カシャリ(cashari)は、所有している品物を売却して資金を受け取り、その品物をリース契約によって引き続き利用できる「セールアンドリースバック」の仕組みを採用しています。そのため、カシャリを利用している途中で自己破産を検討する場合は、一般的なカードローンや消費者金融の借金とは異なり、リース中の商品を誰が所有しているのかを理解することが重要です。
特に注意したいのが、「自己破産をすればリース料の支払いだけがなくなり、商品はそのまま使い続けられる」と単純には考えられない点です。カシャリの利用規約では、破産手続開始の申立てがあった場合についても規定されています。この記事では、公開されている利用規約と自己破産の一般的な仕組みをもとに、リースバック契約がどう扱われる可能性があるのかを整理します。
カシャリのリースバックは「自分の物を担保にした借金」とは仕組みが違う
まず押さえておきたいのが、カシャリのリースバック取引の仕組みです。カシャリの利用規約では、登録ユーザーが所有する対象物件を運営会社が売買契約に基づいて買い受け、同時にその物件を利用者へリースするセールアンドリースバック取引とされています。
たとえば、自分が所有している時計やスマートフォンなどをリースバックの対象にした場合、契約成立後は「自分の物を担保としてお金を借りている」という構造ではありません。売買契約によって対象物件を売却し、その後はリース契約に基づいて借りて使用するという二段階の契約になっています。
したがって、リース期間中に手元に商品があったとしても、手元にあることと、その商品の所有権を持っていることは同じではありません。自己破産を考える際には、この点が非常に重要になります。カシャリの取引内容については公式の利用規約[参照]で確認できます。
自己破産を申し立てるとリース契約はどうなる?
カシャリの利用規約には、利用者について「支払停止もしくは支払不能となり、または破産手続開始、民事再生手続開始もしくはこれらに類する手続の開始の申立てがあった場合」の取り扱いが定められています。
規約第27条では、このような場合、利用者はリース契約に基づく期限の利益を失い、運営会社は通知によってリース契約を解除できる旨が規定されています。さらに、運営会社は対象物件の返還を請求でき、利用者は対象物件を返還するという内容になっています。
つまり、自己破産を申し立てた瞬間に法律上必ず自動的にすべての商品を返却する、と単純化することはできないものの、カシャリ側が契約を解除して対象物件の返還を求めることができる契約内容になっていることは重要です。
なぜ自己破産しても商品をそのまま所有できるとは限らないのか
自己破産では、借金などの支払義務について最終的に免責許可を得られる可能性があります。しかし、免責と「他人が所有する物を自分の物にできること」は別の問題です。
わかりやすい例としてレンタカーを考えてみましょう。レンタカーを借りている人が自己破産したからといって、その自動車の所有権が借りている人へ移るわけではありません。契約終了によって返却が必要になれば、原則として所有者へ返すことになります。
カシャリも通常のレンタカーとまったく同じ契約ではありませんが、「いったん対象物件を売却し、それをリースして利用する」という点を理解しておく必要があります。そのため、自己破産時には未払いとなった金銭債務の処理とリース対象物件そのものの返還を分けて考える必要があります。
返却せずに持ち続ければよい、とは考えない方がよい
カシャリの利用規約では、契約解除後の返還についても定めがあります。規約第27条では、対象物件の返還請求後、所定の返還期限までに物件が到着しなかった場合について、一定の損害金が発生する旨が規定されています。
そのため、自己破産を予定しているからといって、カシャリからの連絡を無視したり、対象物件を自己判断で処分・売却したりすることは避けるべきです。自己破産を弁護士や司法書士へ依頼している場合には、カシャリとの契約が存在することと、現在手元にある対象物件を必ず伝えてください。
特に「売却した物をリースしている」という契約関係は、通常の無担保ローンとは性質が異なります。契約書・利用規約・査定金額・受け取った金額・支払済みリース料・残りの契約期間などをまとめて専門家に見せると、状況を判断してもらいやすくなります。
車のリースバックの場合も所有権に注意
カシャリには車両リースバックサービスに関する特約もあります。公開されている特約では、対象車両について利用者から運営会社への所有権移転手続きを行い、その車両を利用者へリースする仕組みが規定されています。
車の場合には日常生活や仕事に不可欠であるケースもあるため、「自己破産後も車だけは使い続けたい」と考える人もいるでしょう。しかし、自己破産で必要な車を残せるかという一般論と、リース会社が所有している車を引き続き使用できるかという問題は別です。
車両リースバック契約を利用している場合には、自己所有車として扱われるとは限らないため、自己破産申立て前に契約書と車検証の所有者・使用者欄を確認し、依頼する専門家へ申告することが重要です。
「カシャリで自己破産した人がいる」という体験談だけで判断しない
インターネット上では、自己破産や債務整理について個人の体験談が投稿されていることがあります。しかし、「カシャリを利用した状態で自己破産した」という個別の体験談があったとしても、それだけで自分も同じ結果になるとは判断できません。
契約時期によって利用規約が異なる可能性がありますし、リース対象物件、未払いの有無、契約解除のタイミング、破産手続開始前後の状況などによって処理が変わる可能性があるためです。また、ネット上の投稿について本人の契約内容や破産手続の詳細まで確認することは通常できません。
そのため、体験談の有無よりも、自分が締結した契約内容と現在適用される規約を確認することの方が重要です。公開されている規約だけで個別ケースの結論を断定せず、自己破産を依頼する専門家とカシャリ側の案内を確認するのが安全です。
自己破産を検討している場合に確認しておきたいこと
カシャリを利用中に自己破産を検討する場合は、まず現在契約中の商品を一覧にしておくとよいでしょう。対象物件名、査定額、受取金額、毎月のリース料、支払済み金額、契約期間などが分かる資料を保存しておきます。
そのうえで、自己破産を依頼する弁護士などへ「カシャリで売却後にリースして使用している商品がある」と具体的に説明します。単に「カシャリに借金がある」と伝えるだけでは、契約関係を正確に把握できない可能性があります。
また、自己破産を検討し始めた後に対象物件を第三者へ売ったり、譲ったり、故意に隠したりすることは避けてください。契約上の問題だけでなく破産手続にも影響する可能性があるため、処分する前に専門家へ相談することが大切です。
まとめ:カシャリの自己破産では「借金」と「リース品」を分けて考える
カシャリのリースバックは、利用者が所有していた物を運営会社へ売却し、その物をリース契約によって引き続き使用する仕組みです。このため、自己破産をした場合に「支払いが免責されれば商品もそのまま自分の物になる」と考えるのは適切ではありません。
公開されているカシャリ利用規約では、破産手続開始の申立てなどがあった場合に期限の利益を失うことや、運営会社がリース契約を解除して対象物件の返還を請求できることが定められています。そのため、状況によってはリースバック対象物件の返却を求められる可能性があります。
ただし、自己破産における契約や債務の具体的な扱いは、契約内容、支払状況、対象物件、破産手続の進行状況などによって異なります。自己判断で返却・売却・支払い停止などを行わず、契約資料をそろえたうえで破産手続きを担当する弁護士などへ確認するのが確実です。