TikTokの「借金減額相談・減額診断」は怪しい?広告を見るときの注意点と安全な相談先の選び方

TikTokやInstagram、YouTubeなどを見ていると、「借金が減るか無料診断」「毎月の返済額を減らせる可能性があります」といった借金減額相談の広告が表示されることがあります。借金の返済に困っていると魅力的に見えますが、個人情報を入力して大丈夫なのか、本当に借金が減るのか不安になる人もいるでしょう。

結論として、借金を法的な方法で整理・減額する仕組み自体は実在しますが、「借金減額診断」という広告表示だけで信頼できるサービスとは判断できません。日本司法書士会連合会も、「借金減額診断」「借金減額シミュレーター」など、簡単な情報入力だけで返済額の減額を期待させる広告について問題を指摘しています。広告からすぐ契約するのではなく、運営主体や資格、費用、実際に行う債務整理の内容を確認することが重要です。[参照]

「借金減額」という特別な制度があるわけではない

広告を見ると、国などが用意した「借金減額制度」に申し込めば簡単に借金が減るような印象を受けることがあります。しかし、一般に広告でいう借金減額は、任意整理、個人再生、自己破産などの債務整理によって返済負担を見直せる可能性を示しているものです。

法テラスも、借金の返済が難しい場合の債務整理について、借金の減額・免除・支払いの猶予などを目的として、法律に基づいて債務を整理し経済生活を立て直していく手続だと説明しています。[参照]

したがって、「診断ボタンを押しただけで借金が減る」わけではありません。実際に債務整理をするなら、借入先、残高、収入、財産、毎月の生活費、返済状況などを確認し、その人に適した方法を検討する必要があります。

借金減額診断の広告が問題視されている理由

日本司法書士会連合会は債務整理事件に関する司法書士の広告について、「借金減額診断」など借入額の概要を入力するだけで返済額が減少するかのように誤認させる広告が問題になっていると指摘しています。中には、どのような情報を入力しても同じ結果が表示される広告が存在するとしています。[参照]

さらに同連合会は、簡単な情報を入力するだけで返済額の減額を期待させる「借金減額診断」「借金減額シミュレーター」といった表示や、「国が認めた救済制度」といった表示を問題となる広告例として挙げています。

国民生活センターの専門誌でも、インターネット上に多数ある借金減額診断について、簡単な質問への回答後に「借金を大幅に減額または0にできる可能性がある」などと表示し、詳しい診断結果を伝えるという名目で電話番号やメールアドレスなどを入力させ、その後、弁護士・司法書士から連絡して債務整理の委任へ誘導する仕組みが紹介されています。[参照]

広告が出てきただけで「詐欺」と決めつけるのも正しくない

一方、TikTokなどに広告を出しているという理由だけで、その法律事務所や司法書士事務所を詐欺と判断することもできません。実在する弁護士・司法書士が広告を利用して債務整理の相談者を募集している場合もあります。

見るべきなのは「SNS広告だから怪しいか」ではなく、広告の先で誰がサービスを提供しているのかです。運営者名、法律事務所・司法書士事務所名、所在地、担当する資格者、料金体系、相談後にどのような手続を提案するのかを確認しましょう。

「借金○万円が必ずゼロになる」「誰でも○万円減額」「入力するだけで借金がなくなる」といった断定的な印象を与える表現を、そのまま自分にも当てはまる結果だと思い込まないことも大切です。実際の債務整理の結果は一人ひとりの状況によって異なります。

個人情報を入力する前に確認したいポイント

減額診断では、借金額や借入先数だけでなく、電話番号、メールアドレス、居住地域などを求められることがあります。入力後に電話やSMSなどで相談案内が来る仕組みの場合もあるため、「結果を見るだけ」のつもりで個人情報を入力するのは避けたほうがよいでしょう。

確認項目 チェックする内容
運営者 実在する法律事務所・司法書士事務所等か
資格者 誰が法律相談・債務整理を担当するのか
個人情報 入力情報が誰へ提供され、何に使われるか
費用 相談料、着手金、報酬などの総額・条件
診断結果 「必ず減る」と断定していないか

特に電話番号を入力する場合は、入力後に連絡を受ける可能性を想定しておきましょう。利用規約やプライバシーポリシーが分かりにくい、運営主体が確認できないといった場合は、入力せず別の相談先を選ぶほうが安全です。

借金が本当に減るかは簡易診断だけでは分からない

たとえば借金が100万円ある2人でも、年収、毎月の返済額、借入期間、利率、資産、家族構成などが違えば適切な対応は異なります。任意整理で返済を続けられる人もいれば、個人再生や自己破産を検討したほうがよい人もいます。

また任意整理には弁護士・司法書士への依頼費用がかかる場合があり、単に「毎月の返済額が下がる」という部分だけで判断することはできません。債務整理による信用情報への影響なども含め、メリットとデメリットを理解して選ぶ必要があります。

そのため、広告上のシミュレーション結果は「専門家へ相談するきっかけ」程度に考え、最終的な判断材料にはしないことが重要です。

広告が不安なら最初から公的・専門職団体の窓口を使う方法もある

「広告経由で個人情報を入力するのが怖い」という場合は、無理に減額診断を利用する必要はありません。法テラスでは借金を含む法的トラブルについて相談先の案内を行っており、収入や資産が一定基準以下などの条件を満たす場合には、弁護士・司法書士との無料法律相談や費用の立替制度を利用できる可能性があります。[参照]

日本司法書士会連合会も全国の司法書士総合相談センターを案内しており、借金問題や債務整理について相談できる窓口があります。地域によって相談方法や料金などは異なるため、公式一覧から確認できます。[参照]

すでに返済を滞納している、裁判所から支払督促や訴状が届いている、給料差押えが心配といった状況なら、ネット上の簡易診断を何度も試すより、資料を用意して専門家へ具体的に相談するほうが有効です。

まとめ:借金減額広告は「全部詐欺」でも「全部安心」でもない

TikTokなどで表示される借金減額相談・借金減額診断について、広告が表示されたという事実だけで詐欺や悪質業者だと断定することはできません。債務整理を扱う実在の弁護士・司法書士につながる広告もあります。

しかし、簡単な入力だけで借金が減るかのような印象を与える「借金減額診断」「借金減額シミュレーター」は、日本司法書士会連合会も広告上の問題を指摘しています。借金を減らせるかどうかは、本来、借入状況や収入、資産、生活費などを確認したうえで判断するものです。

広告を見て相談する場合は、個人情報を入力する前に運営主体、資格者、料金、プライバシーポリシーを確認しましょう。不安なら広告を経由せず、法テラスや専門職団体の公式相談窓口から相談先を探す方法があります。借金の返済がすでに困難な状況なら、「減額できるか診断する」こと自体を目的にするのではなく、任意整理・個人再生・自己破産などを含めて生活を立て直せる方法を専門家と検討することが大切です。

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