ICJ合同会社から株式会社Firstへの社名変更は要注意?副業トラブルで会社名が変わったときの確認方法と返金相談のポイント

副業や業務委託の契約をめぐってトラブルになった際、契約した会社の名称が変更されていると、利用者としては「別会社になったのか」「契約先はどうなったのか」「社名変更には何か問題があるのか」と不安になりやすいものです。

ただし、会社が社名を変更したという事実だけを理由に、詐欺や違法な事業者だと判断することはできません。企業がブランド変更、事業再編、株式会社への組織変更などを行うこと自体は珍しいことではないためです。

一方で、副業を始める条件としてシステム利用料や教材費、サポート費などの支払いを求められ、「説明されたほど仕事がない」「収入を得られないのに費用だけ発生する」といった状況になっている場合には、社名だけではなく法人番号、契約内容、勧誘方法、支払先、仕事の実態を確認することが重要です。この記事では、ICJ合同会社(インクルージョンセンタージャパン合同会社)に関する公開情報を例に、副業契約で会社名が変わった場合の確認方法とトラブル時の対応を解説します。

ICJ合同会社と株式会社Firstについて確認できる公開情報

会社を調べるときに重要なのは、会社名だけを検索するのではなく法人番号を確認することです。同じような会社名は複数存在する可能性がありますが、法人番号は法人を識別するために指定される番号だからです。

経済産業省のGビズインフォでは、法人番号7010003034855について、東京都千代田区神田三崎町3丁目5番9号天翔水道橋ビル810号室を所在地とする「ICJ合同会社」の法人情報が確認できます。Gビズインフォは政府が保有する法人情報を法人番号にひも付けて公開しているサービスです。[参照:Gビズインフォ]

一方、民間の法人情報サイトでは、同じ法人番号7010003034855について「株式会社First」への商号または名称変更を示す情報も確認できます。公開データには取得日や更新時期の違いがあるため、最新の商号を判断するときは会社名だけではなく法人番号を軸に確認することが大切です。

なお、「株式会社FIRST」「株式会社First」など似た名称の別法人も存在します。検索結果に表示された同名企業の口コミや公式サイトを、そのまま対象会社の情報だと思い込まないよう注意が必要です。

社名変更をした会社は怪しいのか

社名変更そのものは、会社の信用性を否定する材料にはなりません。企業では事業内容の変更、ブランド統一、合併、組織変更などさまざまな理由で名称が変更されます。そのため「社名変更した=問題企業」という判断は適切ではありません。

反対に、副業契約でトラブルになっている最中に会社名が変わった場合でも、名前が変わったという一点だけに注目するのではなく、法人番号が同一なのか、契約主体が誰なのかを確認する必要があります。

たとえば契約書には「A合同会社」と書かれている一方、現在の名称が「株式会社B」になっていたとしても、法人番号などから同一法人の名称変更・組織変更だと確認できるケースがあります。「名前が違うから契約とは無関係になった」と自己判断するのではなく、法人登記情報や契約書を確認することが重要です。

ICJ合同会社に関して副業の「利用料」をめぐる相談情報がある

ICJ合同会社についてインターネット上を確認すると、副業・業務委託への応募後に利用料金の支払いを求められたという趣旨の投稿が確認できます。たとえばYahoo!知恵袋には、求人へ応募してオンラインで説明を受け、就業開始にあたり3万3,000円の利用料が必要と言われたという相談が2024年に投稿されています。

また2026年にも、ICJ合同会社の求人採用紹介の副業について、仕事をするためのマニュアル等の利用に月額1万1,000円が必要だという趣旨の相談が投稿されています。ただし、Q&Aサイトへの投稿は利用者による申告であり、それだけで個々の契約内容や違法性が立証されるものではありません。

重要なのは特定の会社に対するネット上の評判だけで判断することではなく、「仕事をするために利用者側がお金を支払う」「説明されていた仕事や収益が実現しない」といった契約構造そのものを確認することです。

仕事をするために利用料を払う副業は特に契約内容を確認する

一般的な雇用契約では、労働者が働いて賃金を受け取ります。一方、副業や業務委託にはさまざまな契約形態があり、システムやサービスの利用料が設定されること自体が直ちに違法というわけではありません。

しかし、「仕事を提供するので収入を得られる」と勧誘し、その仕事を行うための商品購入やサービス利用などの金銭負担を求める取引は、条件によって特定商取引法上の「業務提供誘引販売取引」に該当する可能性があります。

消費者庁も業務提供誘引販売取引について、「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で消費者を誘引し、仕事に必要として商品等を販売して金銭負担を負わせる取引と説明しています。[参照:消費者庁]

したがって、副業の応募者にシステム利用料、マニュアル代、コンサルティング料などが発生する場合は、「費用があるから詐欺」と判断するのではなく、何に対する料金なのか、契約期間はいくらか、総額はいくらか、解約条件はどうなっているか、具体的にどのような仕事が提供されるのかを契約前に確認することが重要です。

消費者庁も「費用を払って始める副業」に注意喚起している

消費者庁は過去の副業トラブルに関する注意喚起で、具体的な作業内容を十分に説明しないまま費用を支払わせるケースや、「簡単に稼げる」などとうたい有料のサポートプランへ誘導するケースなどについて注意を呼びかけています。

特に、最初は比較的少額の商品やサービスを契約させ、その後に高額なサポート契約を勧めるケースについても注意が必要とされています。支払えない利用者に借入れを勧めるような事例も報告されています。[参照:消費者庁]

副業選びでは、「月○万円稼げる」という収益予想だけを見るのではなく、自分が最終的にいくら支払う契約なのかを先に計算するとリスクを把握しやすくなります。

例えば月額1万1,000円を6か月支払う契約なら、総負担額は6万6,000円です。月3万円の収入が見込めると説明されたとしても、その収入が契約上保証されているのか、それとも単なる例示なのかによって意味は大きく異なります。

条件によっては20日間のクーリング・オフができる

副業契約が特定商取引法上の業務提供誘引販売取引に該当する場合、法律で定められた契約書面を受け取った日から20日以内であれば、原則としてクーリング・オフが可能です。現在は書面だけでなく一定の電磁的方法による通知も認められています。[参照:特定商取引法ガイド]

さらに、契約書面に法律上必要な事項が記載されていないなどの不備がある場合には、20日を過ぎていてもクーリング・オフできる可能性があります。また、不実の説明や重要事項の故意の不告知などがあった場合には、契約の取消しを主張できる可能性もあります。

ただし、すべての副業・業務委託契約に20日間のクーリング・オフが適用されるわけではありません。契約形態や勧誘方法、契約者が「消費者」に当たるかなどによって判断が変わるため、個別の契約書を確認する必要があります。

すでに料金を支払ってしまった場合に保存しておきたい証拠

返金を求めたい場合、最初にやるべきことは事業者とのやり取りを消すことではなく、証拠として保存することです。特にLINEなどは相手のアカウントが削除されると確認しづらくなる場合があるため、スクリーンショットなどを取っておくとよいでしょう。

保存しておきたい資料としては、契約書、申込画面、求人広告、募集ページ、LINEやメールのやり取り、Zoomなどで説明された内容のメモ、請求書、領収書、クレジットカード明細、銀行振込記録などがあります。

さらに、「毎月○万円程度稼げる」「○件の仕事を紹介する」「初心者でも簡単に収益化できる」といった説明を受けていたのであれば、その説明が確認できるメッセージや広告も保存します。後から広告ページが削除される可能性もあるため、URLだけでなく画面そのものを保存しておく方が安心です。

返金を求めるなら消費生活センターへの相談には意味がある

「契約した自分にも責任があるから相談しても無駄」と考える必要はありません。国民生活センターは、副業・在宅ワークについて、業務提供誘引販売取引に該当すればクーリング・オフが可能であり、不適切な勧誘があった場合には契約の取消しを主張できる場合があると案内しています。

消費者庁の注意喚起でも、副業契約について消費生活センターへ相談し、あっせんによって有料サポートプランの申込料金の一部が返金された事例が確認されているとされています。

全国共通の消費者ホットライン「188」へ電話すると、原則として最寄りの消費生活センターなどにつながります。契約書や支払記録、勧誘時のメッセージを準備してから相談すると状況を説明しやすくなります。[参照:国民生活センター]

金額が大きい場合、クーリング・オフ期間を過ぎている場合、事業者が返金を拒否している場合などは、消費生活センターに加えて弁護士への相談も選択肢になります。

社名変更した会社を調べるときは「会社名」ではなく法人番号を見る

副業トラブルを調べる際に覚えておきたいのが、社名変更後も法人番号を追跡するという方法です。会社名だけを検索すると、名称変更によって過去の情報を見つけにくくなったり、同名の別会社を誤認したりする可能性があります。

例えば契約書に記載された法人番号を確認し、その番号を国税庁法人番号公表サイトやGビズインフォなどで検索すれば、名称や所在地などの法人情報を確認できます。

社名変更を繰り返していること自体だけで違法性を判断することはできません。しかし、副業契約を検討する際には、旧社名と現在の社名の両方で口コミや行政処分等の公開情報を検索し、さらに法人番号、所在地、代表者、契約書に記載された事業者情報を照合することで、より正確に事業者を確認できます。

ネットで注意喚起するときは「詐欺」と断定しないことも重要

実際にトラブルを経験すると、同じ被害を防ぐためにSNSやブログ、Q&Aサイトなどで注意喚起したくなることがあります。その際には、確認できた事実と自分の評価を分けて書くことが重要です。

例えば「詐欺会社である」と断定するのではなく、「契約時にシステム利用料として○円を請求された」「説明されていた仕事を受けられなかったため返金を求めている」「法人番号を調べたところ名称変更に関する情報が確認できた」など、証拠によって確認できる事実を中心に記載する方法があります。

特に第三者から聞いただけの内容については「友人からこのような相談を受けた」など情報源を明確にし、未確認の内容を事実として断定しない方が安全です。企業について公開情報を発信する場合でも、名誉毀損など別の法的問題が生じる可能性があるためです。

まとめ:副業トラブルでは社名変更より契約と法人番号を確認する

ICJ合同会社については、法人番号7010003034855の法人情報が政府系データベースなどで確認できます。また、同じ法人番号について株式会社Firstへの名称変更を示す民間データも確認されるため、最新情報については法人番号を使って公的な法人情報を確認することが重要です。

社名変更そのものを理由に、その会社を詐欺・違法と判断することはできません。一方、副業を始める条件として利用料などの金銭負担があり、説明された仕事や収益が得られていないのであれば、契約内容を詳しく確認する価値があります。

「仕事を提供するので収入を得られる」と勧誘され、そのための金銭負担を求められる取引は、内容によって特定商取引法上の業務提供誘引販売取引に該当する可能性があります。該当する場合には20日間のクーリング・オフや、状況によっては契約取消しなどを検討できることがあります。

すでに支払ってトラブルになっている場合は、契約書、求人広告、LINE・メール、支払明細などを削除せず保存し、まず消費者ホットライン188へ相談するのが現実的です。金額が大きい、返金を拒否されている、契約内容が複雑といった場合には、弁護士など法律の専門家にも契約書を確認してもらうとよいでしょう。

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