個人再生の弁護士費用はいくら?借金680万円・11社なら総額相場と裁判所費用を確認

個人再生を検討するとき、借金をどこまで減らせるのかと同じくらい気になるのが、弁護士費用を含めて最終的にいくら必要になるのかという点です。個人再生では、弁護士へ支払う着手金・報酬金などのほか、裁判所へ納める申立手数料、官報公告費用、郵便費用、場合によっては個人再生委員に関する費用も発生します。

特に借入先が10社を超えるケースでは、法律事務所によっては債権者数に応じて料金が上がることがあります。そのため、単純に「個人再生は○万円」と考えるのではなく、弁護士費用と裁判所関係費用を合わせた総額で比較することが重要です。

ここでは、借金が約680万円、借入先が11社程度あるケースも想定しながら、個人再生に必要となる費用の目安、借金の減額基準、依頼先を比較するときの注意点を整理します。なお、実際の費用や再生計画の内容は個別事情や申立先の裁判所によって異なるため、最終的には弁護士と申立先裁判所の最新情報を確認してください。

個人再生の弁護士費用は40万~60万円前後が一つの目安

個人再生を弁護士に依頼した場合、一般的には40万~60万円前後が弁護士費用を考える際の一つの目安になります。ただし、全国一律の料金表が存在するわけではなく、法律事務所によって30万円台から受任しているところもあれば、着手金と成功報酬を合わせて60万円以上になるところもあります。

実際に公開されている料金を見ると、個人再生について税込49万5,000円程度を設定している法律事務所や、着手金44万円と報酬金11万円で合計55万円程度としている法律事務所などがあります。一方で、着手金と報酬金を分け、債権者数によって報酬を加算する料金体系もあります。

したがって、「弁護士費用50万円」と表示されていても、それだけで高い・安いとは判断できません。着手金だけなのか、報酬金まで含んだ総額なのか、実費や住宅ローン特則の費用が別なのかまで確認する必要があります。

借入先が11社ある場合は債権者数による加算にも注意

個人再生ではすべての再生債権者を正確に把握して手続きを進める必要があるため、借入先が多くなるほど事務作業も増えます。そのため、法律事務所によっては「10社以下」「11~20社」といった区分を設け、債権者数が一定数を超えると弁護士費用を増額する料金体系を採用しています。

例えば、ある法律事務所では個人再生の報酬について、債権者10社以下と11~20社で金額を分けています。11社というケースは、ちょうど料金区分が変わる可能性があるため、相談時には「借入先11社、負債総額約680万円ですが、追加料金をすべて含めた総額はいくらですか」と確認するのが確実です。

弁護士費用とは別に裁判所へ支払う費用がある

個人再生では弁護士費用だけを準備すればよいわけではありません。裁判所に申し立てる法的手続きなので、申立手数料や官報公告費用、郵便費用などが別途必要になります。

東京地方裁判所の案内では、個人再生の申立手数料は1万円で、これとは別に官報公告費用や郵便切手が必要とされています。裁判所によって金額や納付方法が異なることがあるため、申立先となる地方裁判所の最新情報を確認する必要があります。[参照:東京地方裁判所]

つまり、弁護士事務所から「個人再生50万円」と案内された場合でも、その50万円に裁判所費用が含まれているとは限りません。契約前に見積書を確認し、弁護士費用・実費・裁判所費用を全部合わせるといくらになるのかを質問しておくことが大切です。

個人再生委員が選任されると費用が大きく変わることがある

総額を左右する大きなポイントが個人再生委員です。個人再生委員とは、裁判所の補助機関として債務者の財産や収入などを調査し、個人再生手続きの進行を補助する人です。

個人再生委員を選任するかどうか、その場合に必要となる予納金などは裁判所の運用によって異なります。例えば甲府地方裁判所が公開している費用表では、個人再生委員を選任する場合には追加の予納金25万円が必要とされています。[参照:甲府地方裁判所]

このため、個人再生の総額を調べると「50万円程度」という説明と「70万円以上」という説明が混在することがあります。これは必ずしもどちらかが間違っているのではなく、弁護士費用の設定や個人再生委員の選任、住宅ローン特則の有無など、前提条件が違っている可能性があります。

借金680万円なら個人再生後はいくら返済することになる?

弁護士費用と混同しやすいのが、個人再生後に債権者へ返済する金額です。これは弁護士費用とはまったく別のお金です。

小規模個人再生では、住宅ローンを除く借金が500万円を超えて1,500万円以下の場合、法律上の最低弁済額を考える基準の一つとして借金総額の5分の1があります。法テラスでも、500万円を超え1,500万円以下の場合は総額の5分の1が目安として案内されています。[参照:法テラス]

単純計算すると、680万円の5分の1は136万円です。ただし、「680万円なら必ず136万円になる」という意味ではありません。所有している財産の清算価値などによって最低弁済額が136万円を上回ることがあります。また給与所得者等再生では可処分所得の2年分との比較も必要です。

例えば、預貯金、保険の解約返戻金、自動車、不動産など一定の財産がある場合には清算価値が返済額へ影響する可能性があります。そのため、借金額だけを見て最終的な返済総額を確定することはできません。

個人再生に必要な総額を具体例で考える

住宅ローン特則を利用しない一般的な個人再生について、仮に弁護士費用が50万円だったとします。これに申立手数料、官報公告費用、郵便費用などが加われば、個人再生委員の追加費用がないケースでは、総額は50万円台前半から後半程度になることがあります。

一方、個人再生委員の費用として15万~25万円程度の負担が追加される裁判所・ケースであれば、総額が70万円前後、あるいはそれ以上になることも考えられます。住宅ローン特則を利用する場合や、債権者数による追加料金が設定されている場合にも総額は増える可能性があります。

費用 目安・考え方
弁護士費用 40万~60万円前後が一つの目安
申立手数料 1万円
官報公告費用・郵便費用等 数万円程度を見込む
個人再生委員関係費用 選任される場合は十数万~25万円程度など。裁判所により異なる
住宅ローン特則 法律事務所によって弁護士費用が加算されることがある

したがって、借金680万円・債権者11社という条件なら、最初の資金計画としては50万~80万円程度まで幅を持って確認し、実際の申立先と法律事務所から正式な見積もりを取るのが現実的です。個人再生委員が不要で料金の安い事務所ならこれより低くなることもありますし、複雑な案件や追加報酬のある事務所では高くなることもあります。

弁護士費用を一括で用意できなくても相談できる

数十万円の弁護士費用をすぐ用意できないからといって、個人再生そのものを諦める必要があるとは限りません。債務整理を扱う法律事務所では、弁護士費用の分割払いに対応している場合があります。

個人再生を弁護士に正式依頼すると、通常は弁護士から対象債権者へ受任通知が送られます。その後の返済をいったん止められるケースでは、それまで返済に充てていた資金を弁護士費用の積立てに回し、申立てに向けて準備する方法が採られることがあります。ただし、住宅ローンなど扱いの異なる債務もあるため、自己判断で支払いを停止するのではなく弁護士の指示に従う必要があります。

また、収入や資産など一定の条件を満たす場合には、法テラスの民事法律扶助を利用できる可能性もあります。費用面で依頼が難しい場合には、最初の法律相談で分割払いの条件や法テラスを利用できるかについて確認するとよいでしょう。[参照:法テラス]

弁護士を選ぶときは「安さ」より総額と業務範囲を確認する

借金問題では費用を抑えたいと考えるのは当然ですが、広告に表示された最低料金だけで依頼先を決めるのはおすすめできません。着手金が安くても、申立時、再生計画認可時、債権者数の増加、住宅ローン特則などによって追加料金が発生する場合があるためです。

相談時には「着手金はいくらか」「成功報酬はあるか」「11社の場合に追加料金はあるか」「裁判所費用はいくらか」「個人再生委員が選任された場合はいくら追加されるか」「住宅ローン特則を使う場合はいくらか」「分割払いできるか」を確認しておくと比較しやすくなります。

さらに重要なのは、そもそも個人再生が最適な方法なのかという点です。借金680万円という金額だけでは判断できず、手取り収入、毎月の生活費、保有資産、住宅ローン、自動車ローン、税金の滞納、家族構成などを踏まえて、個人再生・自己破産・任意整理などを比較する必要があります。

まとめ:借金680万円・11社なら弁護士費用だけでなく総額を確認しよう

個人再生の弁護士費用は、住宅ローン特則を利用しない一般的なケースで40万~60万円前後が一つの目安です。ただし、債権者が11社ある場合には債権者数による加算が発生する法律事務所もあるため、料金表の最低額だけでは判断できません。

さらに、申立手数料、官報公告費用、郵便費用、個人再生委員が選任された場合の費用などが加わります。そのため、実際の総額は50万~80万円程度まで幅を持って考え、正式な見積もりを確認するのが安全です。裁判所の運用や案件の内容によっては、この範囲を外れることもあります。

借金680万円の場合、小規模個人再生における最低弁済額の基準の一つは5分の1の136万円ですが、保有財産などによって返済額が増える可能性があります。弁護士費用だけでなく、個人再生後に無理なく返済を継続できるかまで試算したうえで手続きを選ぶことが重要です。

個人再生は債権者一覧表や再生計画案などを作成し、法律上の期限に沿って進める必要がある複雑な手続きです。東京地方裁判所も専門家からアドバイスを受けることを推奨しています。複数の法律事務所で相談し、「借金680万円・11社の場合、裁判所費用まで含めた総額はいくらになるか」を同じ条件で見積もってもらうと比較しやすいでしょう。

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