PayPayを装った偽広告やフィッシングサイトに電話番号を入力してしまうと、「PayPay残高や個人情報まで抜き取られるのではないか」と不安になるものです。電話番号だけを入力し、パスワードやSMS認証コード、クレジットカード情報などを入力していないのであれば、電話番号を知られただけで直ちにPayPayアカウントへログインされたり、残高を勝手に使われたりするとは限りません。
ただし、取得された電話番号を使い、後からPayPayを装ったSMSや電話を送ってパスワードやSMS認証コードを聞き出すなど、次の詐欺につなげられる可能性があります。PayPayも、偽サイトへ携帯電話番号とパスワードを入力させるフィッシング詐欺について注意喚起しています。
大切なのは、何を入力したのかを整理し、それ以上の情報を渡さないことです。この記事では、電話番号だけを入力した場合から、パスワードや認証コードまで入力してしまった場合まで、状況別の対処法を解説します。
電話番号だけを入力した場合は、追加情報を絶対に入力しない
偽サイトへ入力したものが携帯電話番号だけであれば、まずそのサイトを閉じ、それ以上操作しないようにしましょう。PayPayのパスワード、SMS認証コード、カード番号、銀行口座情報などを追加で入力してはいけません。
PayPayへのログインには電話番号以外の認証情報も利用されます。そのため、電話番号だけを知られたことと、相手が直ちにアカウントへアクセスできることは同じではありません。
一方で、今後届くSMSや電話には普段より警戒する必要があります。「PayPayの利用を停止しました」「本人確認が必要です」などと表示されても、メッセージ内のURLは開かず、PayPay公式アプリから状況を確認しましょう。
電話番号を入力しただけでスマホの中身まで抜かれる?
通常、ウェブページへ電話番号を入力しただけで、スマートフォン内の写真、連絡先、PayPay残高、銀行口座情報などが自動的にすべて抜き取られるわけではありません。
ただし、不審なサイトからアプリやファイルをダウンロードしてインストールした場合や、端末の各種権限を許可した場合には別のリスクが生じます。電話番号を入力した後に「セキュリティアプリを入れてください」などと表示されても、不審なアプリをインストールしないようにしましょう。
すでに不明なアプリをインストールした場合は、電話番号だけを入力したケースとは対応が異なります。アプリを不用意に操作せず、端末メーカーや携帯電話会社などの公式サポートへ相談することも検討してください。
今すぐPayPayアプリの端末情報を確認する
PayPayは、PayPayを模したサイトへアカウント情報を入力した場合、不審なログインが行われる可能性があるとして、アプリからログイン端末を確認するよう案内しています。
PayPayアプリの「アカウント」から「セキュリティとプライバシー」へ進み、「端末の管理」を確認します。自分が利用していない端末や見覚えのないログインがあれば、該当端末の削除や、すべての端末からのログアウトを検討します。[参照:PayPay公式]
電話番号しか入力していない場合でも、念のため確認しておけば安心材料になります。
PayPayの取引履歴も確認する
端末情報とあわせて、PayPayアプリの取引履歴も確認しましょう。自分が行っていない支払い、送金、チャージなどがないかをチェックします。
PayPay公式も、フィッシング被害が疑われる場合には身に覚えのない請求がないか取引履歴を確認するよう案内しています。[参照:PayPayヘルプ]
身に覚えのない取引が見つかった場合は、画面をスクリーンショットなどで記録し、PayPayの公式サポートへ連絡してください。
パスワードまで入力してしまったらすぐ変更する
電話番号だけでなく、PayPayのパスワードまで偽サイトへ入力した場合は緊急度が上がります。PayPayは、偽のログイン画面へ携帯電話番号とパスワードを入力すると、ID・パスワードを盗まれ、なりすましにつながる可能性があると説明しています。[参照:PayPay公式]
この場合は、偽サイトのリンクを再度開くのではなく、PayPay公式アプリや公式ログイン画面からパスワードを変更しましょう。
PayPayではアプリからパスワードを変更できます。ログイン画面から再設定した場合は、ログイン中のすべての端末から自動的にログアウトされる仕組みも案内されています。[参照:PayPayヘルプ]
同じパスワードを他のサービスでも使っている場合は変更する
偽サイトへ入力したPayPayのパスワードを、メール、通販サイト、SNSなどでも使い回している場合は、それらのサービスでもパスワードを変更した方が安全です。
犯罪者が流出したメールアドレスや電話番号、パスワードの組み合わせを他のサービスへ試すことがあります。PayPayだけを守っても、同じパスワードを使っているメールアカウントなどへログインされれば別の被害につながる可能性があります。
サービスごとに異なるパスワードを設定し、可能なサービスでは多要素認証も有効にすると被害拡大を防ぎやすくなります。
SMS認証コードまで入力してしまった場合は特に注意
PayPayへのログインや認証では、登録した携帯電話番号へSMS認証コードが送られる場合があります。PayPayは、SMS認証コードや認証用QRコードを第三者へ絶対に共有しないよう案内しています。[参照:PayPayヘルプ]
もし偽サイトへ電話番号、パスワードに加えてSMS認証コードまで入力した場合は、不正ログインが行われる可能性を考えて早急に対応しましょう。
端末の管理、取引履歴、登録情報などを確認し、不審なログインや取引があればPayPayへ連絡します。また、届いた認証コードを電話やSNSで第三者へ伝えることも避けてください。
自分が操作していないのにSMS認証コードが届いたら?
電話番号を偽サイトへ入力した後、突然PayPayのSMS認証コードが届くことがあります。自分でログインやパスワード変更などを行っていないのであれば、第三者が何らかの操作を試している可能性も考えられます。
PayPay公式も、自分で操作していないタイミングで届いたSMSにはフィッシングの可能性があるとして注意を呼びかけています。[参照:PayPayヘルプ]
届いた認証コードを誰にも教えず、SMS内のリンクも開かないことが重要です。心配ならPayPayアプリからログイン端末や取引履歴を再確認しましょう。
これから届く「PayPayを名乗るSMS」に注意する
電話番号を取得した詐欺業者が、本物のPayPayを装ってさらにSMSを送ることがあります。「不正利用を検知した」「アカウントを停止する」「SMS認証が必要」など、不安を煽って偽サイトへ誘導する手口です。
PayPayは過去にも、このようなSMSを使ったフィッシングについて注意喚起しています。また、PayPay側からSMSで認証を依頼することはないと案内しています。[参照:PayPay公式]
SMSが本物か判断できない場合は、そのSMSのURLからアクセスするのではなく、スマートフォンに入っているPayPay公式アプリを直接開いて確認する方法が安全です。
クレジットカード情報まで入力した場合はカード会社へ連絡
電話番号以外に、カード番号、有効期限、セキュリティコードなどを偽サイトへ入力した場合は、PayPayだけでなくカード会社への対応も必要です。
カード裏面やカード会社の公式アプリ・公式サイトから問い合わせ窓口を確認し、フィッシングサイトへカード情報を入力したことを伝えましょう。必要に応じて利用停止やカード再発行などが案内されます。
その後もカード利用明細を確認し、身に覚えのない利用がないかチェックしてください。
銀行の暗証番号やログイン情報まで入力した場合は金融機関にも相談する
銀行口座番号だけでなく、インターネットバンキングのID・パスワード、暗証番号、ワンタイムパスワードなどまで入力してしまった場合は、銀行へ速やかに相談しましょう。
この場合は不正送金などにつながる可能性があるため、電話番号のみを入力したケースより緊急性が高くなります。
金融機関へ連絡するときも、不審なSMSやメールに書かれた電話番号ではなく、銀行の公式ウェブサイトやキャッシュカードなどに記載された正式な窓口を利用してください。
詐欺広告のスクリーンショットやURLを保存する
可能であれば、偽広告や偽サイトの情報を記録しておきます。広告のスクリーンショット、サイトのURL、入力した日時、どの情報まで入力したのかなどを書き留めておきましょう。
ただし、証拠を保存するためにもう一度偽サイトへアクセスする必要はありません。ブラウザ履歴やすでに撮影した画面など、手元に残っている情報だけで構いません。
不正利用が発生した場合、PayPayや警察などへ相談するときにも、こうした記録が状況説明に役立ちます。
PayPayを装うフィッシングサイトは通報できる
PayPayでは、不審なサイト、メール、SMSなどについてフィッシング通報を受け付けています。PayPay公式ヘルプから通報方法を確認できます。[参照:PayPayヘルプ]
また、SNSや検索サービスに表示された詐欺広告であれば、広告を掲載していたサービスにも「詐欺」「不正な広告」として報告できる場合があります。
通報したから自分の電話番号が犯罪者側から削除されるとは限りませんが、偽サイトの調査や他の利用者への被害防止につながる可能性があります。
入力した情報別の対処法
| 入力・操作した内容 | 対処の目安 |
|---|---|
| 電話番号だけ | 今後の詐欺SMS・電話に警戒し、追加情報を渡さない |
| 電話番号+PayPayパスワード | 公式アプリなどからパスワードを変更する |
| SMS認証コードも入力 | 端末管理・取引履歴を早急に確認し、必要ならPayPayへ連絡 |
| カード情報を入力 | カード会社へ連絡する |
| 銀行のログイン情報・暗証番号等を入力 | 金融機関へ速やかに相談する |
| 不審なアプリをインストール | 端末・携帯電話会社等の公式サポートへの相談も検討する |
| 身に覚えのない取引が発生 | 証拠を保存し、PayPay・金融機関等へ連絡する |
何を入力したのか分からなくなっている場合は、思い出せる範囲で時系列に整理し、より多くの情報を入力したケースに合わせて対策する方が安全です。
まとめ|電話番号だけなら直ちに全情報を抜かれるとは限らないが、その後の詐欺に警戒する
PayPayを装った詐欺サイトへ電話番号だけを入力してしまった場合、それだけでスマートフォン内の情報やPayPay残高が自動的にすべて抜き取られるとは限りません。まずは必要以上に慌てず、追加の情報を絶対に入力しないことが重要です。
今後「PayPayです」「不正利用を検知しました」などのSMSや電話が来ても、パスワードやSMS認証コードを渡さず、メッセージ内のURLを開かないようにしましょう。PayPayの状態を確認するときは公式アプリから行います。
念のためPayPayアプリで「端末の管理」と「取引履歴」を確認しておくと安心です。パスワードまで入力した場合は変更し、SMS認証コード、カード情報、銀行情報まで渡している場合は、それぞれPayPayやカード会社、金融機関へ速やかに相談してください。
フィッシング詐欺では、一度目に電話番号だけを集め、二度目のSMSや電話で重要な認証情報を盗もうとすることがあります。したがって、電話番号を入力してしまった後こそ、しばらくの間は不審な連絡への警戒を続けることが最大の対策になります。