お客様相談センターは問い合わせをどの順番で対応する?先着順・優先順位付け・AI自動分類の仕組みを解説

企業のお客様相談センターやカスタマーサポートへメール・問い合わせフォームを送ったとき、「届いた順に対応しているのか」「内容を判定して重要な問い合わせから対応しているのか」は、外からは分かりにくいものです。

実際の運用方法は企業によって異なりますが、すべてを単純な先着順だけで処理しているとは限りません。受付日時を基本にしながら、問い合わせ内容、緊急性、担当部署、顧客区分、サービスレベルなどによって振り分けたり、優先順位を変更したりする運用が可能です。

近年の問い合わせ管理システムには、メールやフォームから届いた内容をチケットとして管理し、条件に応じて担当者・カテゴリー・優先度を自動設定する機能があります。さらにAIを使って問い合わせ内容を分類する仕組みも登場しています。

基本は「受付順」でも必ずその順番で回答するとは限らない

問い合わせ窓口では、メールやフォームから届いた内容を一件ずつ管理するため、問い合わせ管理システムやCRM、チケット管理システムなどを利用することがあります。受付日時は当然記録されるため、古い問い合わせから確認する運用も可能です。

しかし、10時に届いた問い合わせが必ず10時5分の問い合わせより先に回答されるとは限りません。内容によって担当部署が違えば、それぞれ別の担当者が並行して処理するからです。

例えば「商品の使い方」と「請求金額の間違い」が連続して届いた場合、前者は製品サポート、後者は請求担当へ振り分けられることがあります。後から届いた請求関係の問い合わせのほうが先に回答されても不思議ではありません。

緊急性や重大性によって優先順位を上げる運用もある

サポート業務では、問い合わせの重大性や緊急性を基準に優先順位を設定することがあります。特にITサービスなどでは、サービス停止のような重大障害と一般的な質問を同じ優先度で扱わない運用が一般的です。

問い合わせ管理サービスのZendeskでは、チケットにLow、Normal、High、Urgentといった優先度を設定でき、条件に応じてチケットのプロパティを自動変更するトリガー機能も提供されています。[参照:Zendesk]

したがって、大量の問い合わせを扱う窓口では「先着順か、重要度順か」という二者択一ではなく、受付順を管理しながら、一定の条件に該当する案件を優先するという運用が可能です。

メールに書かれた単語や文章から自動振り分けすることも可能

問い合わせ本文に含まれる情報を利用した自動処理も可能です。従来型のシステムでも、「解約」「返品」など特定の条件に一致した問い合わせを担当グループへ送る、といったルールベースの振り分けができます。

さらに現在では、単純なキーワード一致だけではなく、AIによって問い合わせの意図やカテゴリーなどを判定するカスタマーサービス製品もあります。Salesforceでは、Einsteinによってケースの分類やルーティングなどを支援する機能が提供されています。[参照:Salesforce]

ただし「この単語を書けば必ず最優先になる」という意味ではありません。どの条件で分類・優先処理するかは企業側のシステム設定や業務ルール次第であり、人間の担当者が内容を確認して判断するケースもあります。

問い合わせが届いてから回答されるまでの流れ

典型的な問い合わせ窓口を例にすると、まずメール・Webフォーム・電話・チャットなどから問い合わせを受け付け、管理システムへ記録します。その後、内容に応じて担当者や部署へ割り当てます。

一例としては、次のような流れになります。

  1. 問い合わせを受信する
  2. 受付日時や顧客情報を記録する
  3. 問い合わせカテゴリーを分類する
  4. 必要に応じて緊急度・優先度を設定する
  5. 適切な部署・担当者へ割り当てる
  6. 担当者が内容を調査する
  7. 回答または追加確認を行う
  8. 解決後に案件をクローズする

この途中に自動処理が入る企業もあれば、オペレーターが手作業で振り分ける企業もあります。企業規模や問い合わせ件数、扱う商品によって仕組みはかなり違います。

後から送った問い合わせの回答が先に来る理由

同じ会社へ複数の問い合わせを送ったところ、後から送ったものだけ先に回答されることがあります。しかし、それだけで最初の問い合わせが無視されたとは判断できません。

例えば、簡単な質問なら一次窓口だけで回答できる一方、クレームや契約・返金に関する案件では事実確認や社内承認が必要になることがあります。回答に時間のかかる案件ほど、先に受け付けていても返信は遅くなり得ます。

また担当部署ごとに抱えている案件数も違います。「商品A担当は混雑しているが商品B担当には余裕がある」という状況なら、商品Bについて後から問い合わせた人のほうが早く回答を受けることもあります。

「至急」「重大」「弁護士」などと書けば優先されるとは限らない

重要そうな単語を件名や本文へ入れることで、問い合わせを早く処理してもらおうと考える人もいます。しかし、そのような方法で優先順位が上がるとは限りません。

システムが特定の語句を利用して分類している企業はあり得ますが、そのルールは通常利用者には分かりません。また、AIによる分類では単語一つではなく文章全体の内容などが判断材料になる場合があります。

問い合わせを早く正確に処理してもらうためには、刺激的な言葉を並べるより、「何が起きたのか・いつ起きたのか・何を確認してほしいのか」を簡潔に書くほうが有効です。注文番号や契約番号など、企業が調査に必要とする情報を正確に記載することも大切です。

重大な内容は専門部署へエスカレーションされる場合もある

問い合わせの中には、通常のオペレーターだけでは判断できないものがあります。製品事故、個人情報、法務上の問題、重大な品質問題など、企業として慎重な対応が必要な案件です。

こうしたケースでは、一次窓口から上席者や品質管理、法務などの専門部署へ案件を引き継ぐ「エスカレーション」が行われることがあります。その結果、重要案件として早く確認される場合がある一方、社内確認が増えるため最終回答まで時間がかかる場合もあります。

つまり「重要な問い合わせ=返信も一番早い」とは限りません。重要だからこそ、担当部署による調査や承認に時間を要することもあります。

問い合わせを送るときは回答しやすい情報を整理する

問い合わせ窓口を利用するときは、優先順位を操作しようとするより、担当者が事実関係を短時間で把握できる文章にすることが重要です。

例えば「商品が壊れました。至急連絡してください」だけでは、担当者は商品名、購入日、故障状況などを改めて確認しなければなりません。一方、「8月20日に購入した商品○○が8月28日から起動しない。電源交換と再起動は実施済み。交換対象になるか確認したい」と書けば、必要な情報を把握しやすくなります。

返信がないからと短時間に同じ内容を何度も送ることも、必ずしも解決を早めません。問い合わせ番号が発行されている場合は、その番号を使って状況確認をするほうが重複案件を避けやすくなります。

まとめ:先着順だけでなく内容・担当部署・緊急度で処理順が変わる

お客様相談センターやカスタマーサポートの問い合わせ処理は、単純に「届いた順ですべて処理する方式」と「文章を解析して重要なものから処理する方式」のどちらか一方とは限りません。受付日時を管理しつつ、カテゴリー、担当部署、緊急度、重大性などによって処理経路や優先順位を変える運用が可能です。

現在の問い合わせ管理システムでは、条件による自動振り分けや優先度設定に加え、AIを利用した問い合わせ内容の分類も可能になっています。一方、小規模な窓口では担当者が一件ずつ確認して振り分けている場合もあり、具体的な仕組みは企業ごとに異なります。

そのため、後から送った人が先に回答を受けても、最初の問い合わせが無視されたとは限りません。問い合わせをスムーズに処理してもらうには、重要そうな単語を意図的に入れるより、発生日時、商品・契約情報、具体的な状況、希望する対応を簡潔かつ正確に記載することが効果的です。

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