「電気代が安くなる」と突然訪問してスマホを見せてと言われたら?電力会社を名乗る訪問営業の目的と対処法

突然自宅を訪ねてきた人から「電気料金が上がる」「今より安い料金プランがある」「スマホで電気料金を一緒に確認しましょう」などと言われた場合、警戒するのは自然です。

こうした訪問がすべて詐欺とは限らず、電力会社やその代理店による正規の営業活動であるケースもあります。一方、国民生活センターには、電気代が安くなるなどと説明して契約変更を勧めたり、検針票の情報を確認しようとしたりする訪問販売について継続的に相談が寄せられています。[参照:国民生活センター]

相手の会社名や訪問目的がはっきりしない状態で、スマートフォンの電気料金画面や検針情報を見せる必要はありません。契約変更を希望しなければ、その場ではっきり断って問題ありません。

考えられる目的は電気契約の切り替え営業

典型的に考えられるのは、現在契約している電力会社や料金プランを確認し、自社または提携先の電力サービスへの切り替えを勧誘する営業です。電力小売りの全面自由化後は、地域の大手電力会社以外の事業者とも電気の契約を結べるため、訪問販売による勧誘も行われています。

そのため「料金を確認すれば安くなるか分かります」という説明自体は営業の流れとしてあり得ます。ただし、本当に安くなるかどうかは現在の料金プラン、使用量、新しい契約の料金体系などによって変わります。「確認するだけ」「必ず安くなる」といった言葉だけで判断しないことが大切です。

国民生活センターは、「住民の皆さんにお願いしている」「料金が安くなる」などと説明する訪問や、大手電力会社の関係者を装うケースについて注意を呼び掛けています。[参照:国民生活センター]

なぜスマホの画面を一緒に確認したがるのか

現在は紙の検針票ではなく、契約中の電力会社のWebサイトやアプリで請求額・使用量などを確認している家庭も少なくありません。そのため、訪問営業で「スマホで今の料金を確認しましょう」と誘導されることがあります。

特に注意したいのが、電気の契約に関する識別情報です。国民生活センターによると、検針票には氏名や住所のほか、顧客番号や供給地点特定番号など、契約切り替えに関係する重要な情報が記載されています。契約する意思がないのに安易に見せたり伝えたりしないよう注意喚起されています。[参照:国民生活センター]

スマホを見せる場合も同じです。料金だけを見せるつもりでも、画面操作を続けるうちに契約者名、住所、顧客番号などが表示される可能性があります。スマートフォンそのものを相手へ渡したり、相手の指示通りにログイン・入力・申込操作を進めたりしないことが安全です。

会社名を名乗らない訪問営業には要注意

電力・ガス取引監視等委員会によると、電力会社やガス会社だけでなく、その委託先である媒介・取次・代理業者が勧誘を行う場合があります。そのため、名札を着けていることだけでは「いつもの電力会社から来た人」とは判断できません。[参照:電力・ガス取引監視等委員会]

訪問されたら、「会社名は何ですか」「どの電力会社の代理店ですか」「今日は何の契約の営業ですか」「契約すると電力会社はどこに変わりますか」と確認するのが基本です。その場で答えが曖昧なら、話を続ける必要はありません。

また、世間話をしたり容姿や服装などを褒めたりすることだけで悪質業者とは判断できません。営業担当者が会話のきっかけとして雑談することもあります。重要なのは話し方の印象だけではなく、会社名・目的・契約先・料金条件を明確に説明しているかです。

突然訪問されたときに見せないほうがよいもの

契約する意思がない場合には、料金確認のためであっても個人情報を安易に提示しないことが重要です。特に次の情報は慎重に扱いましょう。

  • 電気・ガスの検針票
  • 顧客番号・お客様番号
  • 供給地点特定番号
  • 契約者の氏名・生年月日・電話番号
  • 電力会社のマイページやアプリ画面
  • クレジットカードや銀行口座情報
  • SMSで届く認証コード

「見るだけです」「料金を比較するためだけです」と言われても、その場で提示する必要はありません。本当にプランを比較したければ、業者名とプラン名だけ聞き、自分で公式サイトを調べれば済みます。

マンションやアパートで「建物全体の電気が変わる」「皆さん手続きしています」などと言われた場合も、その場で申し込まず、管理会社や大家へ別途確認するのが安全です。

追い返しただけなら基本的には追加対応は不要

玄関先で話を聞いただけで、スマホの契約情報や検針票を見せず、氏名・顧客番号などを伝えず、契約書への署名やWeb申込みもしていないのであれば、通常はその訪問を断ったところで対応は終了します。

再び訪問された場合には「契約するつもりはありません」「今後の勧誘は不要です」と明確に断ればよいでしょう。ドアを開けず、インターホン越しに断る方法でも構いません。

一方、すでに検針票を見せた、スマホで契約情報を表示した、申込画面へ個人情報を入力した、本人確認のSMSコードを伝えた、といった場合には話が変わります。現在契約している電力会社へ契約状況を確認し、心当たりのない切り替え手続きがないか確認すると安心です。

もし契約してしまってもクーリング・オフできる場合がある

訪問販売で電気などの契約を申し込んでしまった場合でも、特定商取引法上の訪問販売に該当すれば、原則として法律で定められた書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフできる制度があります。消費者庁の特定商取引法ガイドでも、書面または電磁的記録によって申込みの撤回・契約解除ができると案内されています。[参照:消費者庁・特定商取引法ガイド]

ただし、具体的な契約がクーリング・オフの対象になるか、期間をいつから計算するかなどは個別事情によります。「契約したかもしれない」「何の申込みをしたのか分からない」という場合には放置しないことが大切です。

困った場合は、消費者ホットライン188へ電話すると、最寄りの消費生活センターなどにつながります。国民生活センターも電気・ガスの訪問販売トラブルについて188への相談を案内しています。[参照:国民生活センター]

まとめ:電気料金を確認する訪問は営業の可能性があり、その場でスマホを見せる必要はない

「電気代が上がる」「もっと安いプランがある」「スマホで料金を一緒に確認する」と突然訪問された場合、電力契約の切り替えなどを目的とした営業である可能性があります。ただし、訪問してきたという事実だけで詐欺と断定することもできません。

判断のポイントは、訪問者が会社名、代理店であれば委託関係、訪問目的、新しい契約先、料金条件などを明確に説明しているかです。名札を着けているだけで信用せず、契約する意思がなければスマホや検針票を見せずにはっきり断りましょう。

その場で判断せず、「会社名とプラン名だけ教えてください。自分で確認します」と対応するのが安全です。すでに重要な契約情報を見せたり申し込んだりして不安がある場合には、契約中の電力会社へ状況を確認し、必要に応じて消費生活センターへ相談しましょう。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール