無料動画を見ようとしてアダルトサイトを開き、画面をタップした直後に突然「会員登録完了」「料金が発生しました」などと表示されるトラブルは、現在も相談が寄せられています。特に「24時間以内に電話してください」「退会には連絡が必要です」「連絡しない場合は悪質利用と判断します」といった表示を見ると、急いで連絡しなければならないように感じてしまいます。
しかし、このようなケースでは表示された電話番号やメールアドレスへ慌てて連絡せず、料金も支払わないことが重要です。国民生活センターは、突然登録完了画面が表示され料金を請求されるケースについて「ワンクリック請求詐欺の疑い」があるとして、支払ったり記載された電話番号へ連絡したりせず無視するよう案内しています。[参照]
無料動画をタップしただけで有料契約は成立するのか
ウェブサイトに「登録完了」と表示されたからといって、その表示だけを見て直ちに「有効な有料契約が成立した」と判断する必要はありません。契約の成立については、どのような画面表示だったのか、料金や契約条件がどの段階で示されていたのか、利用者が有料契約を申し込む意思を示したのかなど、具体的な状況を確認する必要があります。
国民生活センターでは、ワンクリック請求を「登録完了画面等を表示することで契約が成立したと思わせて、サイト利用料等の名目でお金を払わせる手口」と説明しています。無料動画や年齢確認のボタンをタップしたところ突然登録されたという事例も紹介されています。[参照]
例えば「無料動画を見る」という認識でページを操作していたところ、料金を確認して購入を確定するような明確な手続きを踏まないまま、突然「登録完了・○万円」と表示された場合です。画面に金額や会員IDが表示されたことだけを理由に、焦って振り込むのは避けましょう。
「24時間以内に電話してください」と表示されても連絡しない
ワンクリック請求で特に注意したいのが、「誤作動の場合は24時間以内に電話」「退会には電話が必要」「連絡がない場合は利用者とみなす」など、利用者を急がせる文章です。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)も、ワンクリック請求の特徴として「24時間以内」など早期の連絡を求めるケースを挙げています。そして対処方法として、決して連絡せず、支払わないよう注意喚起しています。[参照]
電話をすると、それまで相手が把握していなかった電話番号を自分から知らせることになります。メールを送ればメールアドレスを知らせることになります。さらに会話の中で氏名、住所、生年月日などを聞き出される可能性もあるため、「退会するために連絡する」という行動そのものが新たなリスクになり得ます。
IPアドレスや端末情報が表示されても個人を特定されたとは限らない
請求画面にIPアドレス、スマートフォンの機種、ブラウザ、プロバイダー名、アクセス日時などが表示される場合があります。こうした情報が並んでいると「住所や名前まで知られているのでは」と不安になりがちです。
IPAによると、ワンクリック請求ではIPアドレスやスマートフォン・ブラウザなどの情報を表示し、あたかも個人を特定しているように見せる手口があります。しかし、サイトを閲覧した際に通常伝わるこれらの情報だけで、直ちに氏名や住所などの個人を特定できるわけではありません。[参照]
したがって、「会員IDが発行された」「端末情報を取得した」「アクセス記録を保存した」と表示されても、それだけで相手が自宅住所や家族、勤務先まで把握していると考える必要はありません。むしろ、慌てて問い合わせをすることで自分から個人情報を渡さないことが重要です。
すでにメールを送ってしまった場合の対処法
「退会申請はこちら」と書かれていたため、すでにメールを送ってしまった場合でも、そこからさらに電話をかけたり料金を支払ったりすることは避けましょう。相手から返信が来ても、個人情報や決済情報を追加で伝えないことが大切です。
電話番号まで伝えてしまった場合や、すでに相手と電話で話してしまった場合について、国民生活センターは再度電話をかけず、相手から電話がかかってきても出ず、お金を支払わないよう案内しています。[参照]
迷惑メールが増えた場合は受信拒否や迷惑メールフィルターを利用し、不審なSMSのURLも開かないようにします。電話が繰り返しかかってくる場合には着信拒否を利用し、脅迫的な連絡などが続く場合には記録を保存したうえで消費生活センターや警察への相談を検討します。
料金をまだ払っていない場合と、払ってしまった場合では対応が違う
まだ料金を支払っていない場合は、相手からの請求に慌てて応じないことが基本です。国民生活センターは、突然アダルトサイトで料金を請求されたケースについて、ワンクリック請求詐欺の疑いがあるとして「お金を支払ったり、記載の電話番号に連絡せず、無視してください」と案内しています。[参照]
一方、銀行振込、クレジットカード、電子マネーなどですでに支払ってしまった場合は、何もしないのではなく早めに相談することが重要です。国民生活センターは、支払い後の返金は難しい場合が多いものの、消費生活センターへ相談するよう案内しています。[参照]
クレジットカード情報を入力した場合にはカード会社へ、銀行振込をした場合には利用した金融機関へ速やかに事情を伝えましょう。電子マネーの番号を相手へ送った場合も、購入した電子マネーの発行会社などへ相談します。支払方法によって取れる対応が異なるため、時間を空けずに動くことが大切です。
スクリーンショットを撮れなかった場合でも相談できる
突然の請求画面に驚いてブラウザを閉じてしまい、スクリーンショットを保存できなかったとしても、それだけで相談できなくなるわけではありません。覚えている範囲で、アクセスした日時、サイト名やURL、表示された料金、電話番号、メールアドレス、会員ID、相手から届いたメールなどを記録しておきましょう。
すでにメールを受信している場合は削除せず、相談時の資料として保存しておく方法があります。ただし、メール本文にあるURLや添付ファイルを不用意に開く必要はありません。
なお、IPAはワンクリック請求の登録完了画面について、ブラウザ上に表示されているだけであればブラウザを閉じることで消せると案内しています。[参照]
不安なら消費者ホットライン188へ相談する
「本当に無視して大丈夫なのか」「すでにメールを送ってしまった」「電話番号を知られてしまった」「料金を払ってしまった」といった場合は、一人で相手と交渉するよりも公的な相談窓口を利用する方法があります。
全国の消費生活センター等につながる消費者ホットラインは「188(いやや!)」です。最寄りの消費生活相談窓口につながります。国民生活センターもワンクリック請求について188への相談を案内しています。[参照]
相談する際には「アダルトサイトを閲覧していた」ことを恥ずかしがって重要な部分を省略する必要はありません。消費生活センターには同種の相談が実際に寄せられており、国民生活センターもアダルト情報サイトに関する相談件数や事例を継続して公表しています。[参照]
まとめ:突然の「登録完了」「料金請求」は慌てて連絡・支払いをしない
無料動画などを見ようとして突然「有料会員登録完了」「○万円を支払ってください」と表示されても、画面の文章をそのまま信じて急いで支払う必要はありません。特に「24時間以内」「電話しなければ退会できない」「悪質利用と判断する」といった不安をあおる表現がある場合ほど、落ち着いて対応することが重要です。
基本的な対応は、相手に電話やメールで連絡しない、料金を支払わない、個人情報を渡さないことです。すでに連絡や支払いをしてしまった場合は、それ以上やり取りを進めず、消費生活センターなどへ早めに相談しましょう。
ワンクリック請求は過去だけの問題ではありません。IPAが公表した2026年第2四半期の相談状況でも、アダルトサイトを見ていたところ突然会員登録が完了し、金銭の支払いを指示する画面が出たという相談が報告されています。[参照] 「今すぐ連絡しなければ大変なことになる」という心理を利用する手口を知っておくことが、被害を防ぐ大きなポイントです。