自動車保険が1等級のとき事故で保険を使うとどうなる?翌年の等級・保険料・更新拒否の可能性を解説【2026年版】

自動車保険のノンフリート等級がすでに1等級の状態で事故を起こし、対人・対物賠償や車両保険などを使った場合、「さらに等級が下がるのか」「翌年も保険に入れるのか」と不安になることがあります。結論として、一般的なノンフリート等級制度では1等級が下限なので、3等級ダウン事故を起こしても翌年がマイナス2等級になることはありません。1等級が下限となります。[参照]ただし、「1等級より下がらない=影響がない」という意味ではありません。事故歴や事故有係数適用期間が増え、保険料が高い状態が続くほか、保険会社によっては翌年の契約を引き受けてもらえない可能性もあります。

自動車保険の1等級とは最も低い等級

個人向け自動車保険では、一般に1等級から20等級までのノンフリート等級制度が採用されています。初めて加入すると通常は6等級から始まり、1年間無事故なら翌年に1等級上がります。事故で保険を使うと、事故内容に応じて3等級または1等級下がります。[参照]

等級が高いほど保険料の割引が大きくなり、低いほど割引が小さく、1~3等級などでは逆に大きな割増となるのが一般的です。日本損害保険協会が公表する等級別割増引率の例でも、1等級は大幅な割増となっています。[参照]

つまり1等級は、事故歴などの影響によってすでに保険料面でかなり厳しい状態にある等級だと考えると分かりやすいでしょう。

1等級で3等級ダウン事故を起こしてもマイナス等級にはならない

通常、対人賠償保険や対物賠償保険を使う事故、自分の車をぶつけて車両保険を使う事故などは「3等級ダウン事故」となります。[参照]

例えば10等級なら、3等級ダウン事故を1件起こして保険を使うと翌年は7等級になるのが基本です。しかし1等級からさらに3等級下げると計算上はマイナス2等級になってしまいます。

実際にはそうはなりません。損保ジャパンの等級制度では、継続契約の等級について20等級を上限、1等級を下限と明記されています。[参照]したがって、1等級で3等級ダウン事故を起こしても、翌年の表示上の等級は原則として1等級が下限となります。

等級が1のままでも事故のペナルティーは残る

ここで注意したいのが、「等級がこれ以上下がらないなら保険を使っても同じでは?」という考え方です。

自動車保険では等級とは別に事故有係数適用期間があります。3等級ダウン事故を1件起こした場合は通常3年間、1等級ダウン事故なら1年間、事故有係数が適用されます。既に事故有係数適用期間がある状態でさらに事故を起こした場合は、その期間が加算され、一般に上限6年まで長くなることがあります。[参照]

つまり1等級の状態でさらに事故を起こした場合、数字としては1等級のままでも、事故歴そのものが消えるわけではありません。

1等級では「事故有・無事故」の区分より保険料そのものが非常に高くなりやすい

一般的な等級制度では7等級以上について「無事故」と「事故有」で異なる割増引率が設定されています。一方、日本損害保険協会によると、継続契約の1~6等級については無事故契約者が含まれないため、無事故・事故有の区分けはありません。[参照]

しかし1等級はそれ自体が非常に大きな保険料割増になる等級です。そのため車種、年齢、補償内容などによっては、年間保険料がかなり高額になる可能性があります。

また保険料だけではなく、次回更新時の「引受審査」が大きな問題になります。

1等級でさらに事故を起こすと翌年の更新を断られる可能性がある

任意自動車保険は、自賠責保険のように保険会社が必ず契約を引き受けなければならない保険ではありません。保険会社は事故歴や契約内容などを踏まえて引受可否を判断します。

そのため、すでに1等級で、さらに保険金支払い事故が発生している場合、翌年の契約について保険料が高くなるだけでなく、同じ保険会社から更新を断られる可能性があります。

実際、ソニー損保は申込み条件の案内で、同社の契約で翌年1等級になるケースについて「当社ではお取扱いできません」と明記しています。[参照]引受基準は各保険会社で異なるため、「1等級なら必ず更新拒否」と一律に決まっているわけではありませんが、選択できる保険会社がかなり限られる可能性があります。

保険会社を変えれば6等級に戻せるわけではない

更新を断られた場合に、「別の保険会社へ新規で申し込めば6等級からスタートできるのでは」と考えることがあります。しかし、1~5等級のいわゆるデメリット等級は簡単にはリセットできません。

ソニー損保は、前契約が1~5等級の場合や事故あり係数適用期間が残っている場合、前契約の満期日または解約日から13か月間は原則として前契約の等級・事故あり係数適用期間が引き継がれると案内しています。[参照]

三井住友海上も、前契約満期日時点で1~5等級の場合、新契約の始期日から13か月以内に前契約が存在するとデメリット等級が維持されると説明しています。[参照]

事故歴や1~5等級の情報は保険会社間で確認される

「以前の事故を申告せず、別会社で新規加入すれば分からないのでは」と考えるのも危険です。

日本損害保険協会では「1~5等級・割増料率適用対象契約情報交換制度」が運用されています。この制度では、保険会社等の間で契約者名、車両情報、適用等級、事故件数、事故年月日、解約・解除の有無などが確認されます。[参照]

そのため保険会社を乗り換えて新規契約のように申し込んでも、1等級や事故歴が自動的に消えるわけではありません。

1等級で事故を起こしても今の事故の補償がなくなるわけではない

「1等級で事故を起こしたら保険会社が払ってくれないのでは」と心配する人もいますが、現在の契約が有効で、事故が契約上の補償対象に該当するのであれば、1等級だからという理由だけで今回の保険金が支払われなくなるわけではありません。

例えば対人賠償無制限・対物賠償無制限の契約で、補償対象となる事故を起こしたのであれば、約款に従って相手への損害賠償が処理されます。

問題になるのは主に事故後の次回契約です。現在の保険を利用できるかどうかと、翌年も同じ条件で保険へ加入できるかどうかは別問題として考える必要があります。

保険を使わない方がよいケースもある

事故を起こしたからといって、必ず保険金を請求しなければならないわけではありません。損害額が小さい事故では、翌年以降の保険料や引受への影響を考えて、自費で修理・賠償する選択肢もあります。

日本損害保険協会も、少額の事故では、受け取る保険金より翌年以降の保険料増加額の方が大きくなる場合があるため、保険会社から保険利用を勧めないケースがあると説明しています。[参照]

特に1等級の場合は、単純な保険料比較だけでなく、次年度に契約できるかどうかという引受リスクまで含めて判断する必要があります。

ただし対人事故・高額な対物事故は保険を使わない判断を安易にしない

例えば自分の車の修理費が5万円程度という事故なら、自費修理との比較を考えやすいでしょう。しかし、相手を負傷させた事故や高額な物損事故では事情が違います。

日本損害保険協会が公開する自動車事故の高額損害例では、対物事故でも認定総損害額が2億6,135万円となった判決例があります。[参照]

重大事故で「翌年の保険が心配だから保険を使わない」と自己判断すると、巨額の賠償責任を自分で負う可能性があります。まず事故を保険会社へ連絡し、保険を使った場合と使わなかった場合の影響を確認することが重要です。

具体例:1等級で対物事故を起こした場合

例えば現在1等級で、駐車場で他人の車に衝突し、相手車両の修理費が80万円、自分の車の修理費が40万円だったとします。

対物賠償保険や車両保険を利用し、その事故が3等級ダウン事故として扱われても、翌年の等級は1等級より下にはなりません。ただし事故歴が追加され、次回更新時には保険会社の引受審査を受けることになります。

その結果、現在の保険会社から継続できる場合もあれば、補償内容の制限や高い保険料を提示される場合、あるいは更新そのものを断られる場合も考えられます。

1等級から再び等級を上げるには無事故を続ける必要がある

1等級の契約を無事に継続でき、その後1年間保険を使う事故がなければ、通常は翌年2等級、その次の年に3等級というように少しずつ等級を回復していきます。

例えば1等級から6等級まで戻るには、原則として複数年にわたって無事故を続ける必要があります。短期間で一気に6等級や10等級へ戻す仕組みはありません。

その意味でも1等級でさらに事故を重ねると、保険料だけでなく「自動車保険へ入り続けられるか」という問題が大きくなります。

事故後は更新まで待たず保険会社に確認した方がよい

現在1等級で事故を起こした場合は、事故処理だけでなく、その事故を保険で処理した場合に次回契約がどうなるかも担当者へ確認しておくとよいでしょう。

確認したいのは、今回の事故が3等級ダウン事故・1等級ダウン事故・ノーカウント事故のどれになるか、保険を使った場合の次年度等級、次年度の引受可否、概算保険料などです。

特に現在加入している会社が通販型・ダイレクト型の場合、低等級や複数事故について独自の引受制限を設けていることがあるため、更新直前になって初めて契約できないと分かるより、早めに確認しておく方が安心です。

まとめ:1等級で事故を起こすと等級は1のままだが、翌年の契約が厳しくなる可能性がある

自動車保険が1等級の状態で3等級ダウン事故を起こして保険を使っても、等級が0等級やマイナス等級になるわけではありません。一般的なノンフリート等級制度では1等級が下限です。[参照]

ただし、これ以上数字が下がらないからといって影響がないわけではありません。事故歴が追加され、事故有係数適用期間にも影響し、次回更新時の保険料や引受審査がさらに厳しくなる可能性があります。

特に注意したいのは更新拒否・引受拒否の可能性です。任意保険はすべての保険会社が必ず契約を引き受ける制度ではなく、実際に低等級を取扱対象外としている保険会社もあります。ソニー損保では、同社契約で翌年1等級になる場合を取扱不可条件として明示しています。[参照]

また、別会社へ乗り換えれば6等級に戻るわけでもありません。1~5等級や事故歴は一定期間引き継がれ、保険会社間でも情報交換が行われています。[参照]

そのため1等級で事故を起こした場合は、事故の損害額だけを見て判断するのではなく、今回保険を使った場合の保険金額、次年度の保険料、継続可能かどうかを現在の保険会社へ確認してから判断するのが重要です。ただし人身事故や高額賠償事故では、翌年の等級を気にして保険を使わないという自己判断は危険です。まず事故を保険会社へ連絡し、補償と今後の契約の両方について具体的な説明を受けるのが安全です。

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