交通事故で相手の不注意によって負傷者が出た場合、人身事故へ切り替えるべきか、物損事故のままにするべきか迷うことがあります。特に、自分や同乗者がケガをしたにもかかわらず、運転者側にも免許点数の加点があるのではないかと不安になる方は少なくありません。この記事では、交通事故で人身事故扱いにした場合の免許処分、過失割合との関係、警察と保険会社の説明の違いについて分かりやすく解説します。
人身事故にすると必ず運転者が点数加算されるわけではない
交通事故を人身事故として届け出ると、警察は事故状況を確認し、必要に応じて実況見分や調査を行います。その結果、事故原因となった運転者に道路交通法上の違反が認められる場合、行政処分の対象になる可能性があります。
しかし、人身事故になったからといって、必ず被害を受けた側の運転者にも免許点数が加算されるわけではありません。点数加算は、単純にケガをした人がいるかどうかではなく、事故原因となった違反行為や過失の内容によって判断されます。
例えば、相手車両が一時停止を無視して飛び出してきた場合、相手側に重大な交通違反があったと判断されれば、相手運転者が行政処分の対象となる可能性があります。
過失割合と免許点数の加算は別の制度
交通事故では、保険会社が決める過失割合と、警察が判断する行政処分は別々に扱われます。ここを混同してしまうと、説明が食い違っているように感じることがあります。
過失割合とは、事故による損害を当事者同士でどの程度負担するかを決めるための割合です。一方、免許点数の加算は、道路交通法違反や事故原因に基づいて公安委員会が判断する行政上の処分です。
そのため、保険会社が「過失割合が大きい方だけが加点される」と説明した場合、それは一般的な事故責任の考え方を説明している可能性がありますが、実際の免許処分は警察の調査結果によって決まります。
警察と保険会社の説明が違って聞こえる理由
警察は交通事故の発生状況や道路交通法違反の有無を確認する立場です。そのため、人身事故として処理した場合に、双方について事故原因や違反状況を確認する可能性があることを説明します。
一方、保険会社は損害賠償や保険金支払いの観点から、過失割合や補償について説明します。そのため、同じ事故でも見ているポイントが異なります。
例えば、一時停止を無視した車が原因で急ブレーキを踏み、後続車や同乗者が負傷した場合、保険上は相手側の過失が大きく認定される可能性があります。しかし、免許処分については事故状況や双方の運転行為を総合的に判断されます。
ケガがある場合は人身事故への切り替えを検討する理由
物損事故として処理した後でも、後から痛みや症状が出ることがあります。しかし、物損事故のままだと、治療費や慰謝料などの請求手続きで問題になるケースがあります。
特に急ブレーキによる衝撃で首や腰を痛める、同乗者が負傷するといったケースでは、事故当時は軽い症状でも後日悪化することがあります。そのため、実際にケガが発生している場合は、人身事故として届け出ることを検討することが大切です。
免許点数への不安だけで人身事故への切り替えを避けると、本来受けられる補償に影響する可能性があります。事故後の治療や補償についても考えたうえで判断する必要があります。
事故後に確認しておきたいポイント
事故後は、警察への届け出だけでなく、医療機関への受診記録、診断書、事故状況の記録などを残しておくことが重要です。特に痛みがある場合は、早めに病院で診察を受けるようにしましょう。
また、相手保険会社から説明を受けた内容についても、すべてが免許処分に関する最終判断ではありません。不明な点がある場合は、警察や加入している自動車保険会社にも確認すると安心です。
例えば、相手の一時停止無視が原因で事故になった場合でも、自分側に安全確認不足などの事情があるかどうかで判断が変わることがあります。事故ごとに状況が異なるため、個別の確認が必要です。
まとめ:人身事故の届け出は補償面も含めて判断することが大切
交通事故で人身事故に切り替えると、免許点数への影響が心配になる方は多いですが、負傷者がいることだけで自動的に加点されるわけではありません。行政処分は事故原因や交通違反の内容によって判断されます。
また、過失割合を決める保険会社の判断と、免許処分を決める警察の判断は別のものです。警察と保険会社の説明が違って聞こえる場合でも、それぞれの立場から説明しているためです。
自分や同乗者にケガがある場合は、免許点数だけでなく、治療費や補償を受けるための手続きも考え、人身事故として適切に届け出ることが重要です。