単独事故でガードレールやデリネーターを壊したら修理費はいくら?請求・保険・道路管理者とのやり取りを解説

単独事故でガードレールやデリネーター(視線誘導標)に車を接触させた場合、車の損傷が小さくても道路設備について修理費を請求される可能性があります。ただし、接触したから必ず新品交換になり、高額な請求が来るというわけでもありません。

道路管理者が損傷状況を確認し、今回の事故によって生じた損傷なのか、復旧が必要なのかなどを判断することになります。以前から傷んでいた設備なら、その点も事故後の確認では重要です。

警察へ事故を届け出た後は、道路管理者からの連絡や案内を確認し、請求が発生した場合には「自費で支払う」「任意保険の対物賠償責任保険を使う」のどちらにするか検討するのが基本です。

ガードレールやデリネーターを壊すと修理費を請求される可能性がある

ガードレール、標識、視線誘導設備などは道路の安全を確保するための道路施設です。国土交通省は、ガードレールなどを損傷した場合、原則として損傷させた原因者の負担によって復旧すると案内しています。[参照:国土交通省 関東地方整備局]

一般のドライバーが自分で道路設備を修理することは現実的ではないため、道路管理者側で復旧工事を実施し、その費用を原因者へ請求するケースがあります。国土交通省の道路損傷手続でも、原因者に復旧能力がない場合などには道路管理者が工事を行い、復旧費相当額を負担してもらう仕組みが案内されています。[参照:国土交通省 道路損傷ガイド]

したがって「少し曲がっただけだから絶対に請求されない」とは断定できません。道路管理者が安全上そのままで問題ないと判断する場合も考えられますが、最終的な判断は警察ではなく、その道路設備を管理している道路管理者側になります。

警察官の「直さなくていいかもしれない」はどう考える?

事故現場を確認した警察官から「この程度なら直さなくてもよいかもしれない」と言われることはあり得ます。ただし警察は事故処理を行う立場であり、道路設備を実際に補修するか、費用を請求するかを最終決定する道路管理者とは役割が異なります。

例えば国道なら国土交通省または都道府県など、県道なら都道府県、市町村道なら市町村などが道路管理者となります。国土交通省も、管理者が分からない場合には市役所や町村役場などへ相談する方法を案内しています。[参照:国土交通省 道の相談室]

そのため警察官の発言は「損傷がかなり軽微に見えた」という参考材料にはなりますが、それだけで請求なしと確定したわけではありません。

以前から壊れていたガードレールなら全部の修理費を負担するの?

事故前からガードレールがへこんでいたり、デリネーターが破損していたりする場合には、今回の事故によってどの損傷が生じたのかが重要になります。今回の事故とは無関係な以前からの損傷まで、当然に今回の事故による損害として扱われるわけではありません。

例えば、すでに大きく変形していたガードレール付近でサイドミラーがデリネーターへ軽く接触した場合、既存のへこみまで今回の事故によるものなのかは別問題です。事故直後の写真、ドライブレコーダー映像、警察が確認した事故状況などが重要な資料になります。

一方で、もともと古い設備だったから今回新たに壊した部分についても一切負担しなくてよい、と単純に決まるわけでもありません。実際にどの範囲の復旧が必要なのかは道路管理者側の確認を待つ必要があります。

デリネーターの修理費は部品代だけとは限らない

道路設備の修理費を考えるときに注意したいのが、ホームセンターなどで見かける部材価格だけでは判断できないことです。実際の道路工事では部材のほか、作業員、作業車、交通規制、安全対策、撤去・設置などの費用が発生することがあります。

そのため「小さな部品だから数千円程度だろう」と予想していたところ、請求額がそれより大きくなる可能性があります。逆に損傷が軽く、安全性に問題がなく、復旧自体が不要と判断されれば請求が発生しない可能性もあります。

事故直後の段階では金額を決めつけず、道路管理者が修理の必要性と復旧内容を判断してから費用を確認することが大切です。

ガードレールの修理費は任意保険の対物賠償で補償できる

任意の自動車保険に対物賠償責任保険が付いている場合、事故によってガードレールや街灯など他人の財物を壊し、法律上の損害賠償責任を負ったときは補償対象となるのが一般的です。

日本損害保険協会も、被保険自動車の所有・使用・管理によってガードレールや街灯など他人の財物へ損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合には、対物賠償責任保険から保険金が支払われると説明しています。[参照:日本損害保険協会]

なお、自賠責保険は物損事故を補償する保険ではありません。国土交通省も、自賠責保険・共済は人身事故による損害を対象としており、車や物の修理代などの物的損害は対象外と案内しています。[参照:国土交通省 自賠責保険FAQ]

少額なら保険を使わず自費で払う選択肢もある

対物賠償責任保険の対象になる事故でも、必ず保険金を請求しなければならないわけではありません。実際の復旧費が少額であれば、翌年度以降の保険料への影響などを考慮して自費負担を選ぶケースもあります。

例えば復旧費が数万円だった場合、「今回保険を使った場合に今後増える保険料」と「自費で支払う金額」を比較して判断する考え方があります。ただし等級や事故有係数適用期間への影響は契約状況によって異なるため、保険会社や代理店へ具体的な金額を確認するのが確実です。

ポイントは、保険会社へ事故の相談をすることと、最終的に保険金を請求することを分けて確認することです。「道路設備の請求額を見てから保険を使うか判断したい」と契約先へ相談し、手続きや等級への影響を確認するとよいでしょう。

保険を使わない場合は道路管理者とのやり取りが必要になる

保険会社による対応を利用せず自費で解決する場合には、基本的に原因者本人が道路管理者からの案内に従って手続きを進めることになります。道路管理者が工事を行った後、その復旧費について納付・支払いを求められる形などが考えられます。

ただし自治体や国道事務所によって具体的な手続きは異なります。事故を届け出た際に警察から道路管理者への連絡について説明されている場合はその案内に従い、不明なら事故現場の道路管理者へ確認します。

国土交通省も、ガードレールなどを壊した場合には警察への連絡とともに道路管理者へ連絡するよう案内しています。すでに警察へ事故を届けている場合でも、道路管理者への連絡が済んでいるか確認しておくと安心です。

請求が来る前にやっておきたいこと

事故直後であれば、まず事故現場と損傷箇所の写真やドライブレコーダー映像を保存しておきましょう。特に周囲に事故以前からと思われる破損が多数ある場合には、今回接触した箇所と周辺全体の状態が分かる写真が役立つことがあります。

また、警察への届出日時、事故場所、担当した警察署、事故状況などを記録しておきます。道路管理者から連絡があった場合には、今回の事故による損傷と判断された箇所、修理内容、請求予定額などを確認します。

任意保険へ加入しているなら、請求額が確定するまで完全に放置するより、契約している保険会社へ事故発生を相談しておく方法もあります。実際に保険を使用するかどうかについては、契約先に手続き上いつまで判断できるのかも併せて確認しておくとよいでしょう。

まとめ:軽微なデリネーター損傷でも請求の可能性はあるが、修理になるとは限らない

単独事故でガードレールのデリネーターなどを損傷した場合、道路施設は原則として原因者負担で復旧するため、軽い損傷でも修理費を請求される可能性はあります。ただし、接触しただけで必ず交換・請求になるわけではなく、実際に復旧が必要かどうかは道路管理者の判断になります。

事故前から周辺設備に損傷があった場合には、今回の事故で生じた損傷との区別も重要です。そのため現場写真やドライブレコーダー映像などは保存しておきましょう。

請求が発生した場合、任意保険の対物賠償責任保険を利用できる可能性があります。一方、少額なら自費で支払うことも検討できます。まず道路管理者から復旧の要否と金額を確認し、保険を使った場合の将来の保険料への影響を保険会社へ確認したうえで、自費と保険のどちらが適切か比較して判断するのが現実的です。

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