性があります。
「自分でズボンを下ろしていない」場合の法律上の考え方
露出した本人が、自分の意思でズボンを下ろしたのか、それとも他人によって偶然または強制的に下げられたのかは重要な判断要素になります。
例えば、友人同士の悪ふざけで一瞬衣服を下げられた場合、本人に露出の意思がなければ、その本人を公然わいせつ罪の対象として扱うことが難しい場合があります。
ただし、本人がその後も露出状態を利用して周囲を怖がらせたり、見せつける意思で行動した場合などは、別の評価になる可能性があります。実際の判断では、その場の状況や証拠などを総合的に見て判断されます。
露出した状態で追いかけてきた行為は問題にならないのか
露出そのものとは別に、相手が追いかけてきた行為についても検討する必要があります。相手の行動が単なる酔った状態のふざけた行動なのか、相手を怖がらせる目的があったのかによって評価は変わります。
例えば、相手が一定の距離を保ちながら騒いでいただけの場合と、自転車で逃げる人を執拗に追いかけたり、進路を塞いだりした場合では状況が大きく異なります。
追跡行為によって恐怖を感じた場合、迷惑防止条例や軽犯罪法、場合によっては脅迫や強要など別の犯罪が問題になることもあります。
警察が「事件性なし」と判断する理由
警察が事件性の有無を判断するときは、相談者が感じた恐怖だけではなく、犯罪として成立する要件を満たしているかを確認します。
そのため、相談者にとっては非常に怖い出来事であっても、刑事事件として立件するための証拠や犯罪構成要件が不足している場合には、「事件性なし」や「刑事事件として扱うのは難しい」という説明になることがあります。
これは被害を軽視しているという意味ではなく、刑事事件として処理できる基準と、日常生活で感じる不安や恐怖の基準が異なるためです。
同じような状況で取るべき対応
路上で身体露出や追跡などの行為に遭遇した場合は、安全を最優先にして距離を取ることが大切です。無理に相手を確認したり、注意したりする必要はありません。
可能であれば、発生した時間、場所、相手の人数、服装、移動方向などを記録しておくと、後から相談する際に役立ちます。周囲に防犯カメラがある場合は、早めに警察へ相談することで確認につながる可能性があります。
また、その場で危険を感じる場合は、事件性の判断以前に110番通報を検討して問題ありません。警察は緊急性や状況を確認したうえで対応を判断します。
まとめ
身体の露出を伴う出来事は、状況によって犯罪になる場合と、刑事事件として扱うことが難しい場合があります。本人が露出した意思を持っていたか、追跡行為がどの程度だったかなどが重要な判断材料になります。
警察が「事件性なし」と説明する場合でも、感じた恐怖や不安まで否定されるわけではありません。不安が残る場合は、日時や状況を整理して改めて相談することも大切です。