警視庁・警察官を名乗る詐欺電話にわざと付き合うのは危険?知らない携帯番号に出たときの安全な対処法

「警視庁です」「捜査二課です」などと警察官を名乗り、「あなた名義のカードや口座が犯罪に使われている」「事件の容疑者になっている」と不安をあおる電話は、特殊詐欺で実際に使われている手口です。

明らかに詐欺だと気付けば、相手をからかったり、だまされたふりをして話を聞いてみたりしたくなることもあるでしょう。しかし、詐欺電話だと判断した時点で会話を続けるメリットはほとんどなく、基本的にはすぐ切るのが安全です。

商売をしている人の場合、「知らない番号には出ない」という対策が難しいこともあります。その場合は、電話に出ること自体を過度に恐れるのではなく、怪しい内容だと分かった時点で情報を与えず通話を終了するというルールを決めておくと現実的です。

「警察です。あなた名義のカードが犯罪に使われた」は典型的な警戒パターン

警視庁は、警察官を装った詐欺電話が増えているとして注意を呼びかけています。「あなたの口座が犯罪に利用されている」「あなたの携帯電話が犯罪に利用されている」などと告げ、SNSやビデオ通話へ誘導する手口も確認されています。[参照:警視庁 警察官等をかたる詐欺]

さらに注意したいのは、着信番号だけでは本物かどうかを判断できないことです。警察庁は、実在する警察署などの電話番号を着信画面に偽装表示させる手口も確認しています。[参照:警察庁 警察に偽装した電話番号に注意]

したがって「080だから偽物」「03や末尾0110だから本物」と番号だけで判断するのは危険です。警察を名乗る相手から犯罪への関与を告げられ、不審に感じた場合には、いったん通話を終了して自分で確認した正規の警察署等の番号へ問い合わせることが重要です。

詐欺だと分かっていても長電話しないほうがよい理由

詐欺だと見抜いている人が電話で話しただけで、直ちに金銭を盗まれるわけではありません。しかし「自分は絶対にだまされない」と考えて長時間付き合うことには、あえて取る必要のないリスクがあります。

第一に、会話そのものが情報収集の機会になります。こちらが質問へ答えてしまえば、氏名、年齢、家族構成、職業、取引銀行、資産状況、住所、在宅時間などの情報を少しずつ与えてしまう可能性があります。本人には雑談のつもりでも、複数の情報を組み合わせれば次の詐欺をもっともらしくする材料になり得ます。

第二に、会話が続くほど別の人物やSNS、ビデオ通話、偽サイトなどへ誘導される機会が増えます。警察庁は「ニセ警察詐欺」について継続的に注意喚起しており、金銭だけでなくビデオ通話を利用した悪質な要求なども確認しています。[参照:警察庁 SOS47特殊詐欺対策ページ]

「だまされたふり」で犯人を捕まえようとするのはおすすめしない

正義感から「できるだけ長く話して犯人の時間を奪おう」「振込先を聞き出そう」「会う約束をして警察へ引き渡そう」と考えることもあります。しかし、一般の人が独自に犯人との接触を続ける必要はありません。

相手がどの程度こちらの情報を持っているのか分からず、犯罪グループの一部である可能性もあります。電話番号を着信拒否したところで、別の番号から連絡してくることも考えられます。

情報提供をしたい場合は、自分で捜査するのではなく、着信日時、表示された電話番号、相手が名乗った所属・氏名、要求された内容などを記録して警察へ相談するほうが安全です。警察庁は、不安を感じた場合の相談先として警察相談専用電話「#9110」を案内しています。[参照:警察庁 SOS47]

知らない番号に出なければならない仕事ではどう対策する?

店舗経営、営業、個人事業などでは、新規顧客から電話が入るため「電話帳にない番号は全部無視する」という対策は現実的ではありません。その場合、知らない番号に出ることと、知らない相手を信用することを切り分けて考えます。

例えば通常どおり「はい、○○です」と応答し、相手が警察・金融機関・役所などを名乗って金銭や犯罪に関する話を始めたら、その場で手続きを進めないというルールにします。「確認してこちらから連絡します」と通話を終了し、相手から聞いた番号ではなく、公式サイトなどから自分で調べた代表番号へ連絡します。

警察庁も、相手から教えられた番号には折り返さないよう注意喚起しています。さらに、番号表示や迷惑電話対策、防犯機能付き電話などを利用する方法もあります。[参照:警察庁 防犯機能付き電話の導入]

詐欺電話で絶対に伝えない・しないこと

怪しい電話では、相手を論破することより情報を渡さないことが重要です。特に次のような要求が出たら、その場で通話を終了するのが安全です。

  • 銀行名、口座番号、預金額などを教える
  • クレジットカード番号や暗証番号を伝える
  • SMSで届いた認証コードを読み上げる
  • 住所、家族構成、勤務先、在宅時間などを詳しく話す
  • LINEなどのSNSへ移動する
  • ビデオ通話へ応じる
  • 指定されたアプリをインストールする
  • 相手が指定する口座へ送金する
  • 現金や金地金などを用意する
  • 相手から指定されたURLを開いて個人情報を入力する

警察官を名乗る人物が「資金を調査する」「潔白を証明する」といった理由で送金を求める事例も確認されています。警察庁は、警察官が電話で「捜査対象になっている」などと伝えて金銭を要求するような手口について注意を呼びかけています。[参照:警察庁]

少し会話してしまった場合は何をすればよい?

電話に出て数分話しただけで、氏名・住所・口座情報・認証コードなどを伝えておらず、URLを開いたりアプリを入れたり送金したりしていないのであれば、必要以上に慌てる必要はありません。番号を着信拒否し、その後の不審な電話やSMSに注意します。

一方、会話の中で住所、家族構成、銀行名、カード情報などを伝えてしまった場合は、その内容に応じて対策が必要です。カード情報を伝えたならカード会社、銀行口座の重要情報を伝えたなら金融機関へ速やかに相談します。

また「詐欺だったかもしれない」「どこまで情報を話したか分からない」と不安な場合は、警察相談専用電話#9110などへ相談できます。実際に金銭被害が発生している、犯人が自宅へ来る予定になっているなど緊急性が高い場合には、110番通報を検討すべき状況です。

相手をからかうより「即終了」が一番強い対策

詐欺だと見抜いて相手の話に付き合うことを、ゲーム感覚で楽しめるように感じることもあります。しかし、相手は人をだます会話を繰り返している側です。こちらから勝負する必要はありません。

「あなた詐欺でしょう」と議論したり、こちらから嘘の個人情報を話したりする必要もありません。怪しいと判断したら何も説明せず切って構いません。その後、必要なら正規の窓口へ確認します。

仕事上、知らない番号に出る必要がある人にとって重要なのは「知らない番号に出ないこと」ではなく、「知らない相手との電話だけで本人確認や送金などの重要な判断を完結させないこと」です。このルールなら顧客からの電話を受けながら、詐欺への防御もできます。

まとめ:詐欺と気付いたら、だまされたふりを続けず電話を切る

警視庁や警察署の警察官を名乗り、「あなた名義のカード・口座・携帯電話が犯罪に使われている」などと突然告げる電話は、現在も注意が必要な特殊詐欺の手口です。しかも着信番号そのものを偽装するケースが確認されているため、画面に表示された番号だけで本物と判断してはいけません。

詐欺だと分かったうえで少し話しただけなら、それだけで直ちに被害が発生するわけではありませんが、わざと長電話を続けることはおすすめできません。個人情報を引き出されたり、別の手口へ誘導されたりする余計な機会を相手に与えるからです。

知らない番号にも出る必要がある仕事なら、電話には出ても構いません。不審な内容になった時点で切り、個人情報・カード情報・認証コードを伝えず、SNSやビデオ通話へ移らず、必要なら自分で調べた公式番号から警察や金融機関へ確認する。この習慣が実用的な詐欺電話対策になります。

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